開発チームが複数の部門と一緒にプロジェクトを進める場合でも、バグを追跡して修正に取り組む場合でも、またはほかのチームのために開発課題の優先度を決めている場合でも、成功の鍵はコラボレーションです。作業のサイロ化は、残念なことに開発者がプロジェクトに懸命に取り組んでいるときに発生しがちです。だからこそ、チームが常に認識を共有するための適切なコラボレーションツールを見つけることが大切です。
この記事では、メンバーがコラボレーションツールを使ってやり取りしたり、ナレッジや最新情報を共有したりする方法を紹介します。
チームにぴったりの開発コラボレーションツールを見つける
Slack が実施した職場のコラボレーションに関する調査によると、チーム全員がオープンで率直にやり取りし、それぞれが役割を把握し、お互いに信頼し合うことが大切だとわかりました。また、健全なコラボレーションのプロセスを整えることで従業員満足度を高めることができます。ここではそのために役立つコミュニケーションツールを集めました。
1.GitHub
GitHub は、プロジェクトのコラボレーションとチーム管理において欠かせない開発プラットフォームです。例えば、特定のアクティビティをサブスクライブすることで、さまざまなプロジェクトの最新情報を簡単に入手できます。また各種セキュリティやアクセス制御により、プロジェクト全体を保護し信頼性を確保します。
- GitHub での最新状況を Slack 上で把握
- GitHub のアクティビティやプロパティへのリンクを Slack で共有する際、メンバーにさまざまな情報共有が可能
- 問題の終了または再開、リクエストの抽出など GitHub でのよくあるアクションを Slack コマンドで実行
2.Jira Cloud
Jira は、プロジェクト管理や課題・バグの追跡に役立つツールです。開発チームにとって優れたコラボレーションツールであるだけでなく、部門間プロジェクトやリクエストにも役立ちます。
Jira Cloud を使うと、タスクやストーリー、リクエストに関して定期的な通知を受け取ることができ、ステータスや課題の種類、優先度、担当者などを確認することができます。またどのアップデートをどのロードマップで共有するかについて、プロジェクトや課題の種類などで分類することができるので、チームに合わせてカスタマイズし、効率を高めることが可能です。
- Jira Cloud から自分や Slack チャンネルに通知が届く。通知はカスタマイズ可能
- プロジェクトを Slack と連携させ、メンション時に Jira の課題を自動でプレビュー
- Jira Cloud の課題にメッセージを添付してコラボレーションをもっと簡単に
3.Stack Overflow for Teams
協力的で生産性の高いチームにとってナレッジ共有は非常に重要で、コラボレーションの一番よい解決策になることも多くあります。メンバーは誰でもチームと共有できる経験やナレッジ、意見を持っているものです。また開発者、エンジニア、技術スペシャリストで構成される Stack Overflow コミュニティでは、チームメンバーがいざという時に、検索可能なナレッジリポジトリから必要な答えを見つけることができます。
- Stack Overflow からカスタマイズした通知が Slack に直接届くため、常に最新状況を把握
- チームの質問への答えを Slack ですぐに検索
- メンバーは Slack で新たに質問することも可能
4.Backlog
チームによっては、Jira よりも Backlog を好む場合もあるでしょう。Backlog アプリを使えば、メンバーが課題を更新した際にリアルタイムで通知を受け取ることができます。例えば、チームメンバーが新しい課題を作成すると、アプリがその課題の種類、優先度、担当者、カテゴリ、期限などの重要な詳細情報を提供します。
Backlog は、チーム全体でプロジェクト管理、バグ追跡、バージョン管理などの進捗を共有するのに役立ちます。
- Backlog はオンラインプロジェクト管理ツールで、チームは高品質のソフトウェアやウェブプロジェクトについてのコラボレーションを直接 Slack で行うことが可能
- バグ追跡、タスク管理、バージョン管理など、効果的な開発ワークフローに必要なすべてを提供
5.Stand-Bot
チームがコラボレーションを進め、説明責任を果たし、お互いサポートするためには毎日のスタンドアップミーティングが大切です。とはいえ、皆が別々のプロジェクトや問題に取り組んでいる場合、また一部のメンバーがリモートワーク中の場合は、会議室はおろかビデオ通話でさえ全員が簡単に集まれるとは限りません。
Stand-Bot なら、チームのスタンドアップミーティングを非同期的に行うことができます。このコラボレーションツールの bot からは、毎日チーム全員に同時にダイレクトメッセージが送信され、各自が担当している Jira の課題のステータスの報告が求められます。またチームメンバーは、計画している作業や、タスクの完了を妨げる要因の有無を毎日レポートで共有できます。
Stand-Bot はその後チームに内容を報告し、進捗の障害となりうるものを共有し、各自の詳細なレポートを確認できるリンクを送ります。毎日の打ち合わせを効率的に行う方法をお探しなら、Stand-Bot が役立つでしょう。
- Slack で非同期的なスタンドアップミーティングを毎日実施
- 各自の進捗や障害を共有することでチームのパフォーマンスを向上
- 過去のレポートは Slack で参照できるため、チームの進み具合が確認可能
コラボレーションツールだけに頼らない
チームで一緒に働くことは、より良い意思決定のためだけでなく、プロジェクトをスムーズに進め、問題を見過ごさないようにするためにも重要です。今回紹介したコラボレーションツールはチームがコラボレーションの文化を築くのに役立ちますが、その一方でナレッジの共有や、建設的なフィードバック、オープンなコミュニケーションを促進するプロセスを整えておくことも大切です。
例えば、チームメンバーがお互いをよく知り信頼を深めるため、業務外での集まりや活動を定期的に計画するのもその 1 つです。また、各メンバーのニーズをよりよく理解し、それをどう支援できるか、そしてメンバー同士がどのようにサポートし合えるか知るため、フィードバックのアプリケーションやツールを使ってみてもよいでしょう。
最後に、重要な会話や最新情報からリモートのメンバーが漏れないようにしましょう。オフィス内でとっさに重要なやり取りが行われ、その場にいないチームメンバーに伝わらないということはよくあります。コラボレーションツールの導入や優れたプロセスの確立には時間がかかりますが、生産性とチームの結束を高める上で大きな効果を発揮するでしょう。