9 月 17 日に虎ノ門ヒルズで開催された「Frontiers Tour Tokyo」。「Frontiers」とは様々な業界のリーダーが、 Slack のパートナーやユーザー企業とともに学び、考え、新しい働き方の実践を加速していくための場です。初めての東京開催となった今回は、実に 1000 名以上からお申込みをいただき、 600 名を超えるゲストをお迎えすることができました!
今回の記事では、そんな「Frontiers Tour Tokyo」で紹介した新機能を振り返り、Slack 経営チームからのビジョンやミッションに関するメッセージ、さらには国内ユーザーの Slack 活用例をお伝えします。残念ながら参加できなかった方はもちろん、参加された方も改めてどんなイベントだったのか、一緒に振り返っていきましょう!
CEO からのメッセージ : Slack で実現する新しい働き方
「日本語版の提供開始は約 2 年前の 2017 年 11 月。それから約 6 カ月で、日本はアメリカ以外では最も大きく一番大切なマーケットになりました」。Slack CEO 兼共同創業者のスチュワート・バターフィールドは「Frontiers Tour Tokyo」でこう語り出しました。
「『令和』という新しい時代の名前は、まさに Slack が日本のお客様に提供したい価値を表しています。チーム内でのアラインメント(連携)を強化することができれば、チーム内での透明性や結束が高まり、変化にすばやく対応できるようになります。連携の取れたチームは『美しい和を実現したチーム』だと言えるでしょう」。
Slackは日本で毎日 50 万人以上のユーザーに使われており、「働き方改革」を推進するツールとしても注目されています。「ビジネスの透明性を高め、メンバーがもっと一緒に働きやすく、連携しやすくする。そうすることでチームの生産性を高め、よりよいワークライフバランスを実現し、メンバーをハッピーにする。だから私たちは Slack を作ったのです」とスチュワートは語ります。
様々な分野で Slack はメールに代わる欠かせないツールとなりつつあります。メールは「個人」同士でやり取りされるものであり、チーム全体の流れや動きまで把握できません。これではチームに新しいメンバーが参加したときのキャッチアップも大変です。
Slack のチャンネルでは誰もがいつでも、状況を知ることができます。メンバーは自分のタスクが全体のなかで持つ意味を理解し、それに合わせて行動することができます。全体が見えないと、仕事の意味が理解できずにエンゲージメント低下につながりますが、チャンネルベースのコミュニケーションではそんなことは起こりません。これはとても大切なことだとスチュワートは強調します。
「だから私は CEO として、より大きなレベルでの『全体』、つまりビジョンやミッションを語り、目標を共有することに徹するのです。メンバーに進捗報告を求めたことは一度だってありません。すべてチャンネルで見えているから報告会議も報告資料も必要ないのです」。
これはこれまでの働き方、そしてチームや組織内での連携方法を変えるものです。「受信トレイ」から「チャンネル」へ。「個人重視型」から「チーム重視型」へ。これは大きな変革です。
さらに、Slack は様々なソフトウェアをチャンネルに集約することで、単体で使うよりも生産性を高めます。「まったく新しい働き方を定着させることは決して簡単ではありませんが、やる価値があると信じています」。スピーチの締めくくりにスチュワートはこう決意を共有しました。
Slack のミッション実現を加速する新機能
「みなさんのビジネスライフをよりシンプルに、より快適に、より有意義に」。これは Slack のミッションです。「Frontiers Tour Tokyo」ではこのミッション実現を加速する、4 つの新しい機能が紹介されました。
IDR(International Data Residency)
Slack ではこれまでも、EKM(エンタープライズキーマネジメント)や eDiscovery とデータ損失防止のための API を提供するなど、世界中のお客様が各業界や地域・国に固有の要件に準拠しながら Slack を活用できるように努めています。例えば金融や政府機関などのように独自のセキュリティ要件がある場合でも、セキュリティ機能をカスタマイズして使っていただくことができます。
さらにこの冬、Slack はデータレジデンシー機能をリリースすることを発表しました。これにより、Slack を活用するチームがデータの保存場所をコントロールしやすくなり、さらにオーガナイゼーションの Slack データの保存リージョンが選べるようになります。日本では 2020 年の初めに使えるようになる予定です!
共有チャンネル
チャンネルが社内だけでなく、社外の方とのコミュニケーションにも活用できるようになるこの機能。これまでベータ版での提供だったものが、遂にすべての有料プラン利用ユーザーの皆さまにご利用いただけるようになったことを、Frontiers Tour Tokyo にて発表しました!実際にこの機能は「Frontiers Tour Tokyo」の準備でも大いに活用し、参加者登録からケータリングまですべてのプロセスで、複数の国にまたがる企業と共有チャンネル上でやり取りを行いました。共有チャンネルはすでに世界で 2 万社以上のユーザー企業に活用されています。
ワークフロービルダー
組織には様々な定型タスクがあり、そこに多くの時間が費やされています。ワークフロービルダーは、備品のリクエストや、社内での人材探し、あるいは会議室の予約といったタスクを自動化するビジュアルツールで、それらにかける時間を最小限に抑えます。構築も簡単で、テンプレートも用意されているので、誰もが簡単に日々の業務の効率化を実現できるのです。この機能はまもなく展開する予定です。
メールとの連携
Slack を使っていない部署のメンバーとのやり取りをもっとスムーズにするために、メールとの連携がさらに便利になります。Microsoft Outlook と Gmail の受信トレイからファイルが添付されたメールを Slack に転送することができるアドオン機能や、まだ Slack ユーザーではないメンバーとのやりとりを Slack から直接行うことを可能にするブリッジ機能なども徐々に展開中です。これにより、Slack を使っていない相手ともシームレスなコミュニケーションができるようになります。
日本国内での Slack 活用事例
「Frontiers Tour Tokyo」では、Slack のユーザーのなかでも特に参考になる使い方をしている企業・団体に登壇いただきました。ここでは共有されたその活用方法をご紹介します。
東京大学運動会アメリカンフットボール部
2000 名近い関係者を抱える東大アメフト部。この巨大組織運営の中心にあるのが Slack です。目的別にチャンネルを作り、会話をオープンにしたことで関係者が全体感をつかみやすくなったほか、Google sheet での出欠管理や栄養管理アプリ、またサプリメントが買える E コマースサイトと連携することで、定型タスクにかかる時間を削減。限られた時間をよりクリエイティブな内容に使えるようになりました。デジタルネイティブである部員たちはどんどん自然に Slack の使い方を広げていっているそうです。
日本経済新聞社
今やメディアテック企業である日経新聞社。もともとエンジニアチームで Slack を使い始めたのが、今では編集チームなどにも広がっています。例えば海外のイベントで発表されたニュースはライブ感とスピードが勝負ですが、編集チームはSlack から直接原稿を投稿し、さらに絵文字でタグを追加したり見出しを作れるようにしたりするなどどんどんカスタマイズされています。さらに Bot を使ってチャンネルのキーワードに関連する記事を集め、それを別チームに共有できるようにするなどSlack 活用が止まりません。
MONET Technologies
多くの自動車メーカーやシステム会社が 1 つのチームとなって、自動運転を様々なサービスに活用するプロジェクトを進める MONET Technologies では Slack をコミュニケーションハブとして活用しています。会社の立ち上げから短期間 100 名を超えるメンバーが参加したのですが、各社のカルチャーや拠点が異なるため、まずはコミュニケーションの方法を整える必要がありました。Slack の導入や共有チャンネルの活用は、そうしたメンバー間のやり取りをスムーズにしただけでなく、システム監視機能を Slack に接続することで、リアルタイムでアラート検知を可能にするなど、システム運用の効率化にも活用されています。
終わりに
ほかにも「Frontiers Tour Tokyo」では、コラボレーションに関して得た教訓、健全な企業文化を育む方法、ユーザー企業が組織構造や階層の改善に Slack を活用している方法など、働き方改革のヒントをもたらすセッションが多数展開されました。さらにスペシャルゲストをお迎えしての、組織を成功に導くコーポレートカルチャーの醸成についての対談も大いに盛り上がりました。これらの内容は順次ご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!
本内容は情報提供のみを目的としたものであり、拘束力のある文書ではありません。どんな製品または機能のデプロイ、リリースおよびタイミングも Slack の単独の裁量によるものであり、変更される可能性があるため、購入の決定に際して本内容に依存することはしないでください。