リモートワークに移行する動きが世界中で進むなか、社外パートナーと良い関係を築くことがかつてないほど重要になっています。しかし複数の組織で一緒に仕事を進める場合は、次のようなことがなかなか簡単にはいきません。
- 必要な情報を必要な全員にタイムリーに伝える
- 複数のプロジェクトやタイムラインをうまく管理する
- すばやく意思決定する
そこで今、Slack コネクトが世界中の企業の注目を集めています。これは複数の組織が同じ Slack チャンネルでやり取りできる方法です。Slack コネクトを活用すれば、すべてのメンバーとすべての情報が 1 か所にまとまり、次のようなことが簡単にできるようになります。
- さまざまな関係者と速やかにやり取りする
- パートナーとの間に信頼感を醸成し、関係を深める
- 会話を受信トレイからチャンネルに移して「見える化」し、お互いが目指す方向を揃える
これがどんなに役立つかは、すでに活用している企業の例を見るのが早いでしょう。そこで、Slack コネクトを使ってスムーズなコミュニケーションを実現し、企業の壁を取り除いた Xero、Boldstart Ventures、Segment をご紹介します。
「同じ Slack チャンネルでやり取りしたことで、キャンペーンを通して 3 社それぞれをうまく表現することができました。さらに、このパートナーシップが市場において一番だと位置づけるのに、全員が同じ宣伝で同じ言葉を使うことができたのです」。
Xero
パートナー同士が揃って共同キャンペーンを展開
クラウドベースの会計ソフトウェア企業の Xero は、ニュージーランドで開催された農業とテクノロジーに関する年次イベント Fieldays で一大発表を行う計画を立てていました。同社では以前から農業予算管理・予測ソフトウェア Figured とパートナーシップを結んでいましたが、それをさらに広げて給与ソフトウェア企業である PaySauce と提携することになったのです。3 社が連携すれば、事業をデジタル管理したい農業関係者向けに総合的なソフトウェアソリューションを提供できるようになります。
しかし新型コロナウイルス感染症の影響で、Fieldays 2020 イベントが中止されることになりました。そこで Xero は Xero for farming 戦略の一環として、Figured、PaySauce と共同でオンラインマーケティングキャンペーンを展開することにしたのです。この際、3 社が 1 つの Slack チャンネル #xero-partners
を使ったことで、各社のセールスチームとマーケティングチームがつながり、次のようなことが揃って可能になりました。
- 全員がすべてのキャンペーン詳細にアクセス可能
- 1 ページの営業資料やプレゼン用スライドなど、営業支援資料において統一したメッセージを展開
- 成果物に対するすばやいフィードバックと改善
- 経営層の承認を明確化
「同じ Slack チャンネルでやり取りしたことで、キャンペーンを通して 3 社それぞれをうまく表現することができました」と Xero の Partner Marketing Manager、Justine Wallendorf 氏は語ります。「さらに、このパートナーシップが市場において一番だと位置づけるのに、全員が同じ宣伝で同じ言葉を使うことができたのです」。
Slack コネクトを使えばほかのパートナーとも同じようなマーケティングキャンペーンを企画できると Wallendorf 氏は自信を見せます。「私たちが強化したい次のパートナーが小売なのかプロフェッショナルサービスなのかはわかりませんが、それがどんな業界でも Slack チャンネルがあれば、同じようなパートナーシップを実現して一緒に仕事を進めることができるでしょう」。
Boldstart Ventures
スタートアップ創業者とプロダクトリーダー向けの役立つコミュニティを開設
Boldstart Ventures では、巨額の投資を受けたことがないスタートアップに 100 万ドル規模の投資を行うシード期の投資会社です。同社ではスタートアップの成長に合わせた継続的なサポートも提供しており、その一環で創業者とプロダクトリーダー同士をつなげています。その紹介をすべてメールでしていたら、双方向の支援コミュニティはとても作れなかっただろうと話すのは、Boldstart Ventures の Head Of People And Platform である Natalie Ledbetter 氏です。
「当社のポートフォリオには、非常に経験豊富な起業家や連続起業家がいます。Slack チャンネルでそうした人たちをつなげることで、共に助け合う関係を作りたいのです」と Ledbetter 氏は語ります。「経験を共有してもらうことで、ある起業家のやり方が別の起業家の時間やコストの節約に役立つなら、私たちは起業家たちの仕事をスマートにするお手伝いができていると思います」。
スタートアップ創業者たちは #boldstart-family
チャンネルを使って互いのアドバイスやベストプラクティスを役立ています。また、おすすめのツールやサービスプロバイダー、ベンダー情報も共有し合っているそうです。
「さまざまなスタートアップのプロダクトリーダーが 1 つのチャンネルに参加するメリットは、強いコミュニティをすばやく築き、知識を共有できることです。メールグループではこのようなコミュニティは作れなかったと思います」。
#boldstart-family
で起業家同士のコミュニティが成功したことを受けて新たに作ったのが #boldstart-productguild
です。このチャンネルは、Boldstart のポートフォリオにあるさまざまな企業のプロダクトリーダーや期待の新星が集まり、互いに学んでサポートし合う場所です。
また、Zoom を使ってプロダクトリーダーが製作中の製品のデモを見せながら、製品についてフィードバックし合う場も設けています。デモの後も、参加者は引き続き #boldstart-productguild
でつながり、提案や紹介、おすすめなどの情報をやり取りできます。
「さまざまなスタートアップのプロダクトリーダーが 1 つのチャンネルに参加するメリットは、強いコミュニティをすばやく築き、知識を共有できることです」と Ledbetter 氏は語ります。「メールグループではこのようなコミュニティは作れなかったと思います。ポートフォリオ内のプロダクトリーダー同士で深い関係が築けたら、今度は彼らが起業したときにまた Boldstart Ventures を求めてくれるでしょう」。
Segment
パートナー間のコラボレーションを強化し、ソフトウェア展開を最適化
顧客データプラットフォーム Segment のカスタマーサクセスチームにとっての最優先事項は、顧客に優れたエクスペリエンスを提供することです。このソフトウェアを大規模な顧客に展開するためには、地域パートナーによるサポートが欠かせません。
Slack コネクトでスピーディーにやり取り
これまで Segment は、顧客とやり取りするのとほぼ同じ方法で、パートナーと個別の Slack チャンネルでコミュニケーションしていました。つまり顧客ともパートナーとも、それぞれ専用のデジタルスペースでメッセージやファイルをやり取りしていたのです。しかし、そのうち複数のチャンネルで同じような情報がやり取りされるようになってきました。例えば、ヨーロッパのパートナーとアジアのパートナーと似たようなプロジェクトを進めている場合、それぞれが別のチャンネルに投稿した質問に対して、Segment のチームは同じ回答を何度も共有しなければならなかったのです。
そこで Segment はパートナーを 1 つのチャンネルにまとめることにしました。これにより、パートナー間のコミュニケーションを効率化し、より一貫性のある優れたソフトウェア展開エクスペリエンスが実現できるようになったのです。また、新しい取り組みや方向性に関するお知らせや、戦術についてのリマインダー送信、各種プロジェクトの進捗共有などがすべて 1 つのチャンネルでできるようにもなりました。
「複数のパートナーが互いに協力して Segment を顧客に展開できるようになったことで、メールを何百通もやり取りせずにコミュニケーションできるようになりました」。
同じチャンネルで世界中のパートナーにすばやく引き継ぎ
Semgent の顧客のなかに、ヨーロッパ、アジア、アメリカなど 77 か国で事業を展開する大規模な多国籍企業があります。Segment では複数のパートナーに、この顧客にソフトウェアを展開するサポートを依頼しています。これらのパートナーを同じチャンネルでつないだことで、互いがオンラインになったときに仕事を引き継ぐことができるようになり、タイムゾーンを超えて展開スピードを上げることができました。
「複数のパートナーが互いに協力して Segment を顧客に展開できるようになったことで、メールを何百通もやり取りせずにコミュニケーションできるようになりました」と Segment の Senior Customer Success Manager である Jacob Kramer 氏は話します。「1 つのチャンネルで一緒に仕事を進められるようになったことが、当社最大の顧客に最高のエクスペリエンスを提供する方法をがらりと変えたのです」。