Slack でスクリーンリーダーを使う

概要

スクリーンリーダーを使用して、Slack デスクトップアプリとブラウザ版 Slack から会話を操作したり、メッセージを読み上げたり、サイドバーにある情報にアクセスしたりできます。

Tip : Slack では、よく使う操作にキーボードショートカットを用意しています。すべてのキーボードショートカットを表示するには、+/(Mac)または Ctrl+/(Windows/Linux)を押します。

Slack は、ウェブページというよりもアプリケーションに近い操作感です。以下のようにすることをおすすめします。

  • NVDA と JAWS を使用する場合は、基本的に操作時はブラウズモードではなくフォーカス / フォームモードを使う。
  • スクリーンリーダーを使用する場合は、可能であれば常に、ウェブブラウザではなく Slack のデスクトップアプリケーションを使う。

Slack を使用する際に理解しておきたい重要なコンセプトは次のとおりです。

ワークスペース Slack のワークスペースはオーガナイゼーションや部署に関連付けられます。入館する際に招待状が必要なオフィスビルのようなものと考えてください。デスクトップ版とモバイル版の Slack アプリを使っている場合は、一度に複数のワークスペースにログインできます。
チャンネル チャンネルは、オフィスビル内の大きな会議室やオフィスのようなものと考えてください。任意のプロジェクト、トピック、チーム別にチャンネルを作成できます。チャンネルはパブリックとプライベートのどちらにも設定できます。パブリックチャンネルでは、ワークスペース内のメンバー全員が投稿を読んだりチャンネルに参加したりできます。チャンネル名は必ず #(ポンド記号、ハッシュタグ)で始めます。
ダイレクトメッセージ ダイレクトメッセージ(DM)は、Slack においてチャンネル外で行われる小規模のやり取りのことです。DM は、チャンネル全体のメンバーに知らせる必要のない、一度限りの会話を交わしたい時に便利な機能です。例えば、一緒に仕事をする人に会議日時の変更をお願いする場合などに使用します。DM は 1 名に送ることも、同時に複数名に送ることもできます。
会話 Slack のチャンネルとダイレクトメッセージの構造は似ています。これらを総称して会話と呼びます。
スレッド スレッドを使えば、会話内の特定のメッセージに関するディスカッションをすっきりさせることができます。
メンション

メンションを使うと、Slack で確認を必要とする情報を投稿する時に、メンバーに直接通知できます。メンションは @(@ 記号)で始めます。

絵文字リアクション 絵文字リアクションは、メッセージに追加することで、メッセージに返信する手間が省けます。1 つのメッセージに複数の絵文字リアクションを追加することができます。

 

Slack の使い方

Slack のインターフェイスは、複数のトップレベルのセクションで構成される単一のウィンドウです。F6 を押してセクション間を、Tab で各セクション内を移動できます。Slack のすべてのツールバーは矢印キーで移動できます。

注 :ブラウザで Slack を使用している場合は、Ctrl+F6 / Ctrl+Shift+F6(Windows)または +F6 /+Shift+F6(Mac)を押します。

トップレベルのセクション

セクション名と役割を順に説明します。

ワークスペースのタブリスト
(複数のワークスペースにログインしている場合)

ログインしているワークスペースを切り替えられます。1 つのワークスペースにのみログインしている場合は、このセクションは存在しません。

ワークスペースのプライマリアクションツールバー

閲覧履歴、検索、ヘルプ、およびユーザーメニューを操作するためのオプションがあります。

ワークスペースのセカンダリアクションツールバー

ワークスペースメニューと新規メッセージボタンがあります。

ワークスペースのナビゲーショングループ

サイドバーでチャンネル、ダイレクトメッセージ、アプリ、その他のアイテム間を移動することができます。

プライマリビュー

会話でやり取りしたりメッセージに返信したりします。
セカンダリビュー
(表示している場合)
スレッド、ユーザープロフィール、製品内ヘルプを操作するときに表示されます。


F6 で移動すると、会話内のメッセージフィールドなど、セクション内の最も便利な要素が最初にフォーカスされます。セクション内を移動すると最後の位置が記憶され、F6 でそのセクションに戻った時にフォーカスが最後の位置に戻るようになりました。

Tip : Mac で Touch Bar を使用している場合は、F6 の代わりに +Ctrl+ / を使うこともできます。

 

プライマリビューとセカンダリビュー

Slack には常にプライマリビューが表示されます。このビューには会話(チャンネル、個々の DM のやり取りなど)やページ(ダイレクトメッセージの受信トレイ、保存済みアイテムなど)が含まれています。

セカンダリビューは、チャンネル内の個々のスレッドやユーザープロフィールなど、プライマリビュー内の要素に移動すると表示されます。

プライマリビューとセカンダリビューは、通常は次のコンポーネントで構成されます。

  • 1 つ以上のツールバー
  • インタラクティブリスト(通常はメッセージ、チャンネル、メンバー)
  • メッセージ入力

 

会話へ移動する

Slack でチャンネルダイレクトメッセージ(DM)、またはナビゲーションページ(「未読」「スレッド」「メンション&リアクション」など)を開くには、「別の会話へ移動する」が一番簡単な方法です。これはキーボードショートカットで起動できます。

  1. +K(Mac)または Ctrl+K(Windows/Linux)を押します。
  2. チャンネル、メンバー、またはページの名前を入力します。
  3. Enter キーを押します。

ワークスペースのナビゲーションセクションを使用して、アクティブな会話を参照することもできます。

  1. F6 を押して、ワークスペースのナビゲーションツリーにフォーカスを移動します。
  2. またはを押してチャンネル、DM、またはページに移動します。
  3. 選択するには Enter を押してください。

Tip : ワークスペースのナビゲーションリストの会話リストが長い場合は、Page UpPage DownEndHome キーを使うとすばやく移動できます。

このツリー内の各会話には、通知の変更、ミュートなどのアクションを実行するために使用できるコンテキストメニューが関連づけられています。

  1. F6 を押して、フォーカスをチャンネルリストに移動します。
  2. または を押してチャンネルまたは DM に移動します。
  3. VoiceOver を実行した状態で Shift+M(Mac)を押すか、Shift+F10(Windows/Linux)を押してコンテキストメニューを開きます。Mac でフルキーボードアクセスを有効にしている場合は、Tab+M を使うこともできます。
  4. またはを押してオプション間を移動し、Enter を押してオプションを選択します。

注 :コンテキストメニューでは、会話をサイドバーの「スター付き」セクションに移動できます。Slack の有料プランをお使いの場合は、カスタムセクションで会話を整理することもできます。

 

会話に参加する

会話を読み上げる

Mac

Windows/Linux

  1. 会話に移動すると、メッセージ作成領域がフォーカスされます。を押してメッセージリストに移動します。会話の最新のメッセージがフォーカスされます。
  2. 最初の未読メッセージに移動するには、+J を押します。
  3. メッセージリストが表示されたら、を押して個々のメッセージ間を移動します。メッセージがフォーカスされると、そのメッセージの要約が読み上げられます。VoiceOver を使っている場合は、メッセージ内を移動することもできます。

Tip : メッセージを古い順から時系列で 10 件まで再生できます。いずれかの会話から、+Option と 0 ~ 9 の任意の数字を押します(0 を押すと直近のメッセージを 10 件再生します)。

  1. 会話に移動すると、メッセージ作成領域がフォーカスされます。これにより、バーチャルカーソルがオフになります。
  2. を押してメッセージリストに移動します。会話の最新のメッセージがフォーカスされます。
  3. 最初の未読メッセージに移動するには、Ctrl+J を押します。
  4. メッセージリストが表示されたら、を押して個々のメッセージ間を移動します。メッセージがフォーカスされると、そのメッセージの要約が読み上げられます。
  5. バーチャルカーソルを使ってメッセージの内容を読み上げるには、Tab を押します。メッセージを送信した人の名前にフォーカスが移動します。
  6. メッセージの読み上げまたはメッセージ間の移動を再開するには、フォーカスがリスト内のメッセージに戻るまで Shift+Tab を押します。これによりブラウズモードが終了します。その後、もう一度を押してください。

Tip : メッセージを古い順から時系列で 10 件まで再生できます。いずれかの会話から、Alt と 0 ~ 9 の任意の数字を押します(0 を押すと直近のメッセージを 10 件再生します)。

次のキーを使ってメッセージ間をすばやく移動できます。

  • Page Up または Page Down : 上か下へ移動します。
  • Home または End : 最初のメッセージまたは直近のメッセージに移動します。
  • Shift+Page Up : 前日の最初のメッセージに移動します。*
  • Shift+Page Down : 翌日の最初のメッセージに移動します。*

*これらのキーを使用して、「全未読」画面のメッセージ間を移動することはできません。

 

その他のアクション

絵文字リアクションの追加、スレッドへの返信、メッセージへのリンクのコピーなど、数多くの便利なアクションを Slack 内のメッセージに対して実行できます。

  1. これらのアクションを使用するには、いずれかのメッセージにフォーカスを移動します。
  2. Tab+M(フルキーボードアクセスが有効な Mac)または Menu キー(Windows)を押してその他のアクションメニューを開きます。
  3. また、選択したメッセージにフォーカスがある時に Tab を押すことでも、これらのアクションとその他のアクションを使用することができます。

 

会話に返信する

  1. Mac の場合、チャンネルまたは DM でメッセージを作成するには、入力を開始します。フォーカスが自動的にメッセージフィールドに移動します。Windows または Linux の場合、F6 を押してフォーカスをメッセージフィールドに移動してから入力を開始します。
  2. (任意)Tab を押すと、作成者のプライマリーアクションツールバーが表示されます。ここで、添付ファイルの追加、動画および音声クリップの録画・録音、カスタム絵文字の挿入を実行できます。
  3. Enter を押してメッセージを送信します。

Tip : スラッシュコマンドを入力して、Slack でさまざまなアクションを実行することもできます。

また、新規メッセージボタンを使って、いずれかのメンバーや会話にメッセージを直接送信することができます。

  1. +N(Mac)または Ctrl+N(Windows/Linux)を押します。
  2. 「送信先 : 」フィールドにフォーカスが移動します。チャンネルまたはメンバーの名前を入力し、メッセージを送信する会話を選択します。
  3. Enter キーを押します。メイン画面が選択した会話に切り替えられ、メッセージフィールドにフォーカスが移動します。
  4. メッセージを入力し、Enter を押してメッセージを送信します。

 

スレッドを開始またはスレッドに返信する

スレッドは、チャンネルや DM 内のサイドバーの会話です。スレッドを使うと会話をきちんと整理しておくことができます。スレッドは 1 レベルの深さに固定されており、常にセカンダリビューに表示されます。

  1. 会話内で、スレッドを開始または返信するメッセージに移動します。
  2. または T を押すと、そのスレッドがセカンダリビューで開かれます。フォーカスはセカンダリビューの同じメッセージに移動します。既存のスレッドに返信がある場合は、 を押すと時系列順に表示されます。
  3. スレッドを開始またはスレッドに返信するには、End を押します。フォーカスはセカンダリビューのメッセージフィールドに移動します。

Tip : を押して、スレッドの返信が追加された元のメッセージにフォーカスを戻します。

 

アクティビティを確認する

Slack には、特定のすべての新しいメッセージをすばやく確認する方法がいくつかあります。これらをすべて調べることで、ワークスペース内の自分に関連するすべての新しいアクティビティをもっとも簡単に確認できます。

これらのビューには次の 3 つの方法でアクセスできます。1) 専用のキーボード ショートカットを使用する、2) クイックスイッチャーにビュー名を入力する、3) ワークスペースのナビゲーションリストの一番上からアクセスする(いくつかはその他メニューに隠れている場合があります)。

 

ダイレクトメッセージ

ダイレクトメッセージ画面では、チャンネル外で行われた個人およびグループの会話をすべて閲覧することができます。

  1. +Shift+K(Mac)または Ctrl+Shift+K(Windows/Linux)を押して、「ダイレクトメッセージ」を開きます。フォーカスがテキスト入力に移動します。それを使って任意の会話に移動できます。
  2. Tab を押してダイレクトメッセージの受信トレイリストにフォーカスを移動し、を押して会話のリスト内を移動します。会話がフォーカスがされている場合、各会話内の最新のメッセージが読み上げられます。
  3. Enter を押すと、プライマリビューで会話が開かれます(最新のメッセージがスレッドにある場合はセカンダリビューで開かれます)。フォーカスは最新のメッセージに移動します。

 

メンション&リアクション

「メンション&リアクション」画面では、メッセージへのリアクション、自分へのメンション、モニタリング中のキーワードの使用をすべて確認できます。

  1. +Shift+M(Mac)または Ctrl+Shift+M(Windows/Linux)を押して、「メンション&リアクション」を開きます。グループ内の最初のメッセージにフォーカスが移動します。
  2. を押してグループ内のメッセージ間を移動します。メッセージがフォーカスされると、関連するアクティビティを含む要約が読み上げられます。
  3. メッセージがフォーカスされている時に Enter を押すと、そのメッセージが含まれている会話が開きます。メッセージにフォーカスが移動します。
  4. リストから Shift+Tab を押すと、フィルターボタンに移動し、そこで表示をカスタマイズできます。

 

スレッド

「スレッド」画面では、ダイレクトメッセージとチャンネルの両方で、参加したすべてのスレッドを確認できます。

  1. +Shift+T(Mac)または Ctrl+Shift+T(Windows/Linux)を押して、「スレッド」を開きます。新しいアクティビティがある最初のスレッドのヘッダーにフォーカスが移動します。
  2. を押してスレッド内のメッセージ間を移動します。メッセージがフォーカスされると、要約が読み上げられます。
  3. この画面の各スレッドの最後でを押すと、メッセージ作成領域にフォーカスが移動します。これを利用して、そのスレッドに直接返信することができます。
  4. 空のメッセージ作成領域でを押すと、リスト内の次のスレッドヘッダーに移動します。
  5. スレッドヘッダーで TabEnter の順に押すと、そのスレッドに含まれる会話に移動します。その会話内のスレッドのルートメッセージにフォーカスが移動します。

 

未読

「未読」画面では、離席中に見ていないチャンネルメッセージをすべて確認できます。メッセージは会話別に分類されます。この画面にはダイレクトメッセージやスレッド内のメッセージは表示されませんが、上記の他の画面で確認できます。

Mac

Windows/Linux

  1. +Shift+A を押して「未読」画面を開きます。未読メッセージの最初のグループのヘッダーにフォーカスが移動します。
  2. を押してグループ内のメッセージ間を移動します。メッセージがフォーカスされると、要約が読み上げられます。必要に応じて、VoiceOver のキーボード操作を使ってメッセージ内を移動できます。
  3. VoiceOver を使ってメッセージ内を移動している場合は、F6 を押すとを使ったメッセージ間の移動を再開できます。
  4. メッセージのグループ全体を既読にするには、Esc を押します。メッセージが折りたたまれ、次のグループのヘッダーにフォーカスが移動します。
  1. Ctrl+Shift+A を押して「未読」画面を開きます。未読メッセージの最初のグループのヘッダーにフォーカスが移動します(これにより、バーチャルカーソルがオフになります)。
  2. を押してグループ内のメッセージ間を移動します。メッセージがフォーカスされると、要約が読み上げられます。
  3. バーチャルカーソルを使ってメッセージの内容を読み上げるには、Tab を押します。メッセージを送信した人の名前にフォーカスが移動します。
  4. を使ったメッセージ間の移動を再開するには、F6 を押します。メッセージリストにフォーカスが移動します。
  5. メッセージのグループ全体を既読にするには、Esc を押します。メッセージが折りたたまれ、次のグループのヘッダーにフォーカスが移動します。

Tip : 既読に設定せずにメッセージのグループを折りたたむには、フォーカスがグループのヘッダーにあるときに←を押します。

 

スクリーンリーダーの環境設定を管理する

スクリーンリーダーの使用感をカスタマイズするために、調整できる環境設定がいくつかあります。

  • メッセージ形式を選択して情報が読み上げられる順番を決める
  • ARIA アプリケーション役割の使用状況を選択する
  • DM 内で着信メッセージを読み上げるかどうかを選択する

手順は以下のとおりです。 

  1. +カンマ(Mac)または Ctrl+カンマ(Windows/Linux)を押して、「環境設定」を開きます。
  2. を押して「アクセシビリティ」へ移動し、Enter を押します。
  3. Tab を押して、スクリーンリーダーの環境設定セクションに移動します。
  4. Enter を押して、環境設定を選択します。

注 :DM 内でメッセージを送受信する時に音を再生するかどうかを選択するには、環境設定の「通知」セクションに移動してください。