商談や会議などの場で、すぐに本題に入るのではなく、「アイスブレイク」を挟んだほうが良いと聞いたことはありませんか?アイスブレイクを上手に活用することで場の空気を和ませ、コミュニケーションがとりやすい雰囲気を作ることができます。一方で、アイスブレイクに不向きな話題もあるため注意が必要です。
今回は、アイスブレイクを取り入れるメリットやテーマ例のほか、注意点について解説します。ビジネスシーンでのコミュニケーションをより円滑にしたい方は、ぜひ参考にしてください。
アイスブレイクとは場の空気を作る雑談やゲームのこと
アイスブレイクとは、本題に入る前に行われる短い雑談やゲームのことを指します。特に、初対面の相手と話す際には、お互いに相手がどのような人物かわからないため、雰囲気が堅くなりがちです。堅く張り詰めた空気を氷に例え、氷を崩すように緊張をほぐすことからアイスブレイクと呼ばれています。
始めに、アイスブレイクが果たす役割と効果的なシーンについて見ていきましょう。
参加者の緊張をほぐす役割がある
アイスブレイクを取り入れる主な目的は、場の空気を和ませて参加者の緊張をほぐすことです。始めから本題に入るのではなく、雑談やゲームを挟むことでお互いの距離を縮め、コミュニケーションをより円滑に進める効果が期待できます。
人は緊張状態にある時、普段通りのパフォーマンスを発揮できないケースが少なくありません。場の雰囲気が和むことで「安全な場所のようだ」と無意識に感じ、本題に集中しやすくなるのです。コミュニケーションを円滑にするために参加者の緊張をほぐすことが、アイスブレイクの主な役割と言えます。
アイスブレイクが効果的なシーン
アイスブレイクはさまざまなシーンで活用されています。特に初対面の人同士が会話を交わすシーンや、複数名の関係者が参加するシーンでの活用が効果的です。例としては、次のような活用シーンが想定できます。
お互いの人柄が垣間見えるアイスブレイクを挟むことで、冒頭から本題に入るよりもコミュニケーションを図りやすい雰囲気が醸成されます。結果として、商談相手の本音を引き出しやすくなったり、研修・セミナーの参加者が積極的に発言しやすくなったりする効果が期待できるのです。
アイスブレイクを取り入れるメリット
アイスブレイクを取り入れることによって、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主なメリットを 4 点ご紹介します。
緊張をほぐし意見交換しやすい雰囲気になる
ビジネスライクなやりとりにおいては、相手の人となりが見えづらいものです。お互いの緊張感や警戒心が解けていない状態で話を進めてしまうと、相手に対して不必要に遠慮してしまったり会話がぎこちなくなったりしやすくなります。結果として重要な交渉がスムーズに進まないことや、相手の本音を聞けずじまいになることも珍しくありません。
場の緊張感をほぐし、双方がより自然体で意見を述べ合える雰囲気を提供できることは、アイスブレイクを取り入れるメリットと言えるでしょう。
本来のパフォーマンスを引き出し積極的な発言を促す
採用面接や研修の場では、緊張感が参加者本来のパフォーマンスを妨げることも考えられます。限られた時間内にできるだけ多く発言してもらうには、緊張を解きリラックスした状態で発言してもらうことが重要です。
アイスブレイクを通じて緊張をほぐすことで、本来のパフォーマンスを引き出し積極的な発言を促すことができます。アイスブレイクで交わされる気軽な会話は、お互いが発言の練習をするための時間でもあるのです。
メンバーの紹介やコミュニケーションの促進に役立つ
商談やミーティングの場では、初対面の人同士が話すケースもあるでしょう。自己紹介を兼ねてアイスブレイクを行うことで、参加するメンバーを自然な形で紹介することができます。
アイスブレイクで交わした雑談のなかで、共通の趣味など相手とのつながりが見つかる場合もあります。ささいな共通点であっても、コミュニケーションのきっかけとしては有効です。参加者同士のコミュニケーションを促進できることは、アイスブレイクを取り入れるメリットのひとつと言えます。
お互いの理解を深めチームワークを形成する
社内ミーティング等でアイスブレイクを取り入れることによって、メンバーの人柄や考え方への理解を深めるきっかけが得られます。チームに参加しているメンバーを同僚の一人として認識している状態と、気心の知れた仲間として認識している状態とでは、信頼関係の在り方が大きく異なることは想像に難くありません。
ごく短時間であってもアイスブレイクを挟むことで、お互いの理解を深めてチームワークの形成を後押しする効果が期待できるのです。
アイスブレイクのトークテーマ例・ゲーム例
アイスブレイクの話題や進め方に特定のルールはありませんが、よく活用されているトークテーマやゲームがあります。アイスブレイクに取り入れやすいトークテーマやゲームの例を見ていきましょう。
木戸に立てかし衣食住
アイスブレイクに活用しやすいトークテーマの頭文字を取った「木戸に立てかし(キドニタテカシ)衣食住」を知っておくと、場の雰囲気に合わせて定番のテーマを選びやすくなります。
いずれも相手を選ばない無難なテーマと言えます。上記の 10 テーマを使い分けるだけでも、大抵の場に活用できるアイスブレイクを実践できるはずです。
バースデーライン
まとまった人数で実施する研修やセミナーであれば、ミニゲームを取り入れるのも有効なアイスブレイクの手法と言えます。誕生日の早い順に並ぶというミニゲーム「バースデーライン」は、シンプルで取り入れやすくおすすめです。ただし、列を完成させるまでの間は、言葉を交わしてはいけません。10 人前後のチームに分かれ、ジェスチャーでコミュニケーションをとりながら、制限時間内に誕生日順を間違えることなく整列できたチームが優勝となります。言葉でコミュニケーションを交わすことの重要性や、相手の伝えたいことを察する姿勢の大切さを感じることのできるアイスブレイクとなるでしょう。
ヒーローインタビュー
スポーツの試合後に行われるインタビューのように、参加者の成功体験についてほかの参加者が質問するアイスブレイク「ヒーローインタビュー」。インタビューの聞き手と受け手を入れ替えて実施することで、的確に質問することと、傾聴することの大切さを体験することができます。メンバー間の理解を深めたい場合や、コミュニケーションの円滑化を図りたい場合に有効な手法と言えるでしょう。
Good & News
直近の 24 時間以内に体験したうれしい出来事や、新しい発見などを共有するのが「Good & News」というアイスブレイクです。共有するのは大げさな出来事・発見である必要はなく、「電車で席を譲ったらお礼を言ってもらえた」などのささいなことで構いません。ポジティブな内容を発言し合うことでお互いが良い気持ちになると同時に、相手の物事の感じ方や考え方を知るきっかけにもなります。
アイスブレイクをする際の注意点
アイスブレイクは気軽に取り入れられるコミュニケーションの工夫ですが、実施する際には注意が必要なこともあります。参加者に不快感を与えないよう、次の点を押さえておくことが大切です。
参加者に合った内容にする
参加者同士が初対面かどうか、参加人数が多いか少ないかによって、場にふさわしい話題やアクティビティは異なります。全員が初対面であれば、家族に関する話題などプライベートに踏み込んだテーマを選ぶと唐突な印象を与えかねません。
反対に、同じ部署で働いているメンバー同士であれば、仕事に関する話題では気が休まらないことも考えられます。場にふさわしいテーマを選べるよう、アイスブレイクのさまざまなバリエーションを知っておくことが大切です。
目的を伝える
研修やセミナーでアイスブレイクを実施する際には、あらかじめ目的を伝えておくといいでしょう。クイズなどのアクティビティが盛り上がったとしても、何のためのクイズだったのか疑問が残るようでは意味がありません。アイスブレイクに入る前に「意見交換をしやすくするため」といった目的を一言添えておくのがポイントです。
制限時間を決める
アイスブレイクはあくまでも前置きのため、会議や商談など本来の目的のために使うべき時間が圧迫されるようでは本末転倒です。あらかじめ「3 分以内」といったように制限時間を決めておくなど、間延びしないように注意が必要です。
商談の相手によっては、用件を手短に伝えることを望んでいる可能性もあります。アイスブレイクが長引きそうな場合は区切りをつけて本題に入るなど、メリハリをつけて臨むことが大切です。
人を選ぶテーマは避ける
アイスブレイクで引き合いに出すテーマは、無難であることが条件です。人によって好き嫌いが分かれる話題や、意見が分かれやすいテーマは避けましょう。
例えば、政治や宗教、学歴、芸能関係、特定のスポーツに関する話題などはアイスブレイクには適していません。誰もが気軽に話題にできるテーマを選ぶことを意識してください。
チームワークやコミュニケーションの形成に Slack を活用
チームワークやコミュニケーションの形成には、気軽にやりとりができるツールを活用するのも有効な方法です。特にリモートワーク(テレワーク)環境下では、ささいなやりとりに対するハードルを下げるための仕組みが求められます。コミュニケーションをサポートするツールとしてSlack を活用するメリットについて見ていきましょう。
チームワークの向上
Slack にはチャンネルやダイレクトメッセージのほか、ハドルミーティングやビデオ会議など、さまざまなコミュニケーションの手段が用意されています。状況に応じてコミュニケーションの手段を選べるため、円滑にやりとりしやすいのがポイントです。必要なタイミングで言葉を交わせる環境を整えておくことで、チームワークの向上を図ることができます。
新たなアイデアの創出
新たなアイデアはささいな雑談のなかから生まれるケースも少なくありません。グループチャットをチーム単位で設定することで、業務連絡に限らずお互いの状況を伝え合うことができます。お互いの気づきを共有したことがきっかけとなり、業務改善策や事業アイデアの創出につながることもあり得るのです。
特にリモートワーク時には、個々のメンバーが物理的に離れた場所で就業することになります。オフィスでは当たり前のように交わしていた会話がなくなることで、孤独感にさいなまれるメンバーが現れるかもしれません。リモートワークで不足しがちなコミュニケーションを補う意味でも、Slack を活用したやりとりを導入してみてはいかがでしょうか。
アイスブレイクを活用して、話しやすい雰囲気の醸成を目指そう
アイスブレイクとは、場の雰囲気を和ませ緊張をほぐす役割を果たす雑談やゲームのことです。唐突に本題に入る場合と比べて参加者がより発言しやすく、自然体で話しやすい雰囲気を醸成できるというメリットがあります。
今回紹介したテーマ例や注意点を参考に、ぜひ効果的なアイスブレイクを実践してください。
よくある質問
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