Slack によるコミュニケーションで生産性の向上を実感するソニーネットワークコミュニケーションズ

「外出先であっても、モバイルで Slack だけを見ていれば仕事ができるというのが、目指す姿です」

Sony Network CommunicationsソニーネットNURO 技術部門 基幹ネットワークシステム部 通信インフラ課 課長今林 正裕 氏

1990 年代にインターネットプロバイダとして事業をスタートし、その後「NURO」ブランドを主軸とする固定通信事業への参入や、IoT・AI 分野の新規事業の創出などでビジネスを拡大させたソニーネットワークコミュニケーションズ。同社は、リモートワークによって希薄になった社員間のコミュニケーションを改善するため、全社で利用するコミュニケーションプラットフォームとして Slack の導入を決断。情報を Slack に集約し、ワークフローの効率化や社外とのコミュニケーションの円滑化など、さまざまな業務改革を進めました。

Slack の導入を推進した、NURO 技術部門 基幹ネットワークシステム部 通信インフラ課 課長の今林 正裕さんに、Slack を採用した理由や導入効果、今後の展望などについて伺いました。

リモートワークで希薄化した社員間コミュケーションの改善を目指して

ソニーネットワークコミュニケーションズは、インターネット黎明期の 1995 年、ソニーグループのインターネットサービスプロバイダとして設立されました。以降長年にわたり、インターネット接続サービス「So-net」を主力事業としてきた同社ですが、2013 年、ビジネスの新たな柱を確立するべく固定通信事業へ参入し、高速光回線サービス「NURO 光」の提供を開始。さらに近年、ソニーグループの技術を活用して IoT や AI 分野における新規ビジネスの創出にも力を入れ、事業の領域と規模を拡大させています。

コロナ禍は、そのように順調にビジネスを展開してきた同社にとっても大きな転機となりました。リモートワークの開始によって、社員同士のコミュニケーションが希薄化。皆が今なにをしているのかがわからなくなった、と今林さんは振り返ります。

同社では当時、別のツールを利用していましたが、会議などのクローズドコミュニケーションを前提とした設計で、全社横断的なコミュニケーションの促進には適してはいませんでした。

その状況を受けて同社は、全社で使うコミュニケーションプラットフォームとして、Slack の導入を決断しました。選定の決め手になったのは、優れた検索機能です。一般にチャットでのやりとりは、会話のように流れてしまい、過去のログを読み返すことはほとんどありません。Slack では、会話のキーワードを検索すれば、後からでもすぐにその情報にたどり着けるところにメリットを感じたそうです。

「検索して情報を手に入れたあとの次の動きこそが、本来の仕事であるはずなのに、検索に時間がかかると、そこで思考が止まってしまう。ストック化された情報から必要なものをサッと入手できるというのが、他のツールにはない Slack の一番の価値です。まさに当社の求めるものだと感じ、導入を決めました」

「ストック化された情報から必要なものをサッと入手できるというのが、他のチャットツールにはない Slack の一番の価値です」

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社NURO 技術部門 基幹ネットワークシステム部 通信インフラ課 課長今林 正裕 氏

スモールスタートで Slack の効果を実感し、全社定着化に成功

同社は 2020 年 8 月、推進役の今林さんの所属する NURO 技術部門において、Slack のパイロット運用を開始しました。将来的な全社展開を前提に、約 200 名の部門でのスモールスタートを導入方法として選んだ理由について、今林さんはこう説明します。

「私もマネジメント層も、導入前から Slack の価値を疑っていませんでした。ただ、利用が定着するか、管理者の負荷がどのぐらいになるかは、実際にやってみないとわからないので、価値を実感できてから全社展開しようと考えました」

同社は、NURO 技術部門での Slack の活用が順調に進んだことを受け、2021 年 10 月 Slack を全社へ展開。2023 年 4 月現在、アクティブユーザー数はグループ会社を含めて約 2,400 名に達し、グループ会社ごとに分けられた 6 つのワークスペースが稼働しています。大多数の社員は、従来のツールをそれまで通り会議ツールとして使い、メールで行っていたコミュニケーションを Slack へ移行する形で使い分けているそうです。

「ツールの使い分けのルールは明文化していません。使いたいほうを便利に使ってくれればいいと思っていますが、メッセージを確認するプラットフォームとしては、皆メールから Slack へ自然に切り替えています。その結果、私を含め、社全体のメールの量は激減しました」

チャンネルに情報を集約し、意思決定・仕事のスピードがアップ

同社では、出退勤の連絡や業務の報告などに Slack チャンネルを利用しています。今林さんの部署では、メンバー各自が週 1 回決められた時間に、チャンネルへ報告事項や質問などを投稿することとし、週次の定例ミーティングを廃止しました。

会議や電話など、強制的な同期コミュニケーションを非同期コミュニケーションに変え、それによって浮いた時間を有効に使えることが、Slack のメリットのひとつだと今林さんは感じているといいます。

「Slack なら高い頻度でメッセージを送っても、メールのようにうっとうしく感じない。コミュニケーションをより気軽に、密に取れるので、むしろ対面で話していた時より意思決定と仕事のスピードは上がりました。出社の比率が高くなっても利便性は変わらないので、今や Slack は、リモートワークだから使うというツールではなくなっています」

その証拠に、同社では最近、完全リモートワークを経て現在は出社頻度が増えていますが、Slack のメッセージの量はまったく減っていません。今林さんは、会話の内容をストックしてあとから確認できるという点に、Slack でのやりとりのメリットがあり、出社後もコミュニケーションが続いているのではと指摘します。実際に、進行中のプロジェクトに新たに加わったメンバーがチャンネルのログを遡ることによって、短時間でキャッチアップできるようになっていると言います。

また、同社では、社長から社員に向けてメッセージを発信するツールとしても Slack を活用しています。イントラネットのウェブサイトへの掲載やメールでの配信など、マネジメント層の従来の情報発信の場に Slack が追加されたことで、全社的なコミュニケーションのインフラとしての Slack の位置づけがより強化されました。

その結果、今林さんのもとには、「Slack でこういうことはできないの?」という問い合わせがマネジメント層からもよく寄せられるようになるなど、Slack 利用の裾野が着実に広がっています。

さらに、大企業向けソリューションである Slack Enterprise Grid を利用している同社では、グループ会社ごとの 6 つのワークスペースを利用し、グループ会社同士や、外部企業とのコミュニケーションも行っています。

それぞれのワークスペースは、グループ各社で個別に運用されており、ガバナンスやセキュリティが担保されています。そうした安全な環境のもと、各社のワークスペースをまたいでチャンネルを作成・共有し、Slack コネクトで外部企業とも繋がることで、グループを越えて円滑にコミュニケーションを取れるようになったといいます。

申請のワークフローの効率化、会議の削減など、Slack を使った自動化で生産性を向上

同社では、従来メールだった承認者への通知を Slack で行うように変更しました。ワークフローシステムで各種申請が行われると、承認の必要な社員へ自動的にメッセージが送信され、申請承認フローを迅速に回せる仕組みです。

それに関連して、決裁申請の際、事前に関係各所に確認を取るための Slack チャンネルを用意したり、経費申請やシステムのバグ修正のリリースを出す際の確認などの承認プロセスについても、Slack チャンネルで済ませるようにしています。

「以前は、決裁申請をワークフローで回す前に、文書やメールで関係各所の了承を得ていましたが、なかなか返事がこないこともありました。現在はワークフローとチャンネルのコミュニケーションですぐに済ませることができるため、そこから考えると大きく効率化したと感じます」

「以前は、決裁申請をワークフローで回す前に、文書やメールで関係各所の了承を得ていましたが、なかなか返事がこないこともありました。現在はワークフローとチャンネルのコミュニケーションですぐに済ませることができるため、大きく効率化したと感じます」

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社NURO 技術部門 基幹ネットワークシステム部 通信インフラ課 課長今林 正裕 氏

このような Slack 活用による効果は、さまざまな形で表れています。先に触れた通り、今林さんの部署では週 1 回 1 時間の定例ミーティングを廃止し、参加メンバー 10 名分で週 10 時間の工数を削減。他の会議と合わせて、約 20% ほどの会議を削減できたといいます。

「皆の時間を合わせてコミュニケーションする、つまり人を 1 か所に集めることで情報を集約するというのが、これまでの仕事のやり方でした。Slack によって、人ではなく情報を 1 か所に集めることで、より迅速に意思決定し、仕事を進められるようになりました」

「Slack によって、人ではなく情報を 1 か所に集めることで、より迅速に意思決定し、仕事を進められるようになりました」

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社NURO 技術部門 基幹ネットワークシステム部 通信インフラ課 課長今林 正裕 氏

モバイルで Slack だけを見ていれば仕事ができる姿を目指して

Slack を活用した今後の展開として、今林さんは Sales Cloud をはじめ、社内で活用している様々なアプリケーションとの連携を検討していると言います。

「顧客のステータスが変わったら自動的に通知を飛ばすなど、すべての通知が Slack に届き、外出先であっても、モバイルで Slack だけを見ていれば仕事ができるというのが、目指す姿です。そのために今後、全社で利用する業務プラットフォームとしての Slack の位置づけをより強化したいと考えています」

コロナ禍によって希薄になったコミュニケーションの密度と速度を改善するため、Slack の全社導入に踏み切ったソニーネットワークコミュニケーションズ。その結果としてもたらされた意思決定の迅速化をはじめとした生産性の向上は、想像以上に大きかったと今林さんは語ります。

「Slack を使ってわかったことですが、グループ会社や外部関係企業などとの連携が多い大規模な組織においても、“思わぬ人の声が思わぬ人を助ける” というオープンコミュニケーションの価値は非常に高い。コミュニケーションツールは数多くありますが、エンタープライズ領域で完全なオープンコミュニケーション、またなにより生産性の向上を実現した最初のツールは Slack なのではないでしょうか」

※ 本事例は 2023 年 3 月時点の内容です。

「外出先であっても、モバイルで Slack だけを見ていれば仕事ができるというのが、目指す姿です」

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社NURO 技術部門 基幹ネットワークシステム部 通信インフラ課 課長今林 正裕 氏