知財が動けば、組織は変わる。ユニアデックスがSlackで育てる、共有の文化

ツールだけあってもダメで、人の気持ちが変わらないと組織は変わりません。過去に何度もそれを味わってきました。Slackはその触媒、起爆剤になれると思って選んだんです。SlackがSalesforceの中にあることは、これからAIの入り口を握る勝負でも大きな意味を持ちます

ユニアデックス株式会社DX&プロセス革新推進部 部長高畑 浩史 氏

Salesforceを開かず、毎朝の確認を。
「秘書」役のSlackbotが、日々の業務を支える

事例要約

ツールを替えても、組織は変わらなかった。

BIPROGYグループのICTインフラトータルサービス企業であるユニアデックスは、マネージドサービスブランド『GASSAI®』を中心にサービス型ビジネスを拡充し、オファリング型ビジネスモデルへの転換を進めています。

一方、営業情報や技術ノウハウが部門・担当者ごとに分散し、十分に活用しきれない課題がありました。

そこでSlackを「文化の触媒」と位置付け、現場から活用を展開。毎朝30分かかっていたレポート確認は10〜15分に短縮され、リリース予定を可視化する仕組みも2〜3日で構築しました。

社内アンケートでは、1人1日平均7.2分、先行活用層では14.0分の業務時間削減を確認しています。 

ユニアデックスについて

ユニアデックス株式会社は、BIPROGY株式会社(旧日本ユニシス)を親会社に持つITサービス企業です。親会社のBIPROGYがアプリケーションや業種別ソリューションを担う一方、ユニアデックスはインフラ、クラウド、セキュリティといった企業ITの基盤領域を強みとしています。

システムの設計・構築にとどまらず、導入後の保守・運用までを一貫して支援。企業活動を止めないための技術とサービスを、長年にわたって提供してきました。

現在は、顧客ごとにシステムを構築する従来型ビジネスに加え、「GASSAI」ブランドを中心に、NaaS(Network as a Service)やマネージドセキュリティなどのサービス型ビジネスを拡充し、オファリング型ビジネスモデルへの転換を進めています。現在はまだ成長段階で売上に占める割合は高くありませんが、同社では次の成長エンジンとして育成を進めています。

Salesforceの活用は営業、フィールドサービス、コンタクトセンターと社内に広く根付いており、今後のビジネス成長に伴う従業員の生産性向上を見据え、Slackを組み合わせた新たな働き方への取り組みが始まっています。

ユニアデックスの挑戦

ツールは浸透した。それでも、知識はつながらなかった。

ユニアデックスでは、メールに代わるコミュニケーション手段として、LINE WORKSやMeta Workplace、Skype for Business、Teamsなどを活用してきました。

これらのツールは社内にも比較的早く浸透し、コミュニケーションのスピード向上や、社員同士が気軽に連絡を取り合える環境づくりに役立っていました。

一方で、情報共有のあり方には課題が残っていました。やり取りは部署やプロジェクト単位で完結しやすく、知識やノウハウが組織全体で活用されるまでには至りませんでした。

営業では、隣の部署の提案内容や過去の案件を把握しづらく、エンジニアの技術情報もSharePointや独自掲示板など複数の共有基盤に分散。目的ごとに作られたナレッジサイトが十分に活用されないまま埋もれてしまうことも少なくありませんでした。

その結果、必要な情報が存在していても、必要な人がすぐに見つけられない場面が生まれていました。コンタクトセンターでも部門ごとに対応ノウハウが蓄積され、ハードウェアサポートでは、新人が独り立ちするまでに1〜3年を要するケースもありました。

必要だったのは、新しいツールを導入することではありません。

「情報を共有することが、自分自身の仕事にも役立つ」。

その実感を、現場で自然に生み出せる仕組みでした。

Salesforceがユニアデックスをどのようにサポートしたか

Slackを「文化の触媒」に。現場の成功から広げる

「Searchable Log of All Conversation and Knowledge」。

Slackの名称に込められたこの考え方に、ユニアデックスのDX推進担当者は、自分たちが目指す情報共有の姿を重ねました。日々の会話や業務情報をオープンな場所に残し、必要な人が後から検索して活用できる状態をつくることです。

これまで利用してきたチャットツールも、コミュニケーションの迅速化には効果を発揮していました。一方で、部署やプロジェクトを越えて知識を蓄積し、組織全体で活用するまでには至っていませんでした。

そこで同社は、Slackを単なるコミュニケーションツールではなく、情報共有のあり方を変える「文化の触媒」と位置付けました。

導入は、コーポレート部門のDX&プロセス革新推進部と、コンタクトセンターを担うカスタマーリレーション本部から開始。全社へ一律に利用を求めるのではなく、まず現場で具体的な効果を生み出し、その成功事例を通じて活用を広げていく方針を取りました。

2〜3日でリリース予定を可視化。共有した情報が業務を動かす

現場で生まれた改善事例の一つが、Salesforce開発における本番リリース予定の可視化です。

従来、リリースに関する情報は社内のオンプレミスシステムで管理されていましたが、承認者や関係者が、本番リリースの予定や進捗を把握しにくいという課題がありました。

そこで担当者は、既存システムからの通知をPower Automateを介してSlackに連携。Slackリストに本番リリース日を登録すると、管理番号やステータス、担当者などの情報が更新される仕組みを構築しました。構想から実装までに要した期間は、わずか2〜3日でした。

この仕組みをチーム内で共有すると、メンバーが自発的に活用し始めました。この例をはじめとして、Slackによる新たな業務改善のアイデアが現場から次々と生まれています

情報を共有することは、誰かのためだけではありません。自分自身の仕事も進めやすくなる。その実感が、情報をオープンにする動きを少しずつ広げています。

必要な情報をSlackから呼び出し、日常業務を効率化

コンタクトセンターでは、担当者が毎朝、Agentforce Service上の3〜4本のレポートを開き、対応が必要なケースを一件ずつ確認していました。この作業には、毎日約30分を要していました。

現在はSlackbotにスキルを組み込み、確認が必要なケースや項目を自動で抽出しています。担当者が確認に費やす時間は10〜15分に短縮され、Slackbotの処理を待つ間に別の業務を進められるようになりました。

Salesforceの管理業務でも、Slackbotが活用されています。表示に時間がかかっていた設定画面からProfile一覧を抽出し、CSV形式で出力することで、動作確認用チェックシートの作成時間を短縮しました。

担当者が「1日に1回、使わない日はない」と語るほど、Slackbotは日常業務に定着しています。複数の画面を開いて情報を探すのではなく、普段利用しているSlackから必要な情報を呼び出す。Salesforceに蓄積されたデータが、現場で日々使われる情報へと変わり始めています。

ツールだけあってもダメで、人の気持ちが変わらないと組織は変わりません。過去に何度もそれを味わってきました。Slackはその触媒、起爆剤になれると思って選んだんです。SlackがSalesforceの中にあることは、これからAIの入り口を握る勝負でも大きな意味を持ちます

ユニアデックス株式会社DX&プロセス革新推進部 部長高畑 浩史 氏

他社にはないSalesforceの価値

ユニアデックスが重視したのは、コミュニケーションの速さだけではありません。

日々の会話や業務情報を蓄積し、必要な人が後から活用できる環境をつくるとともに、Slackを将来のAI活用の入り口にすることでした。

Slackは、チャンネルごとに情報を整理し、会話やファイルを検索可能な形で残せます。さらに、Salesforceに蓄積された顧客・業務データや、Agentforce、Power Automateなどと連携することで、普段利用するSlackを起点に情報を確認し、業務を進められる環境を構築できます。

ユニアデックスでは、リリース予定の可視化やレポート確認など、現場の具体的な業務から活用を開始しました。Salesforceに蓄積されたデータをSlackから呼び出せるようにすることで、情報を探す時間を減らし、日常業務の中でデータを活用しやすくしています。

今後、同社が見据えるのは、AIに一つひとつ指示を出すだけでなく、AIが人の業務を継続的に支援する働き方です。

Salesforceのデータ、Slackという日常のユーザー接点、AgentforceのAIを組み合わせながら、人とAIが協働する業務基盤の実現に向けて、取り組みを進めています。

定量効果

-14.0分

先行活用層における1人1日あたりの平均業務時間削減