組織内で意思疎通や情報共有を図るうえで、会議は重要な役割を担っています。ですが、会議の目的や進め方を見誤ってしまうと、参加者を招集した意義が薄れてしまかねません。
今回は、会議の目的や種類、開催する際の注意点についてわかりやすく解説します。会議の円滑な運営に役立つツールも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
会議とは関係者が集まり相談や意思決定をする場
会議とは、関係者が集まって議題に関する意見を出し合い、相談したり意思決定を行ったりするための場です。話し合うべきことのゴールが設定され、ゴールに向けて情報共有や意見交換が行われるのが会議とらえてください。規模は少人数の会議から大勢が参加する会議までさまざまですが、基本的な目的はどの会議にも共通しています。
会議とミーティングの違い
集まって話し合う点においては、会議もミーティングも同じ意味の言葉として使われているケースもあるでしょう。本来、両者の大きな違いは「意思決定」を伴うかどうかという点です。
ミーティングの主な目的は話し合うことであるのに対して、会議の目的は意思決定を行うことにあります。ただし、会議によってはアイデア出しや報告・連絡などが目的となっている場合も少なくありません。ですから、会議とミーティングに明確な線引きはなく、慣習的に使い分けている企業も多く見られるのが実情です。
会議の目的
前述したように、会議はさまざまな目的で開催されます。会議を有意義なものにするには、その目的や意義を運営が理解したうえで開催しなければいけません。また、同時に参加者側にも目的を意識して貰うことが重要です。ここでは、主な会議の目的についてご紹介しましょう。
ブレインストーミング(アイデア出し)
ブレインストーミングが目的の会議は、参加者が自由にアイデアを出し合い、新たな気づきや創造的な解決策を見いだします。ほかの参加者のアイデアを聞くことで刺激を受け、1人では思いつかなかったアイデアが浮かぶ場合もあるでしょう。
ブレインストーミングを目的とする会議では、いかに多くのアイデアが出されるかが重要なポイントとなるため、他者のアイデアを否定せず認め合っていく雰囲気づくりが大切です。
スケジュールの決定
「いつまでに」「誰が」「何を」実行するか、プロジェクトの日程などを決めることが目的の会議もあります。特に大規模なプロジェクトは、大勢の人が関わるので、関係各所の人員を招集して現実的なスケジュールになっているか、工程に抜け漏れはないかを確認しておくことが重要です。
あらかじめスケジュール案を作成しておき、関係者による確認を経てスケジュールを確定させるために会議を開催するといったパターンもあります。
報告・連絡
各担当者や担当部門ごとの進捗状況や現状の課題など、報告や連絡することが目的の会議もあります。課題や問題点について解決策を話し合ったり、解決に向けてやるべきことを決めたりする場としても活用できるでしょう。
シンプルに近況を伝え合うのではなく、報告・連絡すべき事項をあらかじめ議題として決めておき、議題に沿って進行することが大切です。
コーチング(教育)
人材育成を目的とした会議もあります。教育する側としては一度で複数名を指導できますし、教育を受ける側としても参加者間で質疑応答などの内容を共有することで知見を深められるので、メリットが多いです。企業によっては、研修として位置付けているケースもあります。
問題発見・解決
現状では顕在化していない問題や課題を洗い出し、解決策を見いだすことが目的の会議でもあります。
組織内には、問題が表面化していないこともあるでしょう。担当業務に直接携わっている現場の意見や問題提起は、組織全体の重要な課題になります。問題が発生してから会議を開催するのではなく、あらかじめ問題を把握しておくことがポイントです。
意思決定
参加者から挙がった意見や提案を踏まえて、方針や実行施策などを決定することが目的の会議もあります。意思決定の結果だけでなく、決定に至ったプロセスを共有することで、決定事項の意図や背景への理解を深められるのです。
なお、意思決定が目的の場合、限られた会議の時間内に意思決定に至るには、時間管理や意見の集約が欠かせません。司会進行やタイムキーパー、ファシリテーターといった役割を決め、会議を円滑に進行させる必要があります。
参加者や開催頻度による会議の種類
会議は、参加者や開催頻度によって、いくつかの種類に分けられます。一例として、「役職別会議」と「定例会議」に分けた場合、どのような会議があるのか確認しておきましょう。
役職別会議
役職別会議とは、参加対象者を役職や所属部門によって絞り込む会議のことです。役職や所属部門によって参加対象者を決めておくことにより、取り上げる議題や話し合うべき内容が絞られやすくなります。
また、決裁権のある役員や管理職が集まることにより、意思決定のための場として位置付けることも可能です。役職別会議には、以下のようなものが挙げられます。
定例会議
定例会議とは、開催する頻度をあらかじめ決めておく会議のことです。定期的に進捗報告や状況確認を行うために定例会議を開催しているケースが多く見られます。
また、全体向けの連絡事項を共有したり、成功・失敗事例を共有したりするための場としても活用できるでしょう。一例として、次のような定例会議があります。
会議を開催する際の注意点
会議は情報共有や意見交換の場として利用できますが、適切に開催・運営されていない場合には、参加者の時間を無駄にする原因にもなります。会議を開催する際には、次のような点を押さえておくことが大切です。
本当に必要かを考える
そもそも会議を開催する必要があるのか、会議以外の手段で目的を達成できないか、よく検討してください。会議当日の時間だけでなく、当日に向けた準備も含め、費やす時間に見合う効果が得られるかを判断しましょう。
例えば、資料の読み合わせに終始するのであれば、対象者にメールやチャットで資料を送付するだけで済む場合もあります。
事前に会議の目的を明確にし、問題提起などを知らせておく
会議を開催する目的や当日の議題を明確にしたうえで、あらかじめ参加者に伝えておく必要があります。参加者としても、何のために会議に招集されているのかがわかれば、事前に必要な情報を収集したり提案する意見をまとめておいたりできるでしょう。
限られた会議の時間を有効に活用するためにも、会議の趣旨を理解したうえで参加してもらうことが重要です。
事前に会議資料を配布する
会議当日に使用するレジュメなど、必要な資料は事前に配布しておきましょう。参加者が資料に目を通したうえで会議に参加することで、意見交換が有意義なものとなりやすいからです。資料を配布する際には、資料を読み、意見や質問をまとめておくことを参加者に周知しましょう。
参加者を厳選する
会議は参加者が多いほど、「聞いているだけ」の人が増えます。会議の目的に合わせて参加者を絞り込み、できるだけ少人数で開催しましょう。話し合った内容や決定事項を参加者以外にも伝えるには、議事録を作成して共有してください。
優秀な進行役を立てる
会議が有意義な時間になるかどうかは、進行役にかかっているといっても過言ではありません。参加者から挙がった意見や提案を的確に集約し、会議の目的を達成できる優秀な進行役を選出しましょう。
また、参加者には会議内での発言のルールや1人あたりの持ち時間などをあらかじめ伝え、スムーズな進行に協力してもらうことも大切なポイントです。
アジェンダで会議時間を意識させる
会議の開催前にアジェンダを作成し、どの課題にどれくらい時間を割くかを決めておきましょう。アジェンダとは、会議で取り上げる議題を優先度順に記載した文書のことですが、議題ごとの目安時間を記載しておくことで、参加者が会議時間を意識するようになります。
結論を出す
会議内で活発に意見が交わされると、あたかも有意義な会議だったかのように錯覚しがちです。しかし、肝心な結論が出ていなければ、会議を開催した意味が半減します。会議冒頭で開催目的をあらためて伝えたうえで、会議時間内に結論が出るように話し合いを進めることが大切です。
話が議題から脱線した際には進行役が注意を促すなど、結論を出すことを重視した会議進行を心掛けてください。
議事録を素早くアップする
会議終了から時間が経過するほど、参加者の記憶が薄れてしまいます。議事録はできる限り当日中に作成し、関係者に共有しましょう。参加者の記憶が新しいうちに議事録をアップすることで、会議内で伝えきれていなかった補足事項なども挙がりやすくなります。
議事録作成を形式的なものにしないためにも、情報を新しいうちに共有することが大切です。
会議の開催や運営に役立つ Slack の活用法
会議の開催や運営を円滑に進めるには、インテリジェント プロダクティビティプラットフォームの Slack を活用しましょう。会議における Slack の活用例を紹介します。
議事録やアジェンダを canvas に集約し、社内のナレッジとして蓄積する
会議の議事録やアジェンダは、canvas に集約していくことをおすすめします。canvas は、ナレッジの検索・管理・共有が簡単にできるスペースです。テキスト情報の共有はもちろんのこと、文書ファイルや画像を埋め込むこともできます。Slack 内に保存されたファイルは文章内も含めて検索できるため、蓄積した議事録やアジェンダをナレッジとして活用しやすくなるでしょう。
報告や共有は、チャンネル投稿やクリップで行う
報告事項や共有事項をチャンネル投稿や、音声や映像を記録したクリップを活用して行うことにより、参加者に必要な情報を集約した状態で会議に臨めます。会議当日は報告事項や共有事項の確認から始める必要がなくなりますので、意見交換や改善策の提案などに時間を割きやすくなるでしょう。
報告や情報共有のみに終始する会議から脱却するとともに、会議の開催頻度や時間の削減を実現できる可能性もあります。
場所や働く時間帯が異なるメンバーであっても円滑にコミュニニーションをとる
会議の目的共有やアジェンダをはじめとする資料の事前配布、日程調整など、会議開催にはさまざまなコミュニケーションが伴います。ですが、時差勤務やリモートワーク(テレワーク)など、働く場所や時間帯が異なるメンバーが会議に参加しているケースも少なくありません。
Slack のクリップやテキスト投稿を活用することで、直接話す機会が限られているメンバーとも円滑にコミュニケーションをとれます。会議の参加者間で情報格差が生じるのを防ぎ、会議を円滑に進めやすくなるでしょう。
社外との連携も Slack コネクトを利用することでコミュニケーションに活用する
会議参加者に社外のメンバーが含まれている場合、社内での情報共有と比べてコミュニケーションのハードルが高くなりがちです。パートナーやベンダー、顧客とのやりとりを 1 ヵ所に集約できる「Slack コネクト」を活用することで、社外のメンバーとも円滑にコミュニケーションがとれます。組織の垣根を越えてスピーディな連携を実現できるSlack コネクトをぜひご活用ください。
会議は種類を明確にして、円滑に運営しよう
会議には、さまざまな種類があります。会議がどのような目的で開催されているのかを参加者が理解していなければ、有意義な意見交換や情報共有ができない可能性もあるでしょう。
今回ご紹介した会議の目的や注意すべきポイントを参考に、会議のメリットを最大限に引き出す運営を目指してください。
よくある質問
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