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カンファレンスとは?役割やメリットなどを解説

カンファレンスの実施には、ビジネスシーンにおいてさまざまなメリットをもたらします。カンファレンスの定義や開催するメリット・デメリット、開催の手順などを紹介します。

Slack チーム一同作成2024年2月26日

ビジネスシーンにおいて「カンファレンス」という言葉を耳にすることがあります。会議やシンポジウムとどう違うのか、疑問に感じていた方も多いのではないでしょうか。

今回は、カンファレンスの定義や、カンファレンスを開催するメリット・デメリットなどについて解説します。カンファレンス開催の手順や、カンファレンス開催後の対応についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

カンファレンスとは大規模な会議のこと

カンファレンス(Conference)は、元々「会議」や「協議会」といった意味をあらわす英語で、大規模な会議のことを表します。オフィスの一室で行われる会議とは異なり、大きな会場を用意して大人数を集めて開催されるのが一般的です。

カンファレンスの役割

カンファレンスの役割はテーマによって異なりますが、よく見られるケースとして以下のものが挙げられます。

カンファレンスには、テーマに関心のある人が参加するため、最新の情報や知見を得られます。参加者が知見を深めたり、人脈を広げたりするきっかけづくりをすることが、カンファレンスの役割と言えるでしょう。

ビジネスシーンのカンファレンス

ビジネスシーンにおけるカンファレンスは、「ビジネスカンファレンス」などと呼ばれています。テーマに沿って基調講演やパネルディスカッション、質疑応答に加え、参加者間での情報交換などが行われる大規模な会議です。特定の企業 1 社が主催するものは「プライベートカンファレンス」、オンラインで開催されるものは「オンラインカンファレンス」と呼ばれることもあります。

ビジネス以外のカンファレンス

カンファレンスは医療分野や学術分野など、ビジネス以外の分野でも開催されています。スポーツ分野でもカンファレンスという言葉が使われる場合がありますが、会議のようなものではなく、「競技連盟」や「リーグ」を表す意味合いで使われるケースが多いため注意が必要です。

カンファレンス関係の用語

カンファレンス関連でよく使われる用語の意味は、次の通りです。英語だけで判断すると勘違いしてしまうかもしれませんので、ご注意ください。

カンファレンスとほかの会議との違いとは?

会議を表す言葉には、カンファレンス以外にもさまざまな用語があります。各用語とカンファレンスの違いを押さえておきましょう。

ミーティングとの違い

一般的にカンファレンスは大人数、ミーティングは少人数で開催される会議になります。また、ミーティングには限られた関係者のみ参加しますが、カンファレンスにはテーマに関心のある人が誰でも参加できるケースが多いです。ただし、大勢が集まるイベントなどを「ミーティング」と呼ぶケースもあるため、絶対的な区別はないとも言えます。

ディスカッションとの違い

ディスカッションは、「討論」「討議」という意味を表します。異なる意見同士をぶつけ合うことになるため、必然的に少人数で行われるケースがほとんどです。
カンファレンスは討論などが主目的ではありませんが、複数の登壇者が壇上でディスカッションを交わす企画が盛り込まれていることもあります。

シンポジウムとの違い

シンポジウムは専門性の高い分野で開催されるケースが多く、テーマも専門分野に特化されているため少人数で開催されるケースも少なくありません。
カンファレンスによっては、専門分野に分かれて実施される分科会のことをシンポジウムと呼んでいる場合もあります。

フォーラムとの違い

フォーラムは、公開会議をあらわす言葉です。シンポジウムと同様に、特定のテーマに関する講演や討議が行われますが、広く一般の方に参加してもらうことを想定しているイベントが多いと言えます。
ただし、専門分野における関係者だけが参加するフォーラムも存在するため、厳密に区別することはできません。

コンベンションとの違い

コンベンションは、学会・大会・国際会議といった意味を表す言葉です。カンファレンスとほぼ同じ内容で開催されますが、一般的にはコンベンションのほうがさらに大規模なものを指すケースが多く見られます。

ビジネスカンファレンスの種類

ビジネスカンファレンスは、さまざまな形式で行われます。主なビジネスカンファレンスの種類は、講演会、パネルディスカッション、ワークショップ、展示会、ポスターセッションなどがあります。それぞれの内容をご紹介しましょう。

講演会

講演会は、聞くことが主体のビジネスカンファレンスです。その分野の専門家やオピニオンリーダーとされる人が登壇し、業界のトレンドや最新動向について講演します。
カンファレンスの冒頭に基調講演が設けられ、続いて一般講演が行われるのもビジネスカンファレンスによく見られる構成のひとつです。

パネルディスカッション

パネルディスカッションは、カンファレンスのテーマに関する専門的な知見を持つ人が、複数名で討論を交わすのを聞く形式のビジネスカンファレンスです。
前述の講演会が行われたのち、登壇した方がパネルディスカッションを交わすケースも多く見られます。

ワークショップ

ワークショップは、参加者自身が作業やトレーニングを行う体験型のビジネスカンファレンスです。ワークショップが主体のカンファレンスもあれば、講演会やパネルディスカッションなどが催されたのち、参加者が実践を通して学ぶためのワークショップが設けられるケースもあります。

展示会

展示会は、テーマに関わりの深い企業などが自社の製品やサービスを展示し、参加者に紹介するタイプのカンファレンスです。特に専門性の高い分野においては、最新技術などの解説と製品紹介を兼ねているケースもあります。

ポスターセッション

ポスターセッションは、研究開発などの内容を大判のポスターにまとめたものを掲示し、研究開発に携わった担当者がポスター前で説明する形式のカンファレンスです。担当者から直接話を聞けることに加え、その場で質問できる点が大きなメリットと言えます。
講演会やパネルディスカッションなどの合間に参加者がポスターセッションを見て回れるケースも少なくありません。

ビジネスカンファレンスのメリット

ビジネスカンファレンスを行うことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。主なメリットは次の5点です。ビジネスカンファレンスを開催することが、自社にとって有益なものとなるかどうかの判断材料にしてください。

集客と売上の向上

ビジネスカンファレンスの参加者は、基本的にその分野に関心を寄せていますので、集客のチャンスとも言えます。ほかのマーケティング活動によって発掘されていなかった潜在顧客を獲得すれば、売上の向上につながるメリットもあるでしょう。また、参加者がカンファレンスに申し込んだ際に送信した情報や、カンファレンス当日に記載したアンケートなどを、潜在顧客のリストとして活用するケースも少なくありません。

既存顧客のロイヤリティ向上

既存顧客を対象としたカンファレンスは、顧客にとって役立つ情報や有意義な体験を提供できます。既存顧客にとってメリットを得られる機会を創出できれば、ロイヤリティの向上を期待できるでしょう。

社員のモチベーションアップ

業界や社会全体に影響力のあるイベントの開催は、社員にとって誇らしいことであり、勤務先の社会的価値を再認識する機会となるはずです。
また、ビジネスカンファレンス開催に向けて複数の部門が協力し合うことにより、社員間の連携強化も促されます。コミュニケーションの活性化やモチベーションアップといった効果が得られることも、ビジネスカンファレンスを開催するメリットのひとつです。

ブランディングの向上

カンファレンスは多くの人が参加する大規模なイベントのため、主催する企業や協賛企業のブランディングが向上するメリットもあります。これは、最新の知見や技術について熟知している企業として認知を広めたりすることで、企業に対する信頼性を高められるからです。

企業の社会的責任を果たせる

カンファレンスで社会的意義のある情報を発信することは、CSR(企業の社会的責任)を果たすことにもつながります。CSRとは、環境や社会的公正などに対する、企業の社会的責任を果たす活動のこと。ビジネスカンファレンスを通じて企業の社会的責任を果たすことに注力していることが伝われば、企業イメージや知名度の向上に寄与するでしょう。

知見を獲得しコンテンツマーケティングに活用

ビジネスカンファレンスで、高度な専門知識や優れた実績を持つ人物の講演やディスカッションは、業界全体にとって有益な知見を獲得する役割もあります。
また、ビジネスカンファレンスでの講演会やパネルディスカッション、ポスターセッションなどで発表された内容は、文字・映像コンテンツとしても再利用できます。オウンドメディア施策など、コンテンツマーケティングに活用できる有益な情報として自社の資産になっていくはずです。

ビジネスカンファレンスのデメリット

ビジネスカンファレンス開催を通して多くのメリットを得られる一方で、デメリットもあります。次に挙げる3点については、ビジネスカンファレンスを開催する際に注意しておく必要があるでしょう。

売上に直結しない

ビジネスカンファレンスは、あくまでも情報提供の場であり、商談会や即売会ではありません。カンファレンスの開催が直接的に売上へとつながるわけではない点を理解しておく必要があります。
潜在顧客にとってビジネスカンファレンスへの参加は、あくまでも開催企業との接点が生まれるきっかけでしかないのです。

コストがかかる

ビジネスカンファレンスの開催には、多くのコストがかかります。集客するための広告費や当日に登壇する講演者への謝礼、会場を貸し切るための費用などが主なコストです。
売上に直結する施策ではないことから、中長期的な顧客創出のための施策に見合うコストかどうかは、慎重に判断する必要があります。

リソースがかかる

ビジネスカンファレンスの開催に向けた準備には、多くの工数が必要です。通常業務に加えてビジネスカンファレンスの準備業務が上乗せされることは、従業員の負担が増すことになります。

ビジネスカンファレンスを開催する手順

ビジネスカンファレンスを開催するには、どのような手順で準備を進めればよいのでしょうか。ここでは、開催に向けた 7 つの手順をご紹介しますので、実施する際の参考にしてください。

1. カンファレンスの目的を決める

最初に、カンファレンスを開催するのか目的を明確にしましょう。カンファレンスにはさまざまな役割がありますが、そのなかでも自社が特に注力すべき目的を見極めておくことが大切です。開催目的が複数ある場合は、重要度の高いものから優先順位をつけておくことをおすすめします。

2. 開催概要を決める

カンファレンスの骨組みとなる開催概要を決めましょう。具体的には、次の点を決定しておく必要があります。

会場の立地や知名度によっては、数ヵ月先まで予約が埋まっていることがあります。開催概要は半年前までには決定し、会場を押さえておくことが重要です。

3. 開催に必要な機材を準備する

予約した会場で用意されている機材と、自社で用意しなければいけない機材を確認し、必要な機材の準備を進めましょう。プロジェクターや音響設備、マイク付きの演台、折りたたみテーブル、インターネット回線など、必要な環境や機材を整えておく必要があります。

4. プログラムを決める

テーマに沿ってプログラムの詳細を決めていきます。プログラムの内容次第でカンファレンスへの集客の成否が大きく左右されることから、業界の最新動向など、多くの関係者が関心を寄せている内容を盛り込みましょう。
また、講演者の知名度も集客に大きく影響します。著名人の場合は多方面から講演などの依頼が殺到している可能性が高いため、早めに依頼しておくことが重要です。

5. 収支計画を決める

カンファレンスの準備に必要な広告費や会場費などのコストを算出したうえで、収支計画を立てていきます。有料のカンファレンスであれば参加人数が収支に影響しますので、目標とする参加人数を明確にしておく必要があるでしょう。

6. クリエイティブの制作をする

カンファレンスを告知するためのクリエイティブの制作を進めていきます。広告費の予算管理をしつつ、カンファレンスの魅力が最大限に伝わるクリエイティブを制作してください。
まずはキービジュアルを決定し、ランディングページやウェブ広告、チラシなどの印刷物へと展開していきましょう。参加を検討する層にリーチしやすい広告媒体を選定することも、重要なポイントです。

7. 集客を行う

ビジネスカンファレンスの成否を決定付けるのが集客です。参加予定者の母数を最大限確保することを意識しつつ、未知の潜在層にもリーチする可能性の高いタッチポイントを複数設定しましょう。具体的な集客方法として、次のものが挙げられます。

また、参加予定者のキャンセルや不参加を防止し、参加率を高めることも重要なポイントです。複数回に分けてリマインドメールを送信したり、入場券を事前に届けたりして、参加予定者にカンファレンスの存在を意識してもらいましょう。

ビジネスカンファレンス開催後の対応

ビジネスカンファレンスの効果を高めるには、開催後の対応も重要なポイントとなります。次の 4 点を実践し、カンファレンスの開催効果を最大限に引き出しましょう。

お礼メールの送信

カンファレンス参加者に対して、お礼メールを送信します。カンファレンスの記憶が薄れないうちに送信する必要があるため、開催当日か翌日には送信してください。また、参加人数や参加アンケートの回答など、カンファレンスの成功を印象付けるエビデンスを添えると効果的です。

不参加者にアーカイブを送信

参加申込をしたものの、当日参加できなかった方には、講演やパネルディスカッションなどのアーカイブ映像や音声を送信しましょう。さまざまな事情により当日参加できなかった方にとって、カンファレンスの内容が伝わる映像や音声は意義のある資料となるはずです。

リリースを配信

自社メディアやプレスリリースにて、カンファレンス実施の報告リリースを配信しましょう。各プログラムの要旨のほか、参加人数や参加者の感想といった情報を盛り込み、カンファレンスが盛況だったことを伝えるのがポイントです。

カンファレンスのコンテンツを活用

カンファレンスのコンテンツは、自社にとって重要な一次情報です。講演などのハイライトを編集した動画を制作したり、スライドにまとめてプレゼン資料に取り入れたりするなど、さまざまな活用方法が想定できます。
また、動画をオンデマンド配信すれば、ウェビナーコンテンツとして繰り返し活用できるでしょう。カンファレンス当日のみの情報発信にとどめず、コンテンツを多方面で活用していくことが大切です。

カンファレンスを成功させて、中長期的なメリットを得よう

カンファレンスの開催は、企業にとって中長期的に数多くのメリットをもたらす施策です。カンファレンスは大規模なイベントとなるため、ご紹介した手順を守って準備を行うのがおすすめです。
カンファレンスの種類や役割を理解し、ポイントを押さえて開催すれば、労力に見合った効果を得られるでしょう。ぜひ、ビジネスカンファレンスの開催に挑戦し、成功に導いてください。

よくある質問

ビジネスカンファレンスには、講演会やパネルディスカッション、ワークショップ、展示会、ポスターセッションといった種類があります。これらの形式に特化したカンファレンスもあれば、複数の形式をプログラムとして組み合わせて開催するカンファレンスも少なくありません。例えば、前半は複数の講演者が登壇する講演会を行い、後半では登壇した方がパネルディスカッションを交わすといった構成です。
ビジネスカンファレンスを開催することにより、潜在顧客の獲得と売上の向上、既存顧客のロイヤリティ向上、社員のモチベーションアップ、CSR(企業の社会的責任)の推進、コンテンツマーケティングへの活用といったメリットを得られます。ビジネスカンファレンスは売上に直結しないほか、多くのコストやリソースが必要となるといったデメリット面があるものの、中長期的な視点でとらえると開催を通して得られるメリットは大きいと言えるでしょう。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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