SIer L
Collaboration

SIer が実践するコミュニケーション活性化のススメ

人、アプリ、データをセキュアに繋ぎ、プロジェクト推進の質を高める Slack 活用術

By the team at SlackMay 30th, 2021Illustration by Justina Leisyte

未だ終息の兆しが見えないコロナ禍において、リモートワークを推奨する企業が多くみられるようになりました。その一方で「隣の部署の動向がわからない」「トップの意向が伝わりにくい」といった課題も聞かれます。企業の DX 推進においてコミュニケーションツールに注目が高まる中、とりわけ SIer 業界では、さまざまなエリア・規模において Slack のユーザー数が大きく伸びています。SIer にとって Slack はどのようなものなのでしょうか。今回はエコー電子工業株式会社、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、SCSK 株式会社の 3 社に Slack の導入背景や各企業ならではの活用方法について伺いました。 

エコー電子流!気軽な導入からプロジェクト推進の質を向上

 エコー電子工業で第一ソリューションシステム部に所属する長谷川修造さんは、入社以来、地場ユーザー向けの SI 業務を担当し、現在テレワーク勤務は 7 割程度。Slack の導入は気軽に始められるフリープランがあり、「まずは使ってみよう」という同社の社風に助けられて社内利用が拡大していったといいます。「操作に慣れるまで時間がかかるツールはなかなか浸透しませんが、Slack は直感的に操作できるので社内への定着は早かったです。オリジナルのカスタム絵文字やアイコンも社員の遊び心を刺激したようです」。

まずはフリープランでの導入からメッセージの利用が増加し、Slack をさらに有効活用するために、社内システムとの連携を見据えた有償プランへのアップグレードが行われました。利用状況を見ながらプランの切り替えができるのも Slack のメリットと長谷川さんは話します。

新型コロナウイルス感染予防のため急遽発生した社員の日々の体調・体温の報告という申請業務などについても、Slack のワークフロービルダーを使った個別申請と Google スプレッドシート上で閲覧制限を設けた管理シートを連携。Slack を他社ツールと連携することにより、一元管理と社員のプライバシーの維持を保った、迅速な対応ができたそうです。また、 Slack のチャンネルごとに取得できるメールアドレスを顧客のメーリングリストに加えることで、各顧客からのメールが Slack の関連チャンネルに転送される仕組みを作り、顧客からの情報を Slack に集約させる活用法は特に有効だったといいます。チャンネル内のメンバーへの情報共有だけでなく、届いたメールのプロジェクト内容について Slack 上での新たなディスカッションを行うことができ、チャンネル型コミュニケーションを進めるよい流れになったと振り返ります。

 さらに長谷川さんは、メンバー間の認識違いによる手戻り作業の発生やプロジェクトの品質低下を避ける策として、Slack のスレッド機能や引用タグ、メッセージ共有の機能を駆使して「あいまいなコミュニケーション」をなくす試みをしています。特にメッセージの共有機能は、言及したい Salck 上の会話のリンクを他のメッセージに貼り付けるだけで、過去のやり取りを時系列に確認でき、情報共有においての活用度が高いと話します。「従来はプロジェクトリーダーが行っていた全体のパイプ役やとりまとめを各自が Slack 上でできるようになったことで、メンバーに意識改革が起こり、メンバーコラボレーション型のプロジェクト推進が少しずつできるようになってきました」と、長谷川さんは言います。

 Slack 導入によって、新たな企業風土が生まれたことも大きな変化でした。テレワークや外出自粛によって人とのリアルなやり取りは減りましたが、Slack 上には社員のユーモアや遊び心があふれ、バーチャルオフィスのように癒しや救いを与えてくれる場所になっているといいます。

今後は Slack を通して「業務効率化であるビジネスプロセストランスフォーメーション、デジタルテクノロジーを基に人のマインドに着目した文化・組織トランスフォーメーションを達成したい」と話してくれました。

CTC が実現したナレッジ共有とヨコ連携の活性化

 伊藤忠テクノソリューションズの Slack 導入のきっかけは、既存のチャットツールに課題があり、さらに在宅勤務が増加する中で、技術部門と営業部門の連携が取りやすく、ストレスのないコミュニケーションツールが求められたことでした。

通信キャリアビジネス営業第 1 部主任で Slack 導入のキーパーソンとなった坂口勇磨さんは、双方の部門で共通の課題となっていたナレッジの共有やチーム間の行き違いを改善し、技術部門においては高度化する SI 作業の需要に対応する DevOps 的な手法の取り入れや各種ツールとの連携、営業部門においては顧客との非対面でのコミュニケーションの対応や、複雑化する注文の事務処理の簡素化、また、営業の「個人商店化」が進んでヨコ連携が薄くなっていた点などに対して、Slack を活用した新たな仕組みができればと考えたそうです。 

 導入後は、Slack のチャンネル機能やメッセージ機能がシンプルで使いやすく、過去のやりとりの検索がしやすいところや、社外の組織とも社内と同じようにセキュアなコミュニケーションがとれる Slack コネクトにも多くのメリットを感じたといいます。

プラットフォームテクノロジ第 1 部主任の渡部友也さんは、その魅力についてこう語ります。「リモートワークでの取引先とのコミュニケーションをスムーズにするには、メールよりも迅速でコンパクトなコミュニケーションができる Slack コネクトが有効です。ファイルの暗号化の必要がなく共有スピードも上がりますし、もし間違えてもすぐに削除・訂正ができるなど、セキュリティの面でも安心です。Jira や Git とのアプリ連携も大きなポイントで、Slack コネクトで繋がった企業との間でプロジェクトの進捗管理や情報共有が見える化できるようになりました」。周知系の発信に気軽にリアクションができ、発信者もすぐに反応が見られるため、バーチャルオフィスにおけるコミュニケーションのよいかたちになっていると話してくれました。

快適かつセキュアなコミュニケーションを両立!業務負荷を軽減する SCSK Slack 活用

 住友商事グループの IT 会社としてグループ内外に SI サービスを提供する SCSK での Slack 導入のきっかけは、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発出でした。DX 技術開発センターイノベーション第二開発部でプロフェッショナル IT アーキテクトを務める赤松芳彦さんは、メールによるコミュニケーションに限界を感じていた際に、前職で効率的に使えていた Slack を自社でも再び活用したかったと振り返ります。「Slack 導入後は、メールにまつわるミスや煩わしさがなくなりました。添付資料が見やすく、プッシュ型で通知に気づきやすく迅速なレスポンスができるのでコミュニケーションは驚くほどスムーズです。Slack の最大のメリットは専用アプリの有無に関係なく、マルチ OS、マルチデバイス対応で PC やスマートフォンがあればどこからでもアクセスができ、連携するクラウドサービスが豊富でインテグレーション力が高いので、他社とのツールの共同開発の際などにも大いに役立つ点だと思っています」。

同社が手がけた EDI システムの開発プロジェクトでは、Slack 導入後、プロジェクト内でのコミュニケーションがメールだけのときより活性化し、システム開発ツールとの連携も行ったことで、すべての進行が Slack 上でリアルタイムに網羅できたため、生産性が向上したそうです。

 また 2017 年より近畿大学で講師も務める赤松さんは、全学 Slack を導入していた同校からの要請により、学生への QA 対応として大学 Slack に自社開発ツール用のボットを作成し、ボットの DM チャンネルに学生が直接質問を投げかけられる連携システムを構築しました。学生に対しては DM で気兼ねなく質問できる環境を作りながら、教員にとっては授業のアナウンスやスタッフ間の情報共有だけでなく、質疑応答についてもすべてが Slack 上に集約されるようになり、あちこちのツールを使う必要がなくなったことで負荷が軽減されたといいます。

 Slack を教育現場でも推進している赤松さんは、DX 時代における Slack の活用はカジュアルさとセキュアとの両立が不可欠と話します。気軽な雑談や独り言を投稿し、共有できるチャンネルを用意すれば、在宅でもメンバーの存在を感じられるようになり、「フィジカルは疎でもマインドは密」のようなリモートワークならではのチーム作りにも役立つといいます。さらに「チャットから通話へ、通話からオンライン会議へと移行」できるような柔軟なコミュニケーションこそ、「Slack を最大限に活かす方法」といいます。

と同時に、データ流出の防止は必須であり、Slack のビジネスプラスプランなどで網羅されている監査機能や二要素認証といった、セキュリティ機能の重要性も強調します。

「チャンネル作成や投稿時のルールの徹底、チームに向けた啓蒙活動といった Slack 導入の土台作りも大切です。組織に合わせた Slack の快適な利用環境を準備すれば Slack コネクトを活用した外部とのコミュニケーション能力の向上、安全なコラボレーション開発が目指せます」。

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