未来の働き方がどうなるか、簡単には見通せない時代になっています。昨年、企業はリモートワークやハイブリッドワークで、なんとかパンデミックの混乱を切り抜けました。状況が落ち着きを見せ始めたかと思えば、今度は世界的なインフレやサプライチェーンの分断による経済的な課題に直面しています。
そのような状況の中、業界をリードする企業は、すでにあるリソースを活かして生産性を高めようと、Digital HQ(会社を動かすデジタル中枢)への投資を始めています。つまり、メンバー、ツール、顧客、パートナーを 1 箇所でつなぐことで、よりスピーディーで柔軟な働き方を実現しようとしているのです。Slack のプラットフォームは、その Digital HQ を会社ごとのニーズに合わせて簡単にカスタマイズできるため、生産性の向上とビジネスの拡大に役立ちます。
ユーザー企業の皆さまがこのような取り組みをよりスムーズに実現できるよう、Slack はプラットフォームを基礎から作り直しました。本日 Dreamforce にて、その新しい Slack プラットフォームの開発者向けオープンベータ版が利用可能になったことを発表いたします。これにより、さらなる自動化を実現して、時間を節約できます。商談や、キャンペーンの立ち上げ、インシデント解決に向けたスウォーミング(チームでの協力した取り組み)など、重要な場面で仕事をより速やかに進められるようになるでしょう。
「この新しいプラットフォームを使い始めてからまだ数か月ですが、ケーススウォーミングの方法をカスタマイズするなど、今までできなかったことが可能になり、インテグレーション戦略の強化に向けて期待が高まっています」
世界の Slack ユーザーを対象に実施したアンケートでは、Slack の導入後、自動化によって時間の節約度が平均 29% 向上し、アプリの連携によってエンゲージメントが 30% 上昇したとの回答が得られています(Salesforce : Slack Customer Success Metrics、2022 年)。
そしてこの度、これまで以上に簡単に自動化を構築できるようになり、メンバー間や、Salesforce Customer 360 など必須のシステムを横断した仕事の効率化をさらに進めやすくなりました。チームメンバーは、チャンネル、Slack ハドルミーティング、Slack キャンバスなど、Slack 内のどこからでもワークフローを共有できます(Slack キャンバスは、チームがリソースの収集・整理・共有を行える、Digital HQ の新しいスペースです)。
カスタム開発が、さらなる価値を引き出す
私たちは、より素早く柔軟な Slack 上でのシステム開発を可能にするために、プラットフォームの設計を見直し、モジュール型の新しいアーキテクチャを導入しました。その結果、各自のビジネスニーズに応じたソリューションのカスタム開発がより便利になりました。
- アイデアからデプロイまでが、よりスピーディーに。新しい開発者用ツールでは、セットアップにかかる時間が短縮されるため、より多くの時間を問題解決に使えます。新しいコマンドラインインターフェイス(CLI)とソフトウェア開発キット(SDK)により、各種基準に準拠した Slack の安全な環境で、コードをビルド・実行・デプロイできます。
- リソースを最大限に活用。再利用可能なモジュール型の関数により、Slack のワークフロー全体で、コードの再利用や交換が簡単に。開発の重複やメンテナンスの負担、技術的負債を減らせます。
- ユーザーの利用を推進。リンクトリガーをワークフローに追加することで、次のように Slack のどこからでもワークフローを開始・共有できます。
- Slack メッセージでワークフローを共有して、仕事仲間にプロセスを伝えられます。
- ワークフローをチャンネルのブックマークバーに保存できます(ブックマークバーは、ユーザーが重要なダッシュボードやドキュメント、メッセージへのリンクを保存できる場所です)。
- ハドルミーティングのスレッドにワークフローを追加して、会話を具体的な次のアクションにつなげられます。
- 来年には、ワークフローのキャンバスへの埋め込みに対応し、重要な背景情報と、仕事を進めるアクションを結びつけられるようになる予定です。
オープンベータ版では、カスタム関数に加えて、カスタムトリガーも構築できるようになりました。これにより、ユーザー操作をきっかけとしたワークフローの起動、特定の日時でのスケジュール設定、システムイベントに基づいた自動化など、ワークフローを実行するタイミングを正確に定義できるようになりました。
「ビルディングブロック型のアプローチにより、複数のユースケースで関数を再利用できるようになり、コードを今以上に活用できそうです。CLI などの新しい開発者用ツールも便利です。開発のライフサイクルから面倒な作業を取り除いて、仕事をスピードアップできます」
コードを Slack にデプロイすることで、時間を節約し、手間を省く機能を開発できる一方で、自社のインフラストラクチャやオンプレミス環境を使用したいと考える開発者もいるでしょう。オープンベータ版では Slack の Bolt フレームワークをサポートしているため、使い慣れた SDK を使って新しいプラットフォーム上でビルドし、コードを自社のインフラストラクチャにデプロイすることも可能です。
また、Slack CLI では、開発者の負担を減らすために、以下の点を含むアップデートが行われました。
- アプリの開始点として機能する、オープンソーステンプレートのライブラリ
- ソケットモードによるローカル開発
- Slack のあらゆる関数のデータを簡単に保存・管理できる機能
詳しくは変更履歴から、オープンベータ版の新着情報や更新情報をご覧いただけます。
今すぐ新しいプラットフォームで開発を始めましょう
Bolt とモジュール型アーキテクチャの組み合わせ、ワークフローを開始するカスタムトリガー、Slack CLI と SDK の機能改善などにより、さらに自動化が進めやすくなりました。それにより、貴重な時間を節約して、ビジネスのスピードアップにつながるでしょう。
Slack API サイトから、CLI をダウンロードし、チュートリアルやサンプルアプリを入手して、すぐに開発を始められます。また、ウェビナーでは、Slack の技術エキスパートが、新しいプラットフォームを最大限に活用するための実践的な手順を紹介します。ぜひ次回のウェビナーにご参加ください。
皆さまの開発でどのような機能が生まれるか、私たちも楽しみにしています!
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