企業によって業務の運営方法が違うため、Digital HQ もそれに合わせてアレンジしていく必要があります。実際に Target、Nutanix など、数多くのユーザー企業の皆さまがカスタムアプリを作成し、リクエストの承認から問題のトリアージまで、各社独自のプロセスの改善を図っています。
ただ、カスタムアプリを開発するための時間やリソースが十分にない場合もあるでしょう。そのような場合に役立つのが、アクセラレーターアプリプログラムです。Slack の技術エキスパートのサポートを受けながら、確かな実績と信頼のあるカスタムアプリを導入できる方法です。この記事では、Slack のエキスパートと連携して Slack を最大限に活用するための 11 の方法を紹介します。
はじめる準備はできましたか?
1. リクエストボット : Slack の管理タスクを効率化
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Slack の管理者にとって、日々のタスクはたちまち複雑なものになりがちです。ワークスペースの新規作成やゲストへのアクセス付与など、わずか数クリックで完了するようなワークフローも、定期的に繰り返されれば、かかる時間も無視できなくなるでしょう。
リクエストボットを使えば、ユーザーがサポートをリクエストする方法や、Slack 管理者がリクエストを追跡、管理、解決する方法がシンプルになり、管理ワークフローをすっきりと整理できます。チャンネルの更新、メンバーの招待、Slackbot のレスポンスなどが自動化され、反復的な管理タスクを削減できます。管理者による作業が必要なリクエストはチャンネルに転送されるため、その場ですばやく確認して数回のクリックで解決できます。
リクエストへの対応を効率化することで、Slack 管理者に次のようなメリットがあります。
- しっかりとした管理体制を保ちながら、Slack の管理を大規模に行えるようになる
- リクエストをスムーズに優先順位付けして解決するためのシステムを確立できる
- 定型的なタスクを自動化し、より複雑な問題に集中できる
2.代理ボット : 社内通知を効率化
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全社通知は、社内で認識を共有したり、透明性を高めたりすることに役立つ方法です。全社通知を行うには、メッセージや配信リストの作成、エンゲージメントの測定といったさまざまな作業が必要になります。ただ、忙しい幹部はこれらに対応する時間が十分にとれない場合があるでしょう。
代理ボットを使えば、幹部らの代わりに、秘書や社内広報チームが簡単に Slack のメッセージを投稿したりスケジュールを設定したりできるようになります。通知は Slack チャンネルごとに配信されるため、複雑なメール配信リストをまとめる必要はありません。リアクションの確認、エンゲージメントの測定、検索可能な通知アーカイブの作成も簡単です。
社内通知を自動化することで、秘書や社内広報チームに次のようなメリットがあります。
- 幹部に代わってメッセージを投稿できるため、連絡や調整などの時間を節約できる
- 専用の社内通知チャンネルにメッセージを投稿することで、効率的に従業員のエンゲージメントを高められる
3. サクセスボット : 顧客との大規模なコミュニケーションを実現
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営業チームやカスタマーサクセスチームにとって、さまざまな最新情報を顧客に伝えるのも重要な仕事のひとつです。例えば、顧客との信頼関係を深めるために、製品のベストプラクティス、今後のリリースのお知らせ、関連するマーケティングリソースなどを提供することがあるでしょう。このような情報を計画的に配信するには、かなりの時間と労力がかかります。何百もの顧客に対応する必要がある場合はなおさらです。
サクセスボットを使えば、何百もの Slack コネクトチャンネルに一度にメッセージを送信でき、Slack を使った顧客とのコミュニケーションを大規模化できます。これにより、Slack を顧客とのコミュニケーションの中心に据えることができます。また、自社の CRM と連携すれば、セグメント化した顧客ごとにメッセージを配信でき、長期的なエンゲージメントも追跡できます。
顧客へのメッセージ送信を自動化することで、営業チームやサクセスチームに次のようなメリットがあります。
- 顧客とのコミュニケーションを計画してメッセージを送信するまでの時間を短縮できる
- 最新情報をコンスタントに配信して、コミュニケーションを活性化し、顧客のエンゲージメントを促進できる
- 同じメッセージを多くの顧客に配信できることで、洗練された、一貫性のあるメッセージを届けられる
4. データシールドボット : Slack で共有される機密データを保護
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機密性の高い情報やデータを扱いながら、スピーディーに効果的なコミュニケーションを行うのは容易ではありません。セキュリティポリシーを厳しくすると、作業のスピードを上げるために無許可のツールが使われてしまう懸念もあります。
データシールドボットを使うと、ユーザーはシンプルかつ安全な方法で、保護されたメッセージを Slack に投稿できます。保護されたメッセージを表示できるのは、指定されたユーザーと管理者だけです。メッセージは、設定された期限が過ぎると自動的に無効になります。
Slack で機密データを安全に共有できるようになることで、セキュリティチームに次のようなメリットがあります。
- インシデント発生などの緊急時にも、チームが迅速かつ安全に作業できるようになる
- セキュリティフィルターとメッセージの有効期限を設定することで、機密データ漏洩の可能性を低減できる
- 無許可ツールの使用を制限することで、共有されたデータの可視性を維持できる
5. トリアージボット : 問題をすばやく解決
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チームは、リクエストの種類に応じて、SLA 時間が異なる複数のサポートフローを管理する必要があることがよくあります。そのような場合、どのリクエストが SLA 違反に達しつつあり、早急な対応が必要なのかを把握できないことがほとんどです。
トリアージボットを使えば、複数チームの壁を超えてサポートフローを一元化・標準化できるため、全員の方向性を揃えて SLA を確実に達成できます。
トリアージフローを合理化することで、顧客サポートチームに次のようなメリットがあります。
- 繰り返される管理タスクを自動化することで、サポート担当者の生産性が高まる
- SLA 違反件数を抑制できる
- チャンネルを、解決済みの問題を検索できるアーカイブとして活用することで、同じようなリクエストが繰り返されるのを避けられる
6. プログラム・イベント用ボット : 従業員間のつながりを築く
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リモートワークやハイブリッドワークが広がる環境では、新入社員もベテラン社員も、同僚とのつながりが薄れていると感じているのではないでしょうか。つながりを構築する手段として、社内や部内のイベントが効果的です。ただ、参加状況の確認や人数の把握など、イベントの管理には時間と手間がかかります。
プログラム・イベント用ボットは、イベント開催に伴う、当て推量に頼った作業を削減。ダイバーシティやインクルージョン向上の取り組み、バーチャル会議、社内研修など、オンラインや対面でメンバーのつながりを構築する、継続的な交流プログラムの実施をサポートします。
このボットを使えば、プログラムを手動で調整する必要がなくなります。小規模なグループでやり取りしやすいプライベートチャンネルが自動的に設定され、Slack でのイベント参加申し込みが簡単になります。毎日のディスカッションへの参加を促す通知もスケジュールできます。プログラムに参加するとポイントを獲得できる報酬システムも用意されており、ゲーム的な要素で、長期的に従業員の積極的な参加をあと押しできます。
社内のプログラムやイベントの連絡調整を自動化することで、従業員に次のようなメリットがあります。
- 従業員にとってのメリット : 従業員の積極的な参加が促され、コミュニティ意識や帰属意識が醸成される
- 企業にとってのメリット : 社内イベントの運営に必要な時間と労力を節約できる
- プログラムのエンゲージメントを分析して、今後のプログラムの最適化に役立てられる
7. ソーシャルメディアボット : ソーシャルメディアの管理を一元化
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効果的なデジタルメディア戦略には、あらゆるソーシャルプラットフォームで情報をタイムリーに発信する能力が求められます。例えば、更新情報、お知らせ、マーケティングプロモーションに関するメッセージの発信などです。その際、マーケティング・ブランド担当チームは社内の各部署と連携して、コンテンツのドラフト作成、レビュー、変更、最終決定といった時間のかかるステップを踏まなければなりません。
ソーシャルメディアボットは、ソーシャルメディアサービスと連携して、このプロセスをスピードアップ。Slack 内から Twitter などのプラットフォームに即座にメッセージを投稿できるようになります。
作業を Slack 内で一元化し、通知も自動化することで、担当チームに次のようなメリットがあります。
- 「ドラフトがレビュー可能になった」などステータスが更新された際に即座に通知が届く。
- レビュー担当者が使い慣れない外部のソーシャルメディアサービスに都度ログインする必要がなくなり、プロセスがスムーズになる。
- 投稿プロセスが記録されるため、完全な透明性を確保できる。
8. コースボット : 教育への取り組みをサポート
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教育関係者は、コースを運営する際に必要となる作業を、もっと簡単に管理したいと思っているでしょう。ただ、デジタルコースワーク管理ソリューションを導入する際には、重要事項として、LTI®(Learning Tools Interoperability)への準拠について考えなければなりません。LTI とは、IMS グローバルラーニングコンソーシアムが策定した、学生のプライバシーとデータセキュリティを保護するための基準です。
Slack のコースボットは LTI に準拠しており、canvas や Blackboard といった学習管理システム(LMS)と連携できます。コースボットを使うことで、システム管理者や教育関係者に次のようなメリットがあります。
- コースの事前設定からアーカイブまで、さまざまなアクションを簡素化・自動化できる。
- 学生データのセキュリティに関するベストプラクティスに沿った運用を行える。
- 学習管理システムからの自動通知(成績通知など)により、学生の積極的な取り組みが促される。
- ワークスペースやチャンネルを通じて学生と講師がつながることで、学びやコミュニティの形成が促進される。
9. SMS ボット : Slack を通じたスマートフォンとのテキスト送受信を支援
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営業メンバー、顧客サポート担当者、店舗マネージャー、リクルーターなど、多くのビジネスパーソンが、スマートフォンのテキストメッセージを使って社外の人とコミュニケーションしています。ただ、その際のスマホ操作のわずらわしさや、メッセージを送るためにデバイスを切り替える手間を、誰もが経験していることでしょう。
そこに Slack の SMS ボットが、エレガントでシンプルなソリューションを提供します。このボットを使えば、Slack の画面からモバイルデバイスとテキストメッセージを送受信できるようになり、やり取りをスピードアップできます。Slack 内のデータを見ながらメッセージを送れるなど、コラボレーションがスムーズになります。Twilio API を使った仕組みにより、個別の Slack チャンネルが作成され、そこでテキストメッセージでの会話を行えます。Slack の SMS ボットでスマートフォンとメッセージを送受信することで、次のようなメリットがあります。
- 連絡先ごとのプライベートチャンネルが自動で作成される
- テキストコミュニケーションへの参加の招待が自動で行われる
- 会話を非公開に保ったまま、チームメンバーと Slack で連携できる
- 会話の記録をすべて 1 か所で取得できる
10. サービスボット : Slack 内で ServiceNow のインスタンスを管理
ServiceNow と Slack の間でシステムを切り替えていると、情報の検索・更新やアプリ間での最新情報の確認といった作業に時間がかかってしまいます。
カスタマイズ可能な Slack のサービスボットを使えば、Slack 内で ServiceNow のアイテムを作成、表示、更新したり、通知を受け取ったりできるようになります。ServiceNow の通知を Slack で直接受け取って対応できるため、応答時間が短縮され、IT チームとサービスチームの生産性と効率性が高まります。
11. AWS 通知ボット
開発担当者は、AWS 環境で発生した問題をできるだけ早く特定したいでしょう。このボットは AWS 通知マネージャーとして、AWS で特定のイベントが発生すると Slack にアラートを送信します。例えば、ヘルスチェックの失敗、ビルドの失敗、デプロイのステータスなどのイベントに対応でき、コンソールのリンクやエラーログなどの情報も得られます。Slack の AWS 通知ボットを使うと、次のようなメリットがあります。
- 開発者がエラーをすばやく特定して、すぐに対応できるようになる
- Slack チャンネルを通じて、適切な開発者や関係者に通知を届けられる
- 設定オプションを使って、優先順位をカスタマイズした通知を設定できる
- スレッド機能を使うことで、過度なアラートによって集中力を乱される事態を防げる
12.リレーボット : メッセージの一括配信を自動化
手動でメッセージをコピー&ペーストしてさまざまな Slack チャンネルに配信するのは手間のかかる作業です。リレーボットを使えば、同じメッセージを複数のチャンネルに同時に送信できるため、時間を節約することができます。
サクセスボットは、マーケティング関連のメッセージを Slack チャンネルに送信する作業を自動化するのに最適です。一方、リレーボットは、チャンネルへの投稿や DM の送信を代わりに行ってくれるもので、ニーズに合わせてカスタマイズされたアウトバウンドメッセージ体験が得られます。リレーボットでは、チャンネルにあらかじめインストールされていなくても、配信リストを利用することができます。
13.インシデントボット : 重大インシデントの調整と管理を強化
ネットワーク障害やサーバーのクラッシュなど、迅速な対応が必要なインシデントをチームで調整・管理する必要が生じることがあります。このような場合は、適切なエキスパートを速やかに集めることが重要です。
インシデントボットは自動的にアラートを送信して担当者、特定分野に詳しいメンバー、インシデントの影響を受ける関係者をつなげてくれるため、解決までの時間を短縮することができます。 インシデントボットを利用することで、次のようなメリットがあります。
- 発生した問題に対応するユーザーグループや製品スペシャリストを特定できる。
- 問題レポートを送信して管理者に確認してもらい、解決プロセスを開始できる。
- 複数のグループやワークスペースでレポートを共有することができる。
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