新型コロナウイルスによって世界の活動が停止してから 2 年近くが経ちましたが、オフィスの再開状況にはまだばらつきがあります。対面に完全に戻っている組織もありますし、ほとんどの業務をリモートで行っている組織もまだあります。しかし、雇用主はその中間となるハイブリッド型勤務モデルを選ぶことが増えてきています。2021 年の Statista の調査によると、企業リーダーの 66% がハイブリッドな職場環境の実現に向けてオフィススペースを再設計しています。
ハイブリッドオフィスのざっくりとした定義には、従業員が時々出社し、それ以外の時間はリモート勤務をするという状況が含まれます。経営陣がスケジュールを決めて、指定の日に特定のチームを集めたり、特別なイベントに合わせて従業員に出社してもらったりすることもあります。どのくらいの頻度で出社するか、あるいは完全リモートにとどまるかどうかを、従業員が決められる場合もあります。
ハイブリッドな職場がどのようなものでも、はっきりしていることが 1 つあります。それは対面ミーティングでも、リアルタイムのビデオ会議でも、スケジュール設定が一筋縄ではいかないということです。幸いにも、非同期型のビデオミーティングでその問題を解消できます。
非同期型のビデオ会議とは?
非同期型コミュニケーションとは、リアルタイムで行わない、メールやテキストメッセージなどを使ったやり取りのことです。ある人が作成して送ったコミュニケーションを、受け手が別のタイミングで読んで返信します。非同期型のビデオミーティングもこれと同じです。ただ、形式がビデオなのです。状況によっては、受け手はビデオを使って返信します。返信しなくてよいときもありますし、簡単なメッセージで返信することもできます。
非同期型のビデオミーティングがハイブリッドな職場の未来である理由
「必要は発明のもと」と言われます。2019 年、世界の活動が停止したとき、雇用主の多くが何の準備もできていませんでした。当初は、大半がリアルタイムのビデオミーティングなどでオフィスの環境をそのまま再現しようとしましたが、リモートワーカーを同じタイミングで集めていては、時間を効率的に使えないことがすぐにわかりました。画面がフリーズする、参加者の接続が途中で切れる、といった状況が発生したのです。
私たちは学習しながら、これに対応していき、最終的に 1 つの優れた策を生み出しました。Canva の最近の調査では、ナレッジワーカー全体の約半数が、過去 18 か月の間に非同期型のビデオを作成したことがあると回答しています。ハイブリッドな職場はあっという間に新しい現実となり、その数は今後も増えていくことが予想されます。
よく引き合いに出される「コミュニケーションの 93% は非言語によるもの」という数字は厳密には正確でないかもしれません。それでも、専門家たちはメッセージを十分に理解するにはボディランゲージとそのトーンが非常に重要であると認めています。テキストによる非同期型のコミュニケーションだけでは、メッセージが途中で変わってしまう伝言ゲームになりかねません。しかし、言うまでもありませんが、リアルタイムのビデオミーティングにも限界はあります。
ハイブリッドな職場において、こうした問題の多くは非同期型のビデオで解決できます。そのメリットは以下のとおりです。
- 効率 : ほとんどの非同期型のビデオでは、話し手が 1 人か 2 人しかいません。そのため素早く録画して、メール、テキスト、Slack などのコラボレーションプラットフォームを使って送信できます。
- 録画 : リアルタイムでリモート参加する人がいても、ビデオを録画しておけば、その場にいなかった人にもビデオを共有することができます。また、全員があとから参照できるように保存して配布することもできます。
- インテグレーション : 非同期型のビデオは一般的に短く、ほかのツールやワークフローと簡単に連携できます。例えば、プロジェクトガイドラインのドキュメント一式を、解説ビデオと一緒に送信することができます。
- セキュリティ : ほとんどのビデオ録画プラットフォームには、セキュリティツールが組み込まれています。たいていの場合、許可された人だけがビデオを閲覧できるようパスワードを設定して保護することもできます。
インクルージョンとエンゲージメント : ハイブリッドな職場では、リモートワーカーが取り残されているように感じることがあります。非同期型のビデオミーティングでは、チームの一員であることを実感でき、自分の都合に合わせて参加することができます。さらに、メールやテキストよりも親しみが湧き魅力的に感じやすいものです。
一歩先を行くには
非同期型のビデオミーティングは、包括的なコミュニケーションプランに組み込むことで最も効果を発揮します。Slack のようなコラボレーションツールでは、ビデオメッセージをプラットフォームに直接取り込むことができます。複数のアプリを切り替える必要はありません。チャンネルを使えば、必要な人だけにメッセージを直接送信できるほか、メールや会話スレッドなど、ほかのコミュニケーションツールをシームレスに取り入れることができます。
ハイブリッドな職場はもう浸透しています。非同期型のビデオミーティングを活用すれば、リアルタイムのビデオミーティングの非効率性を排除しつつ重要なボディランゲージや外的なシグナルを取り入れることができるため、社内コミュニケーションがレベルアップします。