遠く離れたところにいる同僚たちとつながり、連携しながら仕事を進めるのには独特の難しさがあります。Okta の Adrienne Jones 氏と Remy Champion 氏もそれを実感する人々です。
Okta の Director of Global Prospect Campaigns である Jones 氏と Campaign Manager の Champion 氏は、世界各地の企業にアイデンティティアクセス管理ソリューションを導入し、アプリやデバイスの安全を確保しています。しかし Jones 氏がサンフランシスコの本社で働いているのに対し、Champion 氏の職場はそこから 3,200 キロ以上も離れたハワイ州 Haiku にある自宅です。
「リモートワークをしていると、ほかの人との絆を深める機会を逃すこともあります」と、Champion 氏は話します。
では、メンバーの働く場所に関係なく効果的なエンゲージメントとコラボレーションを推進するためにはどうすればよいのでしょうか。今回、Champion 氏と Jones 氏にリモートワーク組織のチームビルディングについて聞きました。
「チームメンバーについてよく知れば距離が縮まり、信頼や安心感が自然に芽生えます」
リモートワークメンバーとの信頼関係を築くチームビルディング実践方法
ここからはリモートチームのエンゲージメントを高める方法として、効果が実証済みのベストプラクティスを紹介します。
1.バーチャル井戸端会議
リモートメンバーは給湯室での雑談には参加できませんが、バーチャルスペースなら集まることができます。メンバーが都合のよい時にオンラインで声をかけ合って交流しやすい文化を築きましょう。
「チームメンバーについてよく知れば距離が縮まり、信頼や安心感が自然に芽生えます」と、Jones 氏は話します。また Champion 氏によると、チームの人間関係がよく信頼があれば、コラボレーションがスムーズになり成果が高まるそうです。
リモートで行えるチームビルディングのアイデア
チームのメンバーに共通する興味を見つけたら、それを軸にしたリモートイベントを企画します。例えば、読書クラブ、毎週の人気テレビ番組を見る会、または Kast のような同時視聴アプリを使った映画鑑賞会などがよいかもしれません。
オンラインゲーム好きが多ければ、ゲームナイトもよいアイデアです。ただし、同じ機材を持っていないメンバーが取り残されないよう気をつけましょう。
2.ビデオ会議による対面コミュニケーションの推進
チームのスタンドアップ・ミーティングに加えて個別のビデオ会議を活用すれば、オフィスにいるメンバーとリモートメンバーとの溝を埋められます。Jones 氏と Champion 氏がよく使うのは Zoom です。
文字によるコミュニケーション手段の活用も効果的ですが、リモートチームでは時々ビデオや音声通話で声をかけることも大切です。「デジタルの世界では、メールや文字によるメッセージで簡単に誤解が生まれます」と Jones 氏は言います。「ですから通話しましょう。お互いに話せばよいのです」。
リモートで行えるチームビルディングのアイデア
経営幹部に「なんでも聞こう」セッション(AMA)を定期的に開いてもらいます。その際、リモートメンバーが参加できるようビデオ会議で実施しましょう。毎月または四半期ごとに実施すれば、メンバーはフィードバックを忘れたり伝えるのを途中で諦めたりすることがなく、取っておけるようになるでしょう。
さまざまなタイムゾーンの人に参加してもらえるよう、開催時間を調整するのもお忘れなく。
「リモートで働いていると、コミュニケーションが当たり前ではなくなります。これを常に意識していることで、結果的に進めている仕事やプロジェクトの透明性が高まったと感じています」
3.オフィス外でのボランティア機会を用意
Okta には Okta for Good という慈善プログラムがあり、Champion 氏も毎年 3 日間のボランティア休暇(VTO)を取得しています。Society for Human Resource Management による 2018 年の報告によれば、アメリカの企業と非営利団体のほぼ 4 社に 1 社で従業員が VTO を取得できるようです。
「Okta では、自分たちでボランティアイベントを企画することも推奨されています」と、Champion 氏は説明します。「おかげで Okta for Good グループや、リモートで働くほかの参加者ともつながっていられるんです」。
リモートで行えるチームビルディングのアイデア
地元の機関でのボランティアやチャリティイベントなどを会社として企画し、従業員が参加できるようにします。複数のボランティアチームを作って、最も独創的あるいは熱心なイベントを表彰するなど、ちょっとしたコンテスト要素を足してもよいでしょう。
4.同僚から学ぶ機会を用意
Okta の本社に出勤しない Champion 氏は、チームのメンバーと毎週オンラインミーティングを行っています。1 対 1 のミーティングやチーム会を通して、全員に取り組んでいるプロジェクトについて共有してもらいます。また Champion 氏は、疑問や反対意見を安心して表明できるような場を用意するなど心理的安全性を感じられるチーム作りに取り組んでおり、全員の考えや意見を重視するとチームに共有しています。
「リモートで働いていると、コミュニケーションが当たり前ではなくなります」と、Champion 氏は話します。「これを常に意識していることで、結果的に進めている仕事やプロジェクトの透明性が高まったと感じています」。
リモートで行えるチームビルディングのアイデア
チームのメンバーに、毎月交代でリモートランチミーティングのホストを務めてもらいましょう。そうすれば、それそれが専門知識を披露したり、取り組んできた課題へのフィードバックをお互い共有したりできるだけでなく、直接同僚から学ぶ機会になります。
各メンバーにセッションのアイデアを求め、日時を設定しましょう。
5.実際に会う予算を確保する
リモートでのチームビルディングでできることには限りがあるため、可能であれば全員が 1 か所に集まる機会を設けましょう。Jones 氏のおすすめは、リモートメンバーを大きな全社イベントなどに招待することです。
「私のチームではリモートメンバーが各四半期に 1 回は本社に来て、すべての重要なイベントに出席できるようにしています。そうすれば、ほかのチームの人とも交流できますから」と、Jones 氏は説明します。「とにかく楽しい時間にすることです。純粋に楽しめるアクティビティを企画し、直接会うことでしか実現できない関係を築きましょう。私たちがこれまでに行ったのは、写真撮影会、カラオケ、ボクシングなどです」。
リモートで働く Champion 氏は、同僚たちと過ごすこの時間を大切にしています。リモートメンバーにとっては、対面でのシンプルなやり取りが、チームとの絆を強める機会になるからです。
「私のマネージャーは、全員がオフィスにいる時や、全社のキックオフイベントやカンファレンスが開かれる時期に、よくチームのアクティビティを企画してくれます」と、Champion 氏は話します。「チームのつながりは強く、お互いの近況を積極的に尋ね合っています」。
リモートで行えるチームビルディングのアイデア
リモートチームのメンバーが集まった時は、チームディナーであれ小旅行であれ、オフィスの外で行えるアクティビティを優先します。オフィスにいる時は、対面で行うチーム構築アクティビティにも挑戦しましょう。そうすれば、同じ場所にいる時間を最大限に活用できるでしょう。
リモートメンバーが歓迎するアクティビティは全社的にも効果的
リモートメンバーのチームビルディングを計画する時に覚えておきたいことがあります。それは、仕事へのエンゲージメントが低下しやすいリモートチームのメンバーが歓迎するアクティビティは、全社の文化にとってプラスの効果があるという点です。チームの絆を効果的に深めれば、健康的で生き生きとした信頼関係が育ちます。それこそが最高の成果を生むために必要なものです。