デジタル環境が日進月歩で変化するいま、残念ながら、サイバーセキュリティへの脅威も同様に進化しています。そんななか、デジタルインフラストラクチャを攻撃者から守るために尽力しているのが Snyk のような企業です。
Snyk は、仕事環境をより安全に保つ、開発者向けのセキュリティプラットフォームを展開しています。このプラットフォームを開発ツールやワークフロー、自動化パイプラインに直接連携させることで、開発者はコード、依存関係、コンテナ、Infrastructure as Code(IaC)におけるセキュリティの脆弱性を迅速に検出して、それを軽減できます。
多くの競合他社がひしめく市場で事業を展開しながら急成長を遂げている同社では、社内プロセスを効率化して、研修やコミュニケーション、営業、その他の重要な事業部門の機能を最適化する必要性が高まっていました。
そこで、その勢いを保ちながらシームレスな拡大を進めるために、Snyk は Slack の力を活用。新市場の開拓や持続的な規模拡大に求められる、摩擦のない機敏性を確保しています。

「従業員が地理的に離れた場所で働いている当社では、ソフトウェア開発から成約まで、日々の業務に Slack が欠かせません」
コラボレーションの一元化と迅速な営業サイクルを Slack Sales Elevate で実現
Snyk でもっとも従業員数が多いのは営業部門です。同社の成長が加速していくなか、営業チームからは、日々の業務をもっと最適化する必要があるとの声があがり始めました。
そこで Snyk は、Slack Sales Elevate を導入。Sales Cloud と Slack を連携させるこのソリューションにより、リアルタイムの CRM データを営業担当者の Slack ワークスペースに直接取り込めるようになります。
Sales Elevate によって、Slack でやり取りされる会話の中に CRM データを取り込むことで、営業チームはリアルタイムのデータにもとづいてアクションを実行し、効率的に同僚と連携して、案件をすばやく成立させることが可能になります。Salesforce の取引先や商談、主な指標といった情報を Slack で包括的に把握できるので、営業担当者だけでなくマネージャーも、プラットフォームを切り替える手間なく、案件のあらゆる段階で可視性を高めて、スピーディーに意思決定できます。
Snyk の営業担当者は、Sales Elevate のリアルタイムの通知とアラートのおかげで、デスクでも外出先でも、案件の変更をすばやく把握して対応できます。Sakin 氏によると、営業チームは、案件のステージや規模が変更された際に自動で届くカスタム通知も Sales Elevate で作成し、プロセスの効率化と営業サイクルの短縮を実現しています。今では案件の更新情報を追いかける必要がなくなったことで、営業チームのメンバーは、より成果につながる仕事に時間を使えるようになっています。
営業チームに Sales Elevate を容易に導入できたことを受けて、Snyk では最近、Slack によるプロセスの自動化を営業エンジニアとカスタマーサクセスマネージャーにも拡大しました。これらのチームではワークフロービルダーを使って、収益のしきい値を超えた案件が成立すると、新しいチャンネルが自動的に作成される仕組みを作成。販売後のサービス提供へと効率的に移行できるようにしています。この自動化により、メンバーが管理業務に費やす時間を減らせるとともに、より広範なチームにわたって可視性を高めることができます。
Salesforce チャンネルで、顧客データを中心としたコラボレーションが可能に
Snyk は、テクノロジーの最先端を走り続けている企業です。Slack の「Salesforce チャンネル」のパイロットプログラムに参加する企業の一社となったのもその現れでしょう。CRM データと Slack 内の会話をつなぐ Salesforce チャンネルにより、世界中に分散する同社の営業チームは、情報や認識をしっかりと共有し、強力な可視性とコラボレーションの機能を使って、一貫性のある質の高いカスタマーエクスペリエンスを提供できるようになります。現在は Slack 向けに提供されているこの Salesforce チャンネルは、まもなく Salesforce からも直接利用可能になる予定です。
Salesforce チャンネルを使うことで、Snyk の複数の取引先チームは、リアルタイムの顧客データにもとづいて 1 か所で連携できます。つまり、さまざまな地域や部門に散らばる取引先チームが、顧客データに自動的に関連づけられた会話や意思決定をもとに、シームレスに案件を進めたり、協力して顧客をサポートしたりできる、一元化された場所ができるのです。
Sakin 氏はこう説明します。「当社には、複数の案件用チャンネルがあります。関係するカスタマーサクセスマネージャーを含めて、顧客について話し合うチャンネルです。これらのチャンネルは CRM と接続されているので、リアルタイムの商談情報にもとづいて話し合いができます。Salesforce の案件情報の変更を知らせる通知を設定する際にも、参照すべきチャンネルが正確にわかります」
会話の中から顧客情報にアクセスできることで、チームメンバーは、頻繁にツールを切り替えたり、Slack のチャンネルと Salesforce のプラットフォームとの間でデータを照合したりすることなく、顧客へのサービス提供に集中できます。「顧客データにもとづいて会話をし、チーム間で効率的に連携できるのは画期的です。当社のビジネスにも大きなメリットになります」と Sakin 氏。「顧客についての情報や認識をチームで常に共有することで、顧客により多くの価値を提供できるようになるでしょう」
今後の Salesforce チャンネルの活用について、Snyk には大胆なビジョンがあります。案件が承認されると作成される Salesforce チャンネル内で、コラボレーションの方法を標準化し、ワークフローの自動化と営業テンプレートを活用することで、チームで協力して案件に対応する際のベストプラクティスを浸透させる、というものです。

「Slack AI を使って、蓄積されてきたナレッジを効果的に活用することで、従業員が回答をすぐに見つけて、情報にもとづいた意思決定を行えるようになります。これは当社の競争力を維持するために不可欠な力です」
Slack AI を活用して仕事をさらにスマートに
Snyk で Director of AI Operations を務める Matt Jarvis 氏は、生成 AI を使って社内の効率性を向上させる取り組みを主導しています。この数か月間、同氏は Slack AI を使った Snyk ならではの AI 活用方法を探求してきました。
Slack AI により、さまざまな生成 AI の機能を Slack 環境内でシームレスに連携できます。 AI による直感的にわかりやすいガイダンスにより、ユーザーはチャンネルの要約、質問への詳細な回答、休暇明けや会議欠席後の重要情報のまとめといった便利な機能を利用できます。
Jarvis 氏によると、Slack AI の「まとめ」は同社でもっともよく使われている機能の 1 つです。大型案件や動きの速いプロジェクトのチャンネルでは、会話がどんどん進み、重要な情報が埋もれてしまうことがありますが、この機能を使えば、そのような会話も AI がさっと要約してくれます。経営幹部にも役立つ機能です。
「経営幹部もチャンネルに参加することで、現状を明確に把握できます」と Jarvis 氏は説明します。「1 つのチャンネルに多数のスレッドが連なっていたり、会話の流れが速かったりすると、情報を把握するのは簡単ではありません。チャンネル内の動きを要約してくれる機能により、経営幹部も背景をしっかりと理解し、より適切な意思決定をより迅速に行えるようになります」
Slack AI は、従業員だけでなく、顧客にとってもメリットをもたらすと Jarvis 氏は言います。ボタンをクリックするだけで社内の集合知にアクセスできることで、見込み客や現在の顧客に、正確な情報をすばやくシームレスに提供できます。「AI の導入により、必要な回答を見つけるのがはるかに簡単かつスピーディーになりました。これにより、顧客によりよいサービスを提供でき、ビジネス全体の成果も向上させることができます」
インテグレーションと自動化で、迅速なスケールアップを促進
Snyk のような急成長している企業にとって、勢いを維持しながら大規模な変革を推し進めるのに欠かせないのが、インテグレーション機能です。同社では、Workday などの既成ツールから、指標の投稿やコンテンツ公開を自動で行うカスタムソリューションまで、多くのビジネスアプリケーションを Slack に連携させています。
Sakin 氏は、とくに Slack の Jira インテグレーションが Snyk の拡大に大きく役立ったと話します。「このインテグレーションにより、すべてのサポートを Slack 上で行うスタートアップ企業から、大企業レベルのチケットシステムを備えた企業へと成長できました。それにより、エンドユーザーの利用体験を変えることなく、レポート作成やチケット対応、SLA やチケットのステータス確認ができるようになりました。今では、従業員はチャンネルに質問を投稿するのではなく、ワークフローを使って Slack 上でチケットを直接展開できるようになっています」
Slack で自動化ワークフローを作成することで、効率も高まります。コーディング不要のこのツールにより、Snyk では、サポートリクエストのエスカレーションや製品チームへの質問といった定型的なプロセスを自動化して効率を向上。その結果、1 か月あたり約 8,300 時間の節約を実現しています。
デジタル世界の安全を守る Snyk の規模拡大に貢献できることは、Slack にとっても誇りです。Sakin 氏はこう言います。「Slack はただのコミュニケーションツールではありません。仕事を前に進める場なのです」