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Slack が「絆」としてつなぐ、ハフポスト日本版の多様な働き方

多くの情報がシェアされる SNS で特に目にするのが「ハフポスト日本版」のニュース。ハフポストは 2005 年にアメリカで創設された世界最大級のネットニュースメディアで、現在は世界 15 カ国で展開しています。日本版は 2013 年にスタート。「会話が生まれるメディア」を目指し、グローバルな視野と多様性を尊重する価値観を大切に、政治・経済・文化・ライフスタイルなどに係わる時事ニュースに加えて、個人の声や思いを拾い上げた特集やオピニオン記事の配信に力を入れています。

そんなコンテンツを作る編集部員は、読者と同じく多忙な世代。仕事のみならず、保育園からの呼び出し、家族の介護、子供の受験サポートなど、家庭でもやるべきタスクをたくさん抱えています。ひと昔前であれば、家庭の事情がどうであろうが記者はバリバリ仕事をするのが当たり前でしたが、「私たちのような小さいメディアでそんなことを言っていたら優秀な人材は獲得できません」とハフポスト日本版副編集長の泉谷由梨子さんは話します。

今回は、自身も子育て中で毎日定時に退社する副編集長・泉谷さんの 1 日を交えながら、Slack がハフポスト日本版編集部の多様な働き方をどのように支えているか、4 つのポイントをご紹介します。

スマホで仕事し、私生活のスキマ時間を有効活用

育児をしながら副編集長を勤める泉谷さんにとって、スキマ時間の活用はとても重要。そこで活用するのが Slack のスマホアプリです。出勤前、まだ寝床にいるときからメンバーの企画ネタや取材進行状況を確認したり、退社後帰宅途中の電車のなかでメンバーの相談に返信したりするなど、どこにいようとシームレスに仕事をしています。メンバーは昼間取材に出ていることが多く、副編集長である泉谷さんへの相談ごとが集中するのはどうしても夕方以降。たとえそれが定時退社後でも、スマホがあればメンバーを待たせずすぐに返信することができています。

帰宅後は泉谷さんの「ママタイム」。子供の夕食、お風呂、寝かしつけなど育児の合間に電話対応はできません。唯一できるのが Slack を使ったやり取り。断続的に届く原稿やメンバーからの相談に育児のスキマ時間を使って対応します。そして子供が寝たあと、残りの仕事を片付けて泉谷さんの 1 日が終わります。

「Slack のおかげで、スキマ時間にピンポイントで対応するだけで済みます」

「定時退社していると言いつつ、結局家で残業していると思われるかもしれません。しかしかつて勤務していた新聞社では、デスクは記者が記事を仕上げるのをオフィスで待たなくてはいけないという状況でした。それが今は Slack があるおかげで、待ち時間を家庭の仕事に充て、必要なときにピンポイントで対応するだけで済んでいます」(泉谷さん)。

外部アプリ連携で Slack を見ればすべてがわかる

泉谷さんが朝一番に行うのが、Slack で連携させている他社ニュースサイトのフィードをチェックすること。すべてのニュースが集約されているため、情報収集だけでなくメンバーへの共有も簡単です。

通勤途中には電車のなかでメンバーの勤怠状況を Slack でチェック。編集長はじめ、メンバーの Google カレンダーと Slack を連携させているため、パパっと勤怠状況を把握することができます。そのため出社するまでに 1 日の仕事の進め方を組み立て、出社後すぐに業務に取り掛かることができるのです。これは 2,000 以上の公式連携アプリを備える Slack だからこそ実現できることだと言えるでしょう。

雑談から企画実現までスピーディに

かつてメディアの編集部では、企画会議を重ねて記事案を決めていくのが一般的でした。しかしそれではスピード感が失われるだけでなく、ハフポストが大切にしている個人の声や思いをベースにした企画を生み出しづらくなります。

「ウェブニュースはスピードが命。会議はしません」

そこで編集部では Slack を活用して、「日常でこういうことがあった」「こんなことに疑問を感じた」など、個人の体験を積極的にシェアするようにしています。例えばイスラム教の習慣であるラマダンの時期、メンバーの 1 人がラマダンに関する Youtube 動画のリンクを 投稿し、興味のある人を募集。その投稿に対して手を挙げた別のメンバーがスレッドに返信し、そこで担当や進め方がどんどん決まっていきました。投稿はゴールデンウィークの休み中でしたが、ふとアイデアを思いついた記者が投稿しておいたことで、ゴールデンウィーク明けには記事が公開されたそうです。

ほかにも、社に届いたプレスリリースもどんどん Slack 上で共有されます。たとえ担当者が記者会見などに出席できなくても、Slack 上で共有すると代わりに行ける人がすぐに見つかり、チーム全体の業務が滞らないよう自然にカバーし合うことができています。

長期オフィス不在時でもチームの空気を共有

育児休暇やリモートワークでネックになるのが「浦島太郎現象」。これは「長期オフィスを不在にすることで、復帰したときに適応しづらくなるというもの」だと泉谷さんは言います。

しかし Slack 上には、オフィス内でどんな空気が流れていて、仕事がどんな風に変化していっているのかがすべてまとまっています。そのためハフポストではメンバーが長期間オフィスに来られなくても、 Slack でその空気感を共有できるため、「浦島太郎化」を防ぐことができていると泉谷さんは話します。だからこそ、編集部では週休 3 日の社員や、リモートで働く業務委託社員、海外在住の翻訳者など、働き方の多様性を保つことができるのです。

ハフポスト日本版では、今男性育休の問題に取り組んでいます。今後育休を取る男性が増えるなか、Slack 活用がスムーズな職場復帰の鍵となりそうです。

「働き方改革 = 早く帰ること」だけではない

2019 年に注目された「働き方改革」について、泉谷さんは「ただ早く帰ることではないはず」だと指摘します。また、「休みだから 100% オフ」というのも一見良さそうに聞こえますが、必要な時にきちんと休んで長く働き続けるためは「休みだけどちょっとだけ働く」時間を増やしていくべきだとも言います。

そのために大事なのは、「テクノロジーを活用して業務を効率化し、多様な働き方ができるようにすること。それによって多様な社員の力を結集させて会社を成長させること」。ハフポスト編集部はそれを実現することで、読者に寄り添った「私たち目線」の記事を生み出しています。そしてその中心にあるのが Slack。「多様性を実現するのは大変。でも Slack は、そんな多様な編集部員をつなぐ絆となっているのです」と、泉谷さんは語ってくれました。