今、ナレッジワーカー(知識労働者)の働き方は大きな転換期を迎えています。新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって多くの人が在宅勤務をスタートさせ、仕事上のやり取りにかつてないほどテクノロジーを駆使するようになりました。また、1 つの場所で同僚と一緒に過ごす時間が大きく減ったことで、仕事上のコミュニティや「つながり」について改めて考えている人も多いようです。
この状況のなか、今後企業として成長していくためにまず取り組むべきことは何なのでしょうか。その答えは、昨年 Slack が実施した調査のなかにありました。
2019 年の第 1 四半期に、Slack は GlobalWebIndex と共に 10 カ国 17,000 人のナレッジワーカーに対する調査を行いました。そのなかで日本の回答者 1,000 人に注目したところ、「自社の生産性は低い」と回答した日本のナレッジワーカーは調査国全体平均の約 4 倍にも上り、さらに約 7 割が「自社の生産性は高い」と思っていないことがわかったのです。
そこで「自社の生産性が高い」と回答した日本のナレッジワーカーを掘り下げてみたところ、その半数以上が「自社の業績は伸びる」と考えていたほか、企業の成長に欠かせない項目についても肯定的に考えていることが判明しました。もともと「働き方改革」の文脈で語られることの多い生産性ですが、そのメリットは労働時間短縮だけには留まらないことが見えてきたのです。
では、生産性を高めることが企業の成長にもたらすメリットとは一体何なのでしょうか?
生産性向上はビジョン共有やイノベーションに効果的
まず今回わかったのは、生産性を高めることが、ビジョンの共有や戦略実行においてとても効果的だということです。
調査では、「チーム全員が共通のビジョンを持ち、その実現を目指している」という項目で「そう思う」と回答した割合において、「自社の生産性が高い」回答者と「低い」回答者の間で約 2 倍の差が出ました。また、「自社の戦略をよく理解している」や「自分の意識が自社の戦略、ビジョン、行動指針に沿っている」という項目でも、「自社の生産性が高い」回答者が「低い」回答者を大きく上回る結果となりました。
さらに、チーム全員が同じ方向を目指すことで、イノベーションに対して積極的になることも見えてきました。「自信を持って戦略的な決定を下したり、新しいビジネスチャンスを追求したりすることができる」という項目において、両者の回答には約 3 倍の差がついたのです。
生産性が高いと企業文化への満足度も高い
生産性の高い企業では、コミュニケーションが活発でワークライフバランスが充実し、メンバーが満足度高く働けていることもわかりました。
なかでも違いが最も大きかったのは従業員教育の項目です。自社の従業員教育が「良い」「とても良い」とした「自社の生産性が高い」回答者割合は、「低い」回答者の 10 倍にも上りました。
また「テクノロジーの有効利用」という項目ではその差は約 7 倍。生産性の高い企業では、最新テクノロジーを効果的に導入し、そしてそれを使いこなすための教育をきちんと提供していることがわかりました。
自社の生産性を高めるには?
今回ご紹介したのは生産性の高い企業に共通することのほんの一例ですが、これだけ見ても、生産性の向上がいかに企業の成長につながるかがわかります。
では、自社の生産性を高めるには具体的にどうすればよいのでしょうか?その最も重要なポイントは、「コミュニケーションへの投資」です。
本日発表したレポート『ナレッジワーカー意識調査・日本版』では、生産性を改善するためにできる 4 つのポイントをまとめているほか、実際にコミュニケーションに投資して生産性向上に成功した企業の事例も紹介しています。無料でダウンロードできますので、ぜひ自社の生産性向上のヒントとしてお役立てください。