モバイル端末を手に持っている画像
注目の事例

厳格なセキュリティ要件を持つ NTT ドコモが Slack で組織文化を変革

「Slack によって、オープンで上下関係を意識させないコミュニケーション文化が実現しました」

株式会社NTT ドコモイノベーション統括部 クラウドソリューション担当中村拓哉氏

Slack 活用による成果:

「Slack 導入後、9 割ものマネージャーがチーム内の情報透明性が向上したことを実感しています」

Slack で使用している主なインテグレーション :

  • Email
  • RSS
  • Twitter
  • Google Calendar
  • Bitbucket Cloud
  • Cisco Webex Meetings

従業員数約 8,100 名、グループ合計では約 27,000 名を抱える株式会社 NTT ドコモ。同社では膨大な顧客情報を取り扱うことから厳格なセキュリティポリシーを定めており、業務システムの多くを開発しています。コミュニケーションツールも例外ではなく、同社ではメールのほか、社内ネットワークでの利用を想定した内製ツールが使われていました。

オフィスで社内コミュニケーションする際にはうまく機能していたこの仕組みを見直すきっかけになったのは新型コロナウイルスの拡大でした。多くの社員が原則在宅勤務となったなかで、既存の内製ツールだけではスムーズなコミュニケーションが難しくなってきたのです。

この解決に貢献したのが Slack です。もともと、社外とのコラボレーション用にほかのツールを模索していた R&D イノベーション本部イノベーション統括部では、2019 年頭から Slack を試験的に導入し、その後オープンでフラットなコミュニケーションをほかの組織にも広めるため「共通基盤化」に取り組んできました。

そんな Slack 導入と共通基盤化を推進してきた中村拓哉さんは「原則在宅勤務となったのをきっかけに、コミュニケーションだけでなく、組織文化の変革が進んだと実感している」と話します。

「原則在宅勤務となった環境では自前のツール以上のものが必要でした。コロナ禍で Slack のユーザーが急増し、社内コミュニケーション文化が変わりました」

株式会社NTT ドコモイノベーション統括部 クラウドソリューション担当中村拓哉氏

高水準のセキュリティを保ちつつ、社外とのやり取りを迅速化

NTT ドコモのイノベーション統括部は、社外パートナーとのやり取りが多い部門です。しかしそもそも、同社で使われている自前のチャットツールは社員同士のやりとりを前提とした仕様でした。そのため、社外コミュニケーションはメールや電話が中心で、やり取りそのものや社内での情報共有に時間がかかるという課題を抱えていました。

このような状況のなか、中村さんは社外コミュニケーションをスムーズにするツールの導入を検討。しかし NTT ドコモの社内規程では社外サービスを自由に導入することは許容されていません。導入にあたっては、「NTT ドコモのセキュリティポリシーを遵守したものであるかどうか」の審査をクリアする必要があったのです。

その条件に合致したのが Slack の大規模組織向けプランである Enterprise Grid でした。「パスワードは何文字以上」「アクセスログを何年間保管」といった一般的なポリシーをはじめ「第三者認証の取得状況の確認」など、200 項目以上におよぶポリシーを見事クリアする対策を実施したことで、高度なセキュリティを維持しながら、社内はもちろん外部とのやり取りまでを迅速化できたのです。

「利用者目線で考えると『プラス』プランでも問題なかったのですが、セキュリティや監査などのガバナンス視点、さらに大規模に利用することになった場合にも部署ごとに分散管理が可能だという観点から Enterprise Grid の採用は不可欠でした」と中村さんは話します。

「世の中にコミュニケーションツールは多数ありますが、システムアラートの通知や API 連携などに対応し、エンジニア界隈でのデファクトスタンダードとも言える Slack を選ぶのは必然と言えました」

株式会社NTT ドコモイノベーション統括部 クラウドソリューション担当中村拓哉氏
どこもの Slack チャンネル、#docomo-random 内での会話の様子
docomo-random
遠藤 卓10:21社長講話、このChannelでリアルタイム実況&議論したら楽しそうですね😁
☺️1👏3❤️4
相楽 健二10:26皆さんぜひ見てくださいね。社長講話。インタラクティブにはできなかったのですが、みんなでコミュニケーションとりながら見ていただけると嬉しいです。お時間間に合わない方は事後配信もありますので。
🙆‍♀️23🙆‍♂️8👍4👏6
ヘンリー・ウォン10:42音声・画質ともに品質良いですね!🙂
👍8😍1❤️4
遠藤 卓10:42コロナ影響下のコールセンターに関しては、ジャパンの取り組みがすごいですよね
  • 3 密防止
  • ホテルと契約してホテル側も win
  • 個人情報保護の観点もカバー
  • 👏15👍1
    宮本 春香10:44在宅でのネットワークチェック……すごい!
    😲1👍8
    #docomo-random へのメッセージ

    メール文化による煩わしさを解消し、7 割が時短を実感

    コミュニケーションの中心がメールから Slack に移行したことで、「受信トレイにメールが溜まってしまい重要な用件を見逃す」「メールの返信作業に多くの時間を費やしている」といった課題も大きく解決しました。

    まず Slack でのやり取りはチャンネルごとに整理されるため、重要なメッセージを見逃すことが減ったそうです。また、文頭や文末の挨拶が欠かせないメールと違い、絵文字ひとつでリアクションが完結するため、時間短縮の面でも大きな効果が得られたといいます。もともと絵文字は NTT ドコモが作ったものであるだけに同社でもなじみやすく、カスタム絵文字も多く作られ、活発に使われています。

    また、メールの見落としを防ぐためにインテグレーションも活用されています。例えば、社内からの問い合わせを受けつけるメーリングリストに Slack のメールアドレスを加えておくことで、メールが来ると同時にその内容を Slack 上に飛ばせるように設定。これによって、問い合わせがメールに埋もれてしまうことがなくなりました。

    2019 年 10 月に Slack がほかの組織へと展開されると、部門の枠を越えたやり取りもスムーズになりました。Slack を利用している組織へのアンケートでは、56% が「ほかのチームに質問や依頼をしやすくなった」と回答。さらにチーム内のコミュニケーションに関しても、58 % が「話しやすくなった」と答えており、組織内や組織間でフラットなコミュニケーションが実現しています。

    「ある部門では、Slack 導入によってコミュニケーションのハードルが下がったと回答した人が半数以上 に上りました」

    株式会社NTT ドコモイノベーション統括部 クラウドソリューション担当中村拓哉氏

    上下の差を意識させない風土改革が加速

    当初は緩やかだったアクティブメンバーの増加は、コロナ渦により原則在宅勤務になったことで一気に加速。2020 年 9 月 1 日現在で週間アクティブメンバー数は約 13,500 名に上っています。こうしてコミュニケーションが一気に活性化したことで、組織文化にも変化が生まれました。

    これに大きく貢献したのが複数のワークスペースを横断してコミュニケーションできる OrG チャンネルです。例えば雑談用の「#docomo-random」では、10,000 人以上の参加メンバーにより、Slack のルールや使い方をはじめ、在宅勤務や印鑑のあり方といったタイムリーなトピックで議論が交わされています。また、社長がライブ配信している「社長講話」を見ながらライブでディスカッションが盛り上がることもあったそうです。実際、1 メッセージあたり平均 8 つのリアクションがついており、メンバーが積極的にチャンネルを通じたコミュニケーションを行っていることがわかります。ほかにも有志によって 50 以上のチャンネルが作られており、「英語を話そう」「内製技術を磨こう」「ラグビーが好きな人」など、さまざまなコミュニティが形成されているそうです。

    ほかにも大活躍しているのが絵文字リアクションです。絵文字で反応されることで、発言する際の心理的ハードルが下がり「勇気を出して発言する」という従業員が増え、「上下の差を意識させない風土」の実現につながっています。

    アンケートによると、メンバーが今後 Slack に最も期待するのは、「チャットによる業務効率化」や「サービス間連携」を差し置いて、「オープンコミュニケーションによる組織風土改革」(43.6 %)。中村さんは、今後は自社での利用率 100 %の達成とグループ会社への展開を進め、さらなる風土改革を実現したいと展望を語ります。

    「組織風土改革はすぐに実現できるものではなく、まだまだ道半ば。今後も試行錯誤が必要ですが、Slack 展開とともに引き続き取り組んでいきたいと思います」。