社内コミュニケーションは、例えるなら、企業を前に進める水面下の水かきのようなもの。社内コミュニケーションがなければ、共通のゴールに向かって全員が認識を揃えることはできません。効果的なコミュニケーションには次のようなメリットがあります。
- 従業員の間に目的意識やエンゲージメントが生まれる
- メッセージが明確になる
- ブランドプロミスを実現しやすくなる
- 危機的な状況での回復力が高まる
- 透明性が高まる
- 従業員の定着率が向上する
とはいえ、社内コミュニケーションはそう簡単ではありません。特に従業員の多数あるいは全員がリモートで働いているような場合はなおさらです。必要なのは、メッセージをどう伝えるか、どんな手段を使うかといったコミュニケーションの戦略です。今回は、全員が情報を取りこぼさず同じ方向を目指せる状態にするために、すぐに実践できる社内コミュニケーションのヒントを紹介します。
課題と効果
職場ではさまざまなコミュニケーションツールが使われますが、基本的に職場のコミュニケーションは「縦方向」と「横方向」の 2 種類です。どちらも重要ですが、それぞれよい点も悪い点もあります。よりよいコミュニケーションを目指すなら、組織内のコミュニケーションを妨げる要因を考える前に、まずこの 2 種類のコミュニケーションを理解しておきましょう。
縦方向のコミュニケーション
縦方向のコミュニケーションには、上司から部下への下向きと、部下から上司への上向きのものがあります。また、CEO から全従業員へのメッセージや、チームリーダーから直属のメンバーへの通知など、複数の人を巻き込む場合もあるでしょう。この種類のコミュニケーションはシンプルですが、リアルタイムでないうえ、反応や説明の戦略が曖昧だと詳細や真意が伝わりにくい場合もあります。
横方向のコミュニケーション
横方向のコミュニケーションは、経営幹部、清掃員、マーケティングチームなど、同じ職位の従業員同士のコミュニケーションです。重要なのは、コミュニケーションの輪のなかに監視役がおらず、上下関係もない点です。この種類のコミュニケーションは、自分の考えを無理に通そうとしたり、場合によっては争ったりする人がいると混乱する可能性もあります。そのため、横方向のコミュニケーションは、メッセージやチャット、メールを使ったり、議論の記録を残したりして追跡できるようにしておくことが一番です。
社内のコミュニケーションチャネル
社内のコミュニケーションは、口頭のものと文字を使うものがあります。口頭でのコミュニケーションとは、ちょっとした立ち話や、対面での会議、電話、ビデオ会議などです。会話はあらゆる方向に広げられるため、数百人が関与する場合もあります。口頭でのコミュニケーションは、特に以下のような目的に向いています。
- グループ会議
- ブレスト
- 機密情報の伝達
- 昇給・昇進、勤務評価の共有
ほとんどの場合、議事録、録音の文字起こし、補足メモなど、話した内容を文字にして記録する必要があるでしょう。
一方、文字によるコミュニケーションには、メール、SMS、ネットのフォーラム、チャット、メッセージアプリなどがあります。文字によるコミュニケーションが特に向いているのは、次のような目的です。
- ボリュームの大きい情報
- 経緯のわかる記録の作成
- 簡易的な質疑応答や短いディスカッション
社内コミュニケーションの課題
コミュニケーションの種類や形態が何であれ、スムーズな社内コミュニケーションには、越えなければならないハードルがあります。
スタイルの違い
日常の会話では、暗黙のルールがあります。この人は電話が嫌いで、あの人は文字でのやり取りが苦手、この人は 1 日に 20 回はメールをチェックするけれど、あの人はまったく見ないなど、そのルールは人によってさまざまです。それぞれが好むスタイルを知っているあなたは、全員が納得する方法で連絡しようと骨を折ることになるでしょう。
同様に、社内コミュニケーションを効果的に進めるには、個人の好みに注意が必要です。とはいえ、スタイルがまったく違う人がいてもオープンなコミュニケーションが進むような、共通の連絡方法があれば便利です。多くの場合、正式なコミュニケーションは誰もが従うべき基準を設定するのがよいでしょう。例えば、チームの最新情報は特定のチャンネルに投稿する、週 1 回は部長からの状況連絡を確認するといったルールです。
相手の興味
社内コミュニケーションで特に難しいのは、メッセージをどう伝えるかです。フォーマルすぎる退屈なプレゼンでは、聞き手の興味を失わせ、重要な情報がしっかり伝わりません。けれども過度にカジュアルなものは、真剣に受け取ってもらえない可能性もあります。フォーマルな文書であれば、表などの視覚的要素を使ってわかりやすくしたり、プロらしくもわかりやすい言葉を使って率直かつ「人間味のある」話し方をしたり、とバランスを取ることが肝心です。
コミュニケーションチャネルの数
コミュニケーションの種類によって最適な手段は違うため、さまざまなプラットフォームを用意することが重要です。その場合、どの種類のコミュニケーションをどのプラットフォームで行うかを全員が知っている必要があります。
そうは言っても、プラットフォームが多すぎるのも困りもの。選択肢が多すぎると、どれをどの状況で使えばよいかわからず、情報がすぐに行方不明になってしまいます。どこを探せば求めるメッセージが見つかるのかわからなくなることもあるでしょう。
社内コミュニケーションのスキル
効果的な社内コミュニケーションにはさまざまなスキルが必要です。なかでもポイントは 3 つあります。
- 一般的なコミュニケーションのスキル : 積極的に聞く姿勢、明確な説明、慎重なメッセージが鍵です。
- トピックに対する知識 : メッセージを送信する前に、そのトピックに関する情報を提供できるよう準備しておきましょう。質問や説明が必要になった場合に備えます。
- 相手に対する理解 : 誰に対して話しかけているのかを意識しましょう。新メンバーにはマネージャーよりも詳しい説明が必要ですし、経営幹部は現場で起きていることをよく知らない場合もあります。
コミュニケーションのよくある失敗と予防策
情報が次々と生まれる社内では、コミュニケーションが混乱しがちです。その要因としてよくあるのが次のポイントです。
- 間違ったチャネルを使っている
- 伝える相手を間違っている
- 論点がずれている
- 相手の興味を得られない
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