職場環境での生産性向上は、個人の努力で行うものと思われがちです。しかし、Slack でカスタマーエクスペリエンス担当 VP を務める Ali Rayl は、社員が前向きで生産的になれる職場環境作りにおいて、マネージャーには思っている以上にできることがあると考えています。
気を散らすものを取り除くことから、積極的にメンバーを集めて優先順位を定めて調整することまで、この記事ではチーム全員が時間を有効活用できるようになるための職場環境作りのヒントを紹介します。
リーダーの仕事は気を散らすものを減らすこと
10 年前に Rayl がマネージャーの 1 人から学んだ教訓で、今も頭に残っているものがあります。それは、職場環境において、マネージャーは気を散らされるものだということです。
「もしあなたの気が散っているのなら、それは飛んでくる色んなものをキャッチしようとしているのです。つまり、チームメンバーは仕事をするのに必要な余裕を持てているということです」と、彼女は話します。
このアドバイスの重要なポイントは、ビジネスを前に進めているのはあなたではなくチームのメンバーだと認める、ということです。「結局のところ、重要なのはメンバーが集中すること。なぜなら、実際に仕事を進めているのは彼らだからです」。
そのためにマネージャーは、気を散らすものを除くフィルターのような役目を引き受けて、チームメンバーが自分の時間をもっと上手に管理できるようにスケジューリングする必要があります。
月曜日は目標を大きく持つ日
月曜日をどんな気分で迎えるかはともかく、週の最初の日は、職場環境においてその後の 4 日間の状態を整える重要なタイミングです。
Rayl の場合、月曜日は、部門の上級マネージャーチームとの 1 時間の会議から始まります。チームが最も重視している指標を一緒に確認し、そのデータを基にその週のアジェンダと優先順位を決定します。
「その会議では、直面している課題や前に進むために行うこと、さらに前進を阻む障害となるものについて話し合います」と、Rayl は説明します。
その場で問題と実行可能な解決策について話し合うことで、部門として次に取り組むべきことを全員がはっきりと理解できるようになるのです。
Rayl にとっては、この時間を楽観的に過ごし、目標を大きく持つことが非常に重要です。優先順位はあとからいつでも調整できますが、大きな進歩を目指すなら、バーは高めに設定しないと始まりません。
水曜日はチェックポイント
月曜日がその週の大きなゴールを定める日なのに対し、水曜日はシンプルかつシビアなチェックをして、何をカットし何の優先順位を上げるかを判断する日です。
「自分にとっては少しハードで、現実的になる瞬間です」と、Rayl は話します。「現実的に考えて、残りの 3 日間で目標を達成できるか考えます。その答えはいつも『ノー』です」。
ここでは正直であることが大切です。そうでないと、週の終わりには疲れ切ってしまうからです。もっと悪いことに、重要だったり緊急だったりするタスクやプロジェクトが終わらないということにもなりかねません。
逆に、週の初めに設定したことを達成するための時間がいつも十分に残るのであれば、その目標がそれほど大きなものではなかったということになります。
自分に合った時間管理ツールだけを使用する
「おすすめ」の仕事効率化アプリやツールが知りたいなら、 Rayl に尋ねないほうがいいかもしれません。なぜなら Rayl は、「このツールを使いこなせればより良いマネージャーになれると思って使い始めても、長続きしません」と言うからです。
そのため Rayl は無理にツールを使おうとはせず、自分の職場環境にとってベストな方法で生産性を高めるようにしています。その方法とは、常にマクロレベルで重要な物事を把握することと、大きな目標を達成するために必要なタスクを設定していくことです。
Rayl がよく使うツールの 1 つは Google カレンダーです。計画した仕事の種類によって色分けできるため、毎日どのように時間を費やし、その週に何を達成できるかを簡単に確認することができます。
「1 日のスケジュールや自分のために使える時間がわかるだけでなく、チームのために自分が果たすべき役割を考えられるのです」。
書き物をする時間を確保する
職場環境において自己改善を続けることは重要です。 Rayl が成長のためにやりたいことの 1 つは、書き物をする時間をとることです。
「予定をまったく入れない時間や、自分の書き物のための休憩時間というのは、あまり作れていません。正直なところ、もっと時間を作りたいと思っています」。
Rayl は、技術投資家の Steven Sinofsky 氏による Twitter のスレッドをまとめたブログ記事「Writing Is Thinking(書くことは考えること)」を読んで刺激を受けたといいます。書くことは、難しい問題を分解して考えるだけでなく、ほかの人にわかりやすく説明するのにも役立ちます。
「人は何かを書くとき、没頭できます。それによって自分自身の思考を整理できます。それだけではなく、その考えを共有する周りの人のためにもなるんです」。