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Slack でのスピーディな情報共有が旭鉄工のカイゼン活動を加速

「Slack の導入後、情報共有が圧倒的に速くなりました。情報に対する従業員の反応速度が上がり、カイゼンがスピードアップしました」

Asahi Tekko代表取締役社長Tetsuya Kimura

旭鉄工株式会社は、主にトヨタ自動車系の自動車部品を製造する会社で、エンジン、シャシー、ミッション、ボディなど多くの品目を取り扱っています。

社長の木村哲也さんは、「カイゼン」の本場・トヨタで積み上げた経験とノウハウのうえに IoT を活用して同社のカイゼン活動を精力的に進めてきました。その成果として、100 ラインの生産性を平均で 43 % 向上させ、2020 年には 2015 年比で労務費も月約 2,500 万円、年間 3 億円の節減に成功しています。

しかしカイゼン活動は一度実施すれば終わりというものではありません。これまですでに大きな成果を残してきた旭鉄工でも、情報共有やコミュニケーションの部分ではまだまだ課題を感じていました。そこでさらなる成果をあげるために、Slack の活用を始めたのです。

「私がこの会社に来た頃は、知識や技術が属人化していたうえ『できることしかやらない』という雰囲気で、会社のカルチャーを変える必要があると感じました」

旭鉄工株式会社代表取締役社長木村哲也氏
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製造現場の状況共有が加速し、従業員のカイゼン意識も変化

IoT の活用でカイゼンを進めてきた旭鉄工では、製造設備の状況が見えるようになっていても、それを社内で広く共有できていないという課題がありました。「特定の社員がカイゼンの知識や技術を持っていても、頭の中にあったり、分厚い紙のマニュアルに書かれていたりして、みんなが簡単に使えるようになっていない。これではカイゼンが進まないのも当然です」と、木村さんは振り返ります。

これまで同社では、設備の状況を可視化するため自社開発モニタリングツール「iXacs(アイザックス)」を使い、稼働データをクラウド上で整理し、スマートフォンのブラウザから稼働状況、生産個数、停止時間、製品のサイクルタイムといったデータを確認できるようにしてきました。しかし木村さんは「可視化するだけでは不十分だった」と話します。何かしらの不具合が発生した情報や、その対応方法が従業員の間で共有されない状態ではスピーディな対応が取れないからです。

そこで木村さんが導入したのが、不具合や品質の状況を Slack で共有するための仕掛けです。「設備で異常な数字が出た」などの不具合に関する情報を、現場から Slack の「#品質不具合日報」というチャンネルに投稿してもらうようにしたのです。また、普段から現場に設置したボードを囲むランプの色で品質がわかるようにしているのですが、そのボードの写真を Slack に投稿することで、従業員が品質改善の意識を高められるようにもしました。

「Slack にわかりやすい写真を上げ、不具合や気になったことを簡潔に書き込めるようにすることで、情報がこれまでよりも圧倒的に速く共有されるようになりました。改めてレポートを作るとなれば手間や時間がかかるうえ気持ちの面でもハードルが上がりますが、Slack なら気軽に投稿できるのがいいですね」と木村さんは評価します。

また同社ではこれまで、「どのラインでどういったカイゼンを行い、どのような効果があったのか」という改善事例を「横展リスト」として社内で共有していましたが、数百にのぼる事例が Excel にまとめられているだけであまり参照されていませんでした。そこでこの横展リストの利用を促進するため、Slack で「#製造改善事例」というチャンネルを作り、事例の共有を始めることにしました。

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チャンネル
ダイレクトメッセージ
製造改善事例
浅田 晶
ジェームズ・ハリス
相楽 健二
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相楽 健二10:55 AM

本社ガイドの改善事例でF研磨のユニックコンベアでワークが縦向きになりワーク落下が多発。

ユニックコンベアの受けに鉄板を1枚はめ込むことによりワーク落下がゼロになりました。

コンサルの田中さん協力ありがとうございました。

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「Excel の横展リストと同じ効果を狙ったものですが、Slack なら誰でもスマホで気軽に投稿できることから、情報がどんどん増えています。また、Excel 一覧よりも個々の事例が見やすくなったことで、事例から得られたヒントを自部門で気軽に試せるようにもなり、1 か月で 10 件のプチカイゼン事例が生まれました。Slack の導入により、共有から実行に移すまでの時間が速くなったと感じています」と木村さんは話します。

「Slack によってカイゼンの事例が積極的に共有できるようになると従業員の意識も変わり、そこから得られたヒントを気軽に試すようになってきました」

旭鉄工株式会社代表取締役社長木村哲也氏

Slackが潤滑油となって社内コミュニケーションを促進

木村さんが旭鉄工に入社した頃は、社内のコミュニケーションがあまりうまくいっていなかったそうです。当時は従業員それぞれが持っているノウハウが共有されず、似たようなノウハウが隣のラインでも独自に作られて利用されているという状況でした。そんななか、木村さんはコミュニケーションの促進のために、生産ラインのそばに紙で出したデータを貼りつけるカイゼンボードを設置し、その前で毎日ミーティングを行うなどの取り組みを行ってきました。

ミーティング以外でのコミュニケーションも活性化させたいと考えた木村さんはここでも Slack を活用することにしました。「#雑談」チャンネルを設け、ミーティングの場以外に従業員の誰もが気軽にどんな話題でも話せる環境を整えたのです。

「私たちは雑談大歓迎です。内容は文字通り雑談で、今日の昼ごはんに何を食べたかなど、どのような話題でも構いません。雑談が活発に行われれば、従業員同士が気軽にやり取りできる雰囲気が生まれ、それが業務上のコミュニケーションをスムーズにします。Slack でチャット数が多いチャンネルのランキングを毎日発表しているのですが、1 位が『#雑談』という日も多いですね」

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iSTC
チャンネル
ダイレクトメッセージ
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浅田 晶
ジェームズ・ハリス
相楽 健二
3
相楽 健二10:55 AM

安居さんから差し入れもらいました!! 美味しかったです!

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高橋 さや11:05 AM

アシナガバチさんを怒らせてしまい首を刺されました。そういう季節になってきたので皆さんもをお気をつけて

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遠藤 卓11:10 AM

碧南のスーパーマーケット潰れたんですか...? 一体どうすれば

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西野 エミリ11:15 AM

ASAHIストア 碧南市中山町7-26 はどうでしょう。

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さらに生産ラインのカイゼンを実施した従業員には「卒業式」を行い、木村さんが一緒に写真を撮って Slack に投稿するなど、Slack をコミュニケーションの潤滑油として利用しています。木村さんも、「私自身、堅苦しいことが嫌いで、率先して気さくに投稿しているので、従業員の皆さんも気軽に発言できるのかもしれませんね」と手応えを感じています。

そのほか Slack は、業務上のコミュニケーションの手間を減らすことにも一役買っています。例えば同社では製造現場に Amazon Alexa を搭載したスマートスピーカーを設置しているのですが、これを Slack と連携させて社長や責任者を音声で呼び出せるようにしました。「製造現場では手が汚れていることが多く、スマホからマネージャーを呼ぼうとすれば手袋を外さなければなりません。声で呼び出せるシステムはその点で便利ですから、活用する従業員はもっと増えていくでしょう」。

「チャット数のランキングで『#雑談』チャンネルが 1 位という日も多くなり、業務においても従業員同士が気軽にやり取りできる雰囲気が生まれています」

旭鉄工株式会社代表取締役社長木村哲也氏

Slackで従業員の反応やアイデア実行スピードが向上

Slack 導入によってコミュニケーションが活発になっただけでなく、最近では新しいアイデアまで生まれるようになりました。

その 1 つが「#自由スペース」というチャンネルです。ここでは従業員が要望やアイデアを文字通り自由に投稿することができるのですが、このチャンネルから生まれたのが「#アサヒスーパードライ活動」。「生産ラインまわりが機械の油で汚れている状況をドライ(きれい)な環境にしよう」という従業員の投稿があっと言う間に行動につながりました。

「私がこの会社にきた頃と比べて、カイゼンは劇的に進みましたし、コミュニケーションも深まってきたと感じています。設備の状況が共有されるようになり、カイゼン事例も積極的に試すようになりました。さらに雑談などを通した Slack による気軽なコミュニケーションが従業員のアイデアを引き出しており、今ではまったく別の会社に生まれ変わったという声も聞こえます。昔はできることしかやらない風土がありましたが、今は従業員全員の反応や実行が速くなっていますね」。