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Movember が Slack で男性の健康(と口ひげ)のための活動をグローバルに展開

「Slack は TechMo チームにとっての鼓動です。あらゆるものをつなぎ合わせる接着剤であり、私たちがやり取りし、ナレッジを共有し、行動を起こすための Digital HQ(会社を動かすデジタル中枢)なのです」

MovemberTechnical Operations ManagerDavid Lang 氏

かつて November と間違えられることもあった Movember ですが、今やそんな間違いも少なくなりました。2003 年、オーストラリアで口ひげを伸ばして募金を集める 30 人の「Mo Bros」から始まった Movember は、現在 20 か国で 600 万人の「Mo Bros」や「Mo Sisters」が集うコミュニティに成長し、男性の健康面の改善に取り組んでいます。Movember は非営利組織として、これまで 1,250 以上の男性の健康に関するプロジェクトに資金を提供してきました。現在メルボルン、トロント、ロサンゼルス、ロンドン、アイルランド、ニュージーランドに 280 人の従業員を抱える同組織では、若くして亡くなる男性の数を 2030 年までに 25% 減らすことを目指しています。

男性の健康に大きなインパクトを与えるには、グローバルに活動する必要がありました。それを達成するため、同組織ではチームをメルボルン以外に拡大したのです。「2016 年 6 月に当組織の CEO は、急拡大するグローバルなチームがうまく連携してコミュニケーションできる必要があると考えました」と Movember で Global Director of Workplace and Cloud Technology を務める David Lang 氏は振り返ります。「当時のペースでは、Slack のようなコミュニケーションプラットフォームが必須でした」

時差を超えたコミュニケーションをスムーズに進めてグローバルなキャンペーンの企画を促進するために、Movember のリーダーが選んだのは安全なチャンネルベースのメッセージプラットフォームである Slack でした。「Slack によって組織のグローバル展開が実現したほか、さまざまな国のメンバーから成るグローバルなチームが連携してプロジェクトを実行する能力が広がりました」と、Lang 氏は続けます。

Movember 恒例の募金キャンペーンの推進から、25 を超えるデジタル製品の提供、さらに楽しむことをコアバリューとした見事な組織文化の醸成まで、Slack の活用範囲は組織全体に及びます。「Movember は比較的小さな組織ですが、活動自体はグローバルです」と話すのは、Movember で Country Director for Asia-Pacific を務める Rachel Carr 氏です。「国境を越えて Slack に明晰な頭脳を集め、グローバルなアプローチを採ることで、リーチを加速し、知見を共有し、うまくいったプロジェクトを複数の国にすばやく展開しています」

David Lang

「Slack は TechMo チームにとっての鼓動です。あらゆるものをつなぎ合わせる接着剤であり、私たちがやり取りし、ナレッジを共有し、行動を起こすための Digital HQ(会社を動かすデジタル中枢)なのです」

MovemberGlobal Director of Workplace and Cloud TechnologyDavid Lang 氏

場所を問わず生産性、仲間意識、アジリティを大きく向上

Movember が Slack を導入した際、リーダーはすべての従業員(とインテグレーション)の中心に Slack を位置づけました。「どのようなアプリでも、まず Slack につなげてみます」と Lang 氏は説明します。「Slack ではあらゆるものを連携できるところがよいんです」。 これには GitHub アプリJenkinsNew Relic Alerts のほか、Movember がインシデント管理やオペレーション管理のために開発した OpsGenie も含まれます。

コミュニケーションツールと重要な業務ツールを連携させることで、Movember の技術チームはオフィスでも自宅でもあらゆる問題に対処できる態勢になっています。「Slack を使えば、もともと組織の内外にあった境界や国境に関係なくコラボレーションできるようになります」と、Lang 氏は続けます。「それによって、誰もが 1 つのプラットフォームのなかで安全かつ確実に仕事を進めて効果を出すことができるのです」。

メッセージの交換、ワークスペースの自動化、ツールやファイルの共有ができるデジタルスペースである Slack チャンネルを使えば、詳細な議論であれ全体的な戦略であれ、参加者全員が最新情報を把握できるようになります。「Slack によって、重要な取り組みやイベント、パートナーシップの調整から実働までさまざまなことに対して、組織全体の意識が向くようになりました」と Lang 氏は話します。「例えば開発者にとって状況が常に見える化されるため、55,000 回の会議に出なくても組織がしようしていることを把握できます」

Movember では慈善団体としてメディアでの注目を重視しており、Slack はそうした楽しい分野にも活用されています(「The World’s Highest Shave Down on Sydney Harbour Bridge」を参照)。例えば同組織ではボットを使って、Twitter、Facebook、LinkedIn での Movember のメンションを自動的に収集し、ソーシャルメディアの最新情報として #mo-social(#mo-ソーシャル)で共有しています。「Slack は、私たちの活動の遊び心のある側面を引き出してくれるんです」と、Carr 氏は話します。

Movember では Slack を活用することでコロナ禍でも機敏に方針転換することができました。多くの企業が大慌てでソリューションを探すなか、Lang 氏は Slack に確信を持っていました。「パンデミックのなかで、自分は最も落ち着いて構えていたテクノロジー担当者の 1 人だったと思います。Slack の活用を広げるためにすべきことは何もなかったんです。そのままで準備万端でした」。

「技術面では、コードのデプロイを Slack 上で直接行うほか、アラートやモニタリングの機能もすべて Slack に直接組み込んでいます」

Movember Global Director of Workplace and Cloud TechnologyDavid Lang 氏

リモートでグローバルな口ひげキャンペーンを首尾よく実行

Movember の年間最大のキャンペーンでは、シンプルなコンセプトを掲げています。それは、前立腺がん、精巣がん、メンタルヘルスや自殺防止といった男性の健康問題に関する意識を高めるため、世界中の参加者が 11 月いっぱい口ひげを伸ばすというものです。このキャンペーンは大きな成功を収め、2019 年のキャンペーン期間中、世界中からおよそ 400,000 人に及ぶ Mo Bros と Mo Sisters が参加しました。

2020 年は世の中の変化にあわせてプロセスを変更しました。「人々を和やかに団結させることで有名になったグローバルなキャンペーン全体を、複数のタイムゾーンで提供しなければなりませんでした」と、Carr 氏は説明します。オーストラリア、ニュージーランド、香港、シンガポールでその戦略を実行するため、Carr 氏は世界中のチームとともに Slack チャンネルで連携しました。「Slack は、部門を越えたグローバルなチームをまとめるのによい手段です。アイデアや知見を共有したり、情報を周知したり、フィードバックを速やかに伝えたり、さらに成功を祝ったりすることもできます」と、同氏は続けます。「また全員がタイムゾーンを越えてつながることも可能になりました」。

以前、Carr 氏の受信トレイは終わりの見えないリクエストや状況共有、情報などで溢れていたそうです。「Slack によって、私が受け取るメールの量が減りました」と、同氏は話します。「特に Movember では、長々と続くメールがなくなったんです」。

「迅速な対応を要する問題が起こっても、Slack なら対処すべき人がわかります。そして対応が有機的かつスピーディに進むのです」

Movember Global Director of Workplace and Cloud TechnologyDavid Lang 氏

1 分も無駄にしない Movember の IT チーム

11 月は TechMo チームにとって最も大切な時期です。Movember の収益の大部分は、この月の最初の 4~5 日に上がります。そのため、この時期にもし 5 分間のダウンタイムが発生すれば、ほかの時期の月間ダウンタイムのコストを上回る可能性があります。「Slack はコミュニケーションだけでなく、情報共有に欠かせないツールです。そこはメンバーが参加し、交流し、何が起きているかを正しく把握できる空間です」と、Lang 氏は語ります。「Slack なら、重要な最新情報が必要とする人の手にすぐ届くのです」。

Lang 氏やチームが関係者に情報を伝える必要があっても、過去のメールや資料を探して時間を無駄にすることはありません。「Slack ではコンテンツの履歴が検索できます」と、同氏は続けます。「誰でもチャンネルに参加すれば、これまでのやり取りを見て、すばやく流れに乗ることができるのです」。

「Movember では Slack で小さなコミュニティを作り、チーム全体に関わるリソースの共有や、情報の周知に活用しています。これは特にすばやい反応がほしい場合に役立ちます」

MovemberCountry Director for Asia-PacificRachel Carr 氏

パンデミックを乗り越えるためプログラムを迅速に市場投入

コロナ禍でも Movember のスピードが落ちることはなく、親しまれた口ひげキャンペーンに加えて、Movember Family ManMovember Conversations(MoCo)といった先進的な男性の健康プログラムの立ち上げも進められました。

Movember Conversations は、世の男性から受けたフィードバックや悩みをベースに作られた、オンラインのインタラクティブな会話ツールです。これはメンタルヘルスの専門家が参加する国際的なチームによって開発されました。このツールでは、悩みを抱えた近しい人との会話の進め方を体験・実践できる模擬会話を利用でき、失業、社会からの孤立、家族からの圧力を含むたくさんの関連シナリオを用意しています。パンデミックのなか、同社では Slack を活用することで、これを迅速にリリースすることができました。「男性が直面しているあらゆる問題を考えると、このツールをできる限り迅速に市場に届けることがとても重要でした」と、Carr 氏は語ります。

組織内でプログラムを立ち上げるのに、中核となる #moco_team(#moco_チーム)Slack チャンネルに加えていくつかのグローバルチャンネルを活用したことで、チームはこのツールについて理解し取り入れられるようになりました。「まず組織内でこのツールに対する自信を築きたかったのです。そうすればより多くの男性が、本当に必要な時にこのツールをすばやく手にできるようになりますから」。 リリース後、チームでは国内や海外の人々やメディアがこの新ツールを取り上げる様子を #mediacoverage(#メディア掲載)チャンネルで共有しました。このようなマイルストーンをオフィスで祝う時は、これまで「ゴンガライン」が定番でした。これはゴングの音に続いてコンガラインダンスを踊るというものです。「今年、このようなお祝いは Slack 上でバーチャルに行いました」と、Lang 氏は話します。

Movember の中心には、世界中の何百万人もの男性の人生をよりよくすることに取り組む意志の強いチームがあります。Carr 氏にとって、Slack はその目標を達成するためのプロセスやツール、テクノロジーを加速・サポートするだけでなく、楽しむことに価値を置く文化を育む場でもあります。それは例年のキャンペーンを大成功させる一因にもなっているのです。「Slack は卓越したツールそしてリソースとして、私たちをつなげ、重要な仕事がうまく進むように支えるほか、その過程で楽もうという気持ちにもさせてくれるんです」。