このたび、Slack は Future Forum を立ち上げます。Future Forum は、新たな経済のなかで企業が成功に欠かせない変革を成し遂げられるよう支援する団体です。その活動を支えるのは、企業は運営方法を大きく転換する必要があるという信念です。その効果は驚異的です。才能あふれる多様なメンバーから成るチームが共通の目的に向かうことで、機会を逃さずすばやく行動し、困難な状況でも前向きに進んでいくことができるのです。
現状への不満は、長年にわたって水面下でくすぶっていました。それが、コロナ禍で表面化したのです。リモートワークに突然移行したことで、数十年もの間オフィスでの 9 時 5 時勤務が正当とされてきた画一的な企業文化に対して、疑問を投げかける機会が生まれました。このリモートワークの試みは、個人のウェルビーイングを高める点ではある程度優れていますが、ほとんどの企業は単にオフィス中心の業務をビデオ会議に移行しただけです。その結果、社会的なつながりを構築・維持する難しさが浮き彫りになり、それに関連した課題が生まれています。このような課題は、歴史的に不利な立場に置かれた社会経済的なグループのなかで得に顕著です。
今こそ、組織での働き方について根本的に見直すチャンスです。そしてその必要性はこれまでになく高まっています。職場の文化や規範と、使うツールやテクノロジーの両方を再構築する好機なのです。
Future Forum は、次の 2 つの方法でこの変化を促進します。
- 独自調査、ケーススタディ、方針書の作成 : スタンフォード大学の Pamela Hinds 教授をはじめとする、名だたる学術機関と共同で調査を行う予定です。
- 進行中のイベントシリーズ : 経営幹部がベストプラクティスを共有して困難に対処するための私的な話し合いのほか、業界リーダーがインサイトを共有し解決策を議論する公開イベントがあります。
サービス開始の一環として、Future Forum は最初の独自コンテンツデータのプレビューを公開します。「リモートでの従業員体験レポート」には、ナレッジワーカーがリモートワークにどう適応しているかについてのデータとインサイトをまとめました。10 月には、レポートに掲載された詳細なインサイトを Slack の Frontiers カンファレンスで公開する予定です。公開に先立ち、データの重要な点をご紹介します。
- 72% ものナレッジワーカーがオフィス勤務とリモートワークを組み合わせたいと答えたのに対し、完全なオフィス勤務に戻るつもりだと回答したのはわずか 12%
- 主なメリットとして挙がったのは、通勤からの解放、お金の節約、ワークライフバランスの向上
- 大きな課題として挙がったのは、同僚との関係構築が困難、孤独感や孤立感の増加、同僚の状況が見えづらい点など
調査からは、リモートワークの受け止め方は個人の状況によって大きく異なることがわかりました。下のグラフが示すように、ある人にとってのメリットが、別の人にはデメリットとして感じる場合もあります。
リモートワークは仕事を取り巻く体験にどう影響していますか?
この調査は、仕事の中での人種間での不平等に関する深刻な問題も浮き彫りにしています。「上司は必要な時にサポートしてくれる」という表現に対して「そう思う」と答えたナレッジワーカーは、白人では 65% だったのに対して、黒人では 46% しかいませんでした。
この調査結果からわかるのは、多様性と包括性における格差への対応は待ったなしだということです。スタンフォード大学の Brian Lowery 経営学教授の記事では、次のように指摘されています。「多様性推進の失敗は、そもそもリーダーシップの失敗です。具体的には、優れたリーダーシップにあるべき要素も、組織内で多様性に関する課題が効果的に対処されるよう導く方法も理解されていないのです」。 どの組織でもこのようなリーダーシップの失敗をこれ以上許容すべきではありません。私たちはこの機会に、従来の画一的な企業文化こそ最大の課題だと考える従業員たちを再びつないで力づけていく必要があります。
この調査は、現在の危機的状況下でリモートワーカーが感じるメリットと課題の複雑な実態を明らかにしています。また、ポストコロナの世界で経済的な成功を勝ち取るためには、企業は仕事の進め方を再構築する必要がある点も示唆しています。
今こそ、大きな変化を成し遂げる時です。Future Forum は皆さまのパートナーとしてその変化に付き添います。
Future Forum の詳細は、https://futureforum.com を参照してください。