企業文化という言葉は役員会で交わされる単なるバズワードだと思うかもしれませんが、特に競争の激しい環境では、従業員の士気とビジネスの成功の両方において大きな役割を果たすことができます。PwC が 2021 年に 3,200 人の従業員を対象に行ったグローバルな調査によると、上級管理職の 69% が、パンデミック時の成功の多くは企業文化に起因すると考えています。
優れた企業文化は、従業員に目的を与え、ビジネス目標の達成に向けてチームの方向性をそろえるのに効果的です。ここでは、自社で優れたチーム文化を築くための 6 つの方法を紹介します。
チーム文化はビジネスにどのような影響を与えるのか?
企業文化とは、企業が長期的な目標を達成するために日々どのように活動するかを決定づける中核となる価値観であり、従業員がリーダー、顧客、利害関係者と関わる指針となるものです。
チームが企業文化に共鳴し、それに沿うことが正しいと信じていれば、それは結果として表れます。従業員はより幸せになり、より熱心に仕事に取り組み、仕事の質と量も向上します。つまり、ビジネスの収益が増加するのです。
実際、Grant Thornton LLP and Oxford Economics の調査によると、経営幹部が極めて健全な企業文化を報告している企業では、3 年間の平均収益増加率が 15% を超える可能性が 1.5 倍高いことがわかりました。さらに、非常に健全な企業文化を持つ上場企業は、3 年間で株価が大幅に上昇する可能性が 2.5 倍も高いこともわかりました。
また、優れたチーム文化を構築することで、優秀な人材をひきつけ、維持することができ、従業員の離職に伴う高いコストを節約できます。2019 年の Builtin の調査では、求職者の 46% が応募にあたって企業文化は重要な要素であると回答しています。逆に、47% は転職の動機として、貧弱な企業文化を挙げています。企業文化への投資は、優秀な人材を獲得し、維持するのに最善の方法の 1 つです。
優れたチーム文化を築くための 6 つの方法
では、より成功を収める企業文化を築くためには、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか?ここでは、6 つの簡単な方法をご紹介します。
1. 価値観とミッションを明確に定義する
企業文化とは、その中核となる価値観とミッションを具現化したものであり、その場に息づいています。これらを説明して文書化し、チームと共有して再確認することが不可欠です。次のようなことを自問してみてください。
- 個人的にどのような価値観を持って生きていますか?その価値観は、仕事での成功に関しても同じでしょうか?
- 採用する人材には、どのような資質を求めますか?
- 模範としている従業員は誰ですか、またどんなところを尊敬していますか?
- 自社で働くことの何を気に入っていますか?
- 従業員の日々の行動で、刺激を受けるものは何ですか?
- どのような最終目標に向かって取り組んでいますか?
2. 透明性を確保する
中核となる価値観を作り、ミッションを言葉で表すことは、最初の一歩にすぎません。大切なことは、ミッションと価値観について透明性を保ち、チームがそれに沿えるようにすることです。従業員ハンドブックに記載したり、オフィス内のポスターに中核となる価値観を掲示したり、チームミーティングで定期的にミッションを再確認したりして、従業員が簡単に確認できるようにしましょう。そうすることで従業員は、ミッションに関して何に取り組むべきか、ミッションの達成に向けてどのように行動すべきかを理解できます。
価値観とミッションについて透明性を確保することは、チームがビジネス目標を達成するために非常に重要です。しかし、ここで成功するための真の鍵は、それを支援することです。例えば、ダイバーシティとインクルージョンが中核となる価値観の 1 つであれば、その取り組みを前進させる具体策やワークショップ、サポートグループなどで支援することが大切です。
3. フィードバックを求める
新しい従業員を迎え、成長するに伴い、企業文化を常に変化・進化させていく必要があります。そのため、従業員が企業文化をどのように感じているか継続的にチェックし、必要に応じて速やかに変更していくことが非常に重要です。問題が起こるまで待つのではなく、経営チームは自ら定期的なフィードバックを求め、そして提供するべきです。
過度に形式的で複雑なプロセスである必要はありません。形式張らない、継続的な会話のなかで得られるフィードバックの方が、本音を引き出すことができ、より価値のあることが多いのです。チームミーティング、全社集会、マネージャーと直属のメンバー間の 1 対 1 のミーティングで、企業文化についてオープンに話し合いましょう。
4. 継続的な学習を優先する
トレーニングリソース(ネット上には多くの無料リソースがあります)を提供したり、トレーニングセッションを開催したりすることで、チームのスキルセットの拡張とプロフェッショナルとしての成長を促します。これは、オンラインでもオフィスでも可能です。対面式の「ランチミーティング」を開催したり、専門家に講演してもらったりすれば、チームビルディング活動の代わりにもなります。
また、プロフェッショナルとしての成長を促すことは、従業員の意欲低下や飽きを防ぐうえで役立ちます。部門やビジネス全体に付加価値を与えながら、従業員のエンゲージメントと士気を高めることができるのです。
5. コミュニケーションとコラボレーションのための最新ツールを活用する
会社の士気を高め、チーム文化を構築する最も効果的な方法の 1 つは、チャネルや階層を越えてオープンにコミュニケーションができる環境を提供することです。これを可能にするのが、Slack のような最新のコミュニケーションとコラボレーションのためのツールです。Slack は、リアルタイムまたは非同期のコミュニケーションを可能にする便利なオールインワンプラットフォームです。チームごとにチャンネル上で会話できるだけでなく、個人間のやり取りや社外パートナーとの連携も可能です。
このツールを活用することで、社内全体のコミュニケーションが強化され、従業員エンゲージメントが高まり、リモートで働く同僚ともよい関係を築くことができるようになります。チャンネルを作れば、部門やプロジェクトのコラボレーターが同期的または非同期的に方向性をそろえられます。また業務フローの効率を劇的に向上させたり、スレッドで直接フィードバックを提供したりすることもできます。また、どこからでもリアルタイムで会話したり、複数の人が外出先から承認や編集を行えるようにしたりもできます。より個人的なレベルでは、ソーシャルチャンネルを作成して、同僚と共通の興味や趣味でつながることをサポートできます。例えば、#bookclub(読書クラブ)
、#gardeners(ガーデニング愛好会)
、#dogpeople(愛犬家の集い)
などがおすすめです。
6. 成功と功績を称える
オックスフォード大学の Saïd Business School が行った 2019 年の調査では、幸せを感じている従業員は生産性が 13% 高いと報告されています。従業員に幸福感を与える簡単な方法の 1 つは、褒めるべき時に褒めることです。チームや顧客の成功や成果を非同期的に称えれば、やる気を刺激できます。期待を超えようとする従業員は認められ感謝されていると感じ、ほかの従業員もあとに続くように促されるのです。
Slack なら、チームメンバーの成果を認め、よくやったと称賛することが簡単になります。#shoutout(感謝表明)や #kudos(称賛)チャンネルを作成すれば、すべての成功の記録が残ります。また、Slack のワークスペースに Bonusly や Disco を連携させて、特典を与えることもできます。努力を惜しまずに取り組んだ従業員を称えることで、全員がベストを尽くすよう促せます。
企業文化は、役員会で交わされる単なるバズワードにとどまらないのです。そこに投資する価値はあります。これらのツールや戦術を活用して、強力なチーム文化を築き、ビジネスで際立った成果を収めましょう。