Slack の AI 機能のセキュリティ

Slack はデータのオーナーシップ、セキュリティ、プライバシーを非常に重視しており、AI 機能もその方針に基づいて構築されています。以下がその概要です。

  • 顧客データが Slack によって管理されているインフラストラクチャ外に出ることはありません。また、データは大規模言語モデル(LLM)のトレーニングに一切使用されません。
  • Slack の AI 機能は、メンバーがアクセスできるデータのみを使用します。
  • AI 機能は、Slack の持つエンタープライズ級のセキュリティとコンプライアンス要件のすべてを満たしています。詳しくはトラストセンターを参照してください。

よくある質問(FAQ)

Slack の AI 機能の仕組み

Slack では、サードパーティ製の大規模言語モデル(LLM)を、Slack の安全な Amazon Web Services(AWS)インフラ上に設置した環境で運用しています。これにより、ユーザーの Slack ワークスペースやオーガナイゼーション内にあるデータを活用した、パーソナライズされた一連の AI プロダクティビティツールを提供しています。Slack の AI 機能を使用すると、社内のランキングモデル(Slack の標準アーキテクチャで実行)が適用され、最も関連性の高い情報が検索されて並べ替えられます。次に、この情報が AWS によってホストされている LLM に送信されます。LLM によって応答文が生成され、Slack が回答を返します。LLM はリクエストからのいかなる情報も保持しません。


自分の Slack データがサードパーティの生成 AI モデルのトレーニングに使用されることはありますか?

顧客データがサードパーティの LLM のトレーニングに使用されることはありません。Slack では検索拡張生成(RAG)という手法を採用しています。これは、毎回のタスクに必要なデータを推論の実行時にのみ LLM に送ります。RAG では、データは推論リクエストのコンテキストで送信されます。モデルはデータを一時的にキャッシュすることはできますが、データベースやディスクにデータを保存することはできません。


Slack に、メンバーがアクセスできないはずのプライベートデータが表示されることはありますか?

Slack の AI 機能では、リクエストの時点でメンバーがアクセスできる Slack データのみが使用されます。自分がメンバーになっていないプライベートチャンネルまたはダイレクトメッセージ(DM)のデータが表示されたり、使用されたりすることはありません。例えば、AI 検索を使用した場合、Slack の通常の検索で表示されない結果が表示されることはありません。同様に、要約機能を使用する場合も、ユーザーがチャンネルまたは DM の閲覧時に表示できない内容が要約に含められることはありません。


Slack の AI 機能がデータを保存する期間はどのくらいですか?

会話の要約と回答の検索

会話の要約回答の検索では、AI による応答文が一時的なデータとして作成され(例 : 別画面に移動したり結果を閉じたりすると消滅する応答文)、そのデータはデバイスやサーバーに保存されません。

まとめ

まとめのデータは、しばらくの間まとめの履歴を再度参照できるよう、90 日間保存されます。まとめに使用されたメッセージが、削除操作やコンプライアンスポリシーによって削除されたり、非表示にされたりした場合(データが削除されたことを示す記録)、保存されていたまとめも削除されます。

ワークフローによって作成されたチャンネルの要約

ユーザーが自ら作成する会話の要約とは違い、パブリックチャンネルを要約するワークフローステップでチャンネルの要約を作成した場合、生成された要約は一時的な AI レスポンスではありません。そのチャンネルの要約は、ワークフローの次のステップ次第でメッセージとして会話に送信されたり、canvas に追加して保存されたりします。このような場合、AI が作成した要約を含むメッセージや canvas は、オーガナイゼーションのデータ保存設定に従って、Slack 内に保持されることになります。 


Slack は、誤解を招く情報(いわゆる AI のハルシネーション)をどのように防いでいますか?

Slack の AI 機能からの回答では、要約または回答の検索で参考にした元のメッセージが引用元として提示されることがあります。引用を選択すれば引用元のメッセージにジャンプでき、原文を見直して情報の補足や検証を行えます。Slack では AI 出力を評価する品質監視システムを採用しており、これらの評価でハルシネーションなどの評価指標が検出されると、品質低下の兆候として社内チームに通知されます。さらに、正確かつ安全で一貫した結果を得られるようにするため、AI 機能の使用中に LLM に送信されるプロンプトは Slack のモデルプロバイダーが提唱するベストプラクティスに従っています。


AI 機能をオフにしたり、アクセスを制限したりすることはできますか?

はい。オーナーと管理者は、ワークスペースまたは Enterprise オーガナイゼーションのメンバーが使用できる AI 機能を決定できます。Enterprise プランでは、OrG オーナーと管理者は AI 機能へのアクセスを特定のユーザーとグループに制限することもできます。詳細については、「Slack の AI 機能へのアクセスを管理する」を参照してください。