チーム作りとは双方向で行うものです。従業員がビジネスの成長のために自身の才能や経験を活用する一方で、会社は従業員の仕事に報います。
しかし、それだけではありません。成功するチーム作りは、チームメンバーを感情的、知的、そして物理的にサポートする方法にかかっています。それは思うほど難しいことではありません。シンプルなことで良い職場環境を育み、従業員に自分は組織の大切な一員であると実感してもらうことができるのです。
1.研修と教育を優先する
生産性の高いチームや良い職場環境を作りたいなら、「一か八かやらせてみる」という考え方ではうまくいかないことに多くの企業が気づいています。
BambooHR の調査では、新入社員の 17% が最初の数か月で仕事をやめる主な理由として、効果の感じられない研修を挙げています。そのため、オンライン靴小売業の Zappos では、新入社員に企業の価値と文化を教える 5 週間のコースを設けています。
もちろん、すべての組織が 5 週間もの研修期間を設定できる訳ではありません。しかし、従業員が入社してから少なくとも最初の 2 週間については、十分な計画を立てるべきです。可能であれば、入社当初の落ち着かない期間を切り抜けることができるよう、次の時間をスケジュールに組み込みましょう。
- 同僚のシャドーイング
- 会議への同席
- 重要なファイルやプロセスに関する書類の所在を把握し、目を通す
また、従業員は職場の安全や行動規範について指導を受け、組織が全体としてどう機能するかを理解する必要があります。
2.快適で居心地の良い職場環境を作る
職場は、従業員に最高の仕事をしてもらえるような場所でなければなりません。しかし、カナダ人間工学協会会長の Judy Village 氏は、物理的な快適さだけでなく、「仕事を従業員の認知的および心理的特徴に合わせて設計することも重要である」と説明しています。
高さが調節可能なスタンディングデスクやちょうどいい位置に配置されたパソコンの画面は、従業員の身体の負担を軽減するだけでなく、精神面での健康にも影響し、集中力を高めることにつながります。
集中できないオフィスでは、最高の仕事ができません。人間工学的観点に基づく家具から、温度調整された室内まで、すべてを備えた快適で生産的な空間の創造を検討しましょう。
3.定期的に進捗確認する
仕事に対して前向きな人ほどよい仕事をします。これは特に意外ではないでしょう。
チームのために良い職場環境を作ることは、一般に考えられているほど難しいことではありません。実際、最近の Ernst & Young の調査によると、アメリカの従業員の 39% が、職場で最も楽しいと感じる時として、定期的な進捗確認を挙げています。
従業員のデスク脇で立ち止まって意見を聞いたり、リモート勤務の従業員にはちょっとした気楽なメッセージを送ったり。さらに、フォローアップは配慮や関心を示すことができます。こうした小さな行動が、従業員の勤務地に関係なく組織全体の生産性向上において、驚くべき効果をもたらすのです。
4.コラボレーションとコミュニケーションを促進する
リーダーは、新入社員が疎外感を抱かないように配慮しなければいけません。
もちろん、チームの雰囲気をよくするために、常にその場にいられるわけではありません。そのため、効率的で効果的なコミュケーションを取ることは不可欠です。そんなコミュニケーションには、次のような方法があります。
- プロジェクト専用のチャンネルを使う
- 同僚を適切なメーリングリストに含める
- チームの優先事項を、ホワイトボードや Google ドキュメントなど全員が参照できるパブリックスペースで共有する
シンプルで、わかりやすく、率直なコミュニケーションはチームの基盤となります。それは、グループの成功に貢献するというコミュニティ意識にもつながります。また、マネージャーが身近にいなくても、新入社員がサポートされている感覚を持つことができるでしょう。
5.揺るぎない職場文化を作る
McKinsey & Company によると、明確に定義された揺るぎないアイデンティティを持つ企業は、株主に 60 ~ 200% も高い利益をもたらすことがわかっています。なぜなら、従業員全員が会社の主な目標を把握し、理解しているからです。
Zappos の CEO である Tony Hsieh 氏も、そのことを認めています。同社は、実際に職場文化を学ぶツアーを実施する社風で有名になりました。Hsieh 氏は、「個人の価値観はその人を定義し、会社の価値観は究極的には会社の特徴やブランドを定義する」と語っています。
しかし、こうした価値観が実際にどのようなものであるかは重要でないとも明言しています。Hsieh 氏は「大事なのは従業員がいること、そして組織を従業員に合わせること」であり、「組織の力は価値観によって生まれるのではなく、同じ価値観を目指すことで生まれる」と説明しています。
価値観や優先順位は、会社によって異なります。大切なのは、従業員を 1 つにまとめる、明確な方向性を定める文化を作ることです。
6.学習の機会を提供する
チームを成功に導くときには、短期間で生産性を高めることに目が向きがちです。
しかし、職場における学習や体験も同じくらい重要です。会社が専門スキルの開発を優先させる真の学習組織となれば、従業員は成功し、業績は向上します。
非公式の学習やナレッジ共有の機会を提供することも、特に新入社員には大事です。従業員が業務を行うために必要な情報に確実にアクセスできるようにすることで、会社は数百万ドルもの生産性の損失を避けられるでしょう。
良い職場環境は、協調的な基盤から
高い成果を出すチームを作れるかどうかは、皆さんが生み出すチームの雰囲気や物理的環境、人間関係にかかっています。
ただ仕事をしてもらうだけでは、最高の人材をつなぎとめておくことはできません。簡単には見つからないもの、つまり良い職場環境とやりがいのある仕事を提供する必要があるのです。