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ポストコロナの世界で人材獲得競争に勝つには

93% が柔軟な働き方や勤務時間を求めているほか、半数以上が転職に前向きだと判明

Slack チーム一同作成2021年6月15日

サンフランシスコ、2021 年 6 月 17 日 - Future Forum では、パンデミックの発生から 15 か月間で従業員の意識がどう変化したかに関するグローバル調査を新たに発表します。Future Forum とは Slack Technologies, Inc.(NYSE : WORK)が立ち上げたコンソーシアムで、企業がデジタルファーストの新たな職場で働き方を再構築できるよう支援しています。今回のレポート Future Forum Pulse で注目したいのは、仕事の満足度を決める要因において柔軟性が報酬に次ぐ第 2 位となったことです。ナレッジワーカーの 93% が柔軟なスケジュールを求めているほか、76% が働く場所の柔軟性を求めています。

また企業が留意すべき結果も明らかになりました。ナレッジワーカーの 5 人に 1 人(21%)は今後 1 年以内に別の企業に転職する可能性が高く、半数以上(56%)は新しい職を探すことに前向きです。

Future Forum Pulse は、アメリカ、オーストラリア、ドイツ、日本、フランス、イギリスのナレッジワーカー 10,000 人以上のデータをもとにしています。Future Forum ではリサーチレポートに加えて、Chobani、Levi's、Royal Bank of Canada などさまざまな企業の経営幹部ネットワークの助言をもとに、Herman Miller、BCG、MLT と共同で作成した 3 つのプレイブックも公開する予定です。

リサーチレポートとプレイブックでは、オフィスかリモートかの二者択一に留まらない柔軟な働き方について説明しています。さらに、オフィスでの 9 時 5 時勤務に戻ることなく柔軟性を実現するには、情報に常にアクセスでき、一貫したコミュニケーションのためのチャンネルを備え、予測しやすい仕事のリズムを生む新たな働き方モデルが必要であることもわかりました。

「この 1 年で、人々の意識は大きく変わりました。コロナ前のオフィス生活には戻りたくない一方で、15 か月間強いられた完全リモートでの実験室から抜け出したいとも思っています。優秀な人材を惹きつけ確保したい企業は、まったく新しい働き方に目を向けなければいけません。それはどこで働くかだけでなく、いつ・どのように働くかを根本的に見直した柔軟なモデルです」

Future Forum Executive LeaderBrian Elliott

ここでは、Future Forum Pulse から重要なインサイトを 3 つ紹介します。

1.勤務時間の柔軟性は、勤務場所よりも重要

ナレッジワーカーにとって、柔軟性はどんな形であれ欠かせないものとなりました。93% が働く時間の柔軟性を、76% が場所の柔軟性を求めています。

働く場所の柔軟性は、ナレッジワーカーのストレス管理能力やワークライフバランス、仕事に対する総合的な満足度に大きく影響します。調査では、完全リモートワークをしている人のストレス管理能力は 58%、ワークライフバランスは 45%、仕事満足度は 30% 高いことがわかりました。

しかしスケジュールの柔軟性は、場所以上に劇的な効果があります。生産性がさらに向上し、ストレスが大幅に軽減するのです。また、仕事に必要な人とつながりやすくなり、情報を得やすくなることもわかりました(詳しい数値は下の表を参照してください)。

ナレッジワーカーにおける柔軟なスケジュールの影響

しかし、柔軟性には限界があります。ナレッジワーカーには、仕事においてある程度の構造がやはり必要なのです。3 分の 2(65.6%)のナレッジワーカーは、完全な柔軟性と予測可能なフレームワークのバランスを求めています。よくある例としては、会議や迅速なやり取りのためのチームのコアタイム(例 : 10 時~14 時)を設け、それ以外の時間帯は個人の自由裁量を認めるというものです。

2.オフィスの役割がある一方で、デジタルインフラが重要に

コロナ前、先端企業は都心のオフィスやさまざまな設備に莫大な費用をかけていました。ポストコロナの時代は、同じ投資をデジタルインフラに充てるべきです。

オフィスを 1 人で集中して仕事をする場として捉えている人は、20% にも及びません。その代わり、80% 以上のナレッジワーカーが、同僚や顧客との連携(32.9%)、対面の会議(19.9%)、仲間意識の醸成(25.2%)など、顔を合わせたコラボレーションやチームビルディングのためにオフィスを利用したいと答えています。

オフィスが主に対面でのコラボレーションやチームビルディングの場であるとすれば、デジタルチャンネルは仕事を進める場です。新たなデジタルインフラに必要な投資を行った企業は、レガシーシステムに頼る企業に比べて、劇的な改善が見られました。生産性(54% 向上)については予想どおりですが、それ以外にも帰属意識(2 倍以上)や、ストレスや不安を管理する能力(5 倍以上)も大きく向上したのです。

コミュニケーションの頻度が従業員の満足度にどのように影響するかを示すグラフ

また Future Forum Pulse では、チーム内のコミュニケーションの頻度が従業員満足度に大きく影響することを明らかにしています。調査では、デジタルインフラを利用して 1 日に複数回やり取りするナレッジワーカーの満足度は、ほぼやり取りしない人に比べて大幅に高いことがわかりました。帰属意識はほぼ 3 倍、ストレスや不安を管理する能力は 2 倍以上となったのです。

3.柔軟な働き方は、ワーキングマザーや黒人のナレッジワーカーにメリットが大きい

アメリカでは、コロナ禍でワーキングマザーが大きな影響を受け、男性よりも 50 万人も多くの女性が仕事を失っています。自宅で働くようになった女性も、パンデミックによって仕事のスケジュールにおける融通の利かなさに直面し、燃え尽き症候群や離職がかつてないほど増えました。Pulse によると、子どものいる女性は、子どものいる男性に比べて、ワークライフバランス(-38%)、ストレス管理能力(-50%)、帰属意識(-23%)など各要素におけるスコアが低いことが明らかになっています。

Future Forum Pulse の調査結果(子どものいる男女の比較)

こうした状況において、柔軟な働き方モデルは画期的な解決策になるかもしれません。子どものいる女性は、柔軟なスケジュールの最大のメリットとして「日中に自分や家族のことをよりうまくこなせるようになる」と答えています(子どものいる男性が挙げたのは「ワークライフバランスがよくなる」)。柔軟な働き方を標準化し、誰もが実践できるようにすることが、こうした格差を解消する鍵の 1 つになるでしょう。

黒人のナレッジワーカーの満足度も、全体的に低い結果となりました。職場の人間関係における満足度は一貫して低く、職場で公平に扱われていると感じる人も少ないうえ、上司には自分の仕事を正当に評価してもらう必要があると考えています。当然ながら、黒人従業員はこの 1 年の内に新たな職を求める傾向がさらに強く、白人従業員の 51% に対して 72% という結果になりました。

柔軟な働き方は、このような偏りを正すきっかけになります。黒人のナレッジワーカーの回答では、リモートワークで帰属意識が高まると答えた人は、下がると答えた人よりも多く、白人のナレッジワーカーではその逆となっています。また、柔軟な働き方を望む白人のナレッジワーカーが 56% であるのに対し、黒人のナレッジワーカーでは 68% でした。

多様性の向上を目指す企業にとっては、地理的な要素も重要です。黒人の労働者の約 60% はアメリカ南部に集中していますが、民間企業の労働者における黒人の割合は 3 分の 1 に留まっています。企業が多様性に富むインクルーシブなチームを築くには、誰もが機会を平等に得られる真の柔軟性を実現しなければいけません。

人材獲得競争での結果を左右する 3 大質問

  1. 柔軟性を基本的な福利厚生とするには?現代の企業運営において、従業員の働く時間と場所の柔軟性を確保することは特典ではなく基本原則です。
  2. つながりを生むためにはインフラをどう再構築すればよいか?インフラは、もはやオフィススペースだけの問題ではありません。仕事を進めるためのデジタルな重心が必要です。
  3. 多様性、公平性、インクルージョンをコアコンピテンシーとするには、マネージャーをどのように再教育すればよいか?これは、企業が優秀で多様な人材を惹きつけて確保できるようになるために欠かせないステップです。

これらの質問に対する答えは、業界や企業によって異なるでしょう。人材獲得競争に勝つには、コロナ前の働き方には戻れないと理解することが大切です。優れた人材の獲得や確保は、どれだけ未来に向かって進めるかにかかっているのです。

その他のコンテンツ :
ホワイトペーパー Future Forum Pulse の全文を読む

Future Forum の新しいプレイブック :

調査方法

本調査は Qualtrics によって、2021 年 4 月 26 日から 5 月 6 日にかけて、アメリカ、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、イギリスのナレッジワーカー 10,447 人を対象に実施されました。回答者はすべてナレッジワーカーです。ナレッジワーカーとは、フルタイム(週 30 時間以上)で雇用され、「データを扱う、情報を分析する、創造的に考える」と答えた人、または以下のいずれかの役割を担う人と定義しています。エグゼクティブマネジメント(例 : 社長や共同経営者、CEO、CFO などの経営幹部)、シニアマネジメント(例 : エグゼクティブ VP、シニア VP)、ミドルマネジメント(例 : 部門やグループのマネージャー、VP)、ジュニアマネジメント(例 : マネージャー、チームリーダー)、シニアスタッフ(例 : 非管理職)、スキルを備えたオフィスワーカー(例 : アナリスト、グラフィックデザイナー)。

Future Forum Pulse では、ナレッジワーカーが自らのビジネスライフについてどのように感じているかを 7 つの項目において 5 段階で回答し、その結果を -60(最も悪い)から +60(最もよい)までのスケールで評価しました。

連絡先 :

Steve Sharpe
pr@slack.com

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    うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。