営業生産性を高めるには?メリットや向上のポイントを解説
生産性

営業生産性を高めるには?メリットや向上のポイントを解説

営業生産性の向上を考えるなら、限られたリソースで高い成果を上げる必要があります。営業生産性が低下する原因や向上させるためのポイントを解説します。

Slack チーム一同作成2023年11月16日

「営業生産性」を考えるうえで、日本における少子高齢化と労働力人口の減少は、さまざまな業種・職種に影響を及ぼしつつあります。特に営業部門では、限られたリソースで可能な限り高い成果を上げる必要があるため、多くの企業にとって課題となっていくでしょう。

今回は、営業生産性が低下する原因や向上させるメリット、改善するためのポイントを解説します。営業生産性を高めるうえで有効なツールにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

営業生産性とは?

営業生産性とは、営業活動に費やした時間や費用に対して、どれだけの成果を上げられたのかをあらわす指標のことです。より少ない時間・費用で優れた成果を出していれば、営業生産性が高い状態と言えます。営業生産性の計算方法は次の通りです。

営業生産性がなぜ大切なのかと言えば、売上が向上して企業の業績が良くても、インプットに相当する労働時間や営業費が増えていれば、粗利は減少する可能性があるからです。いくら売上が向上しても、粗利が減ったのであれば企業として収入は減ります。そのため、営業生産性を用い営業活動の効率を検証することは、企業活動において重要なポイントなのです。

営業生産性の低下を引き起こす原因

営業生産性が低下している場合、いくつかの原因が考えられます。次に挙げる6点に当てはまるようであれば営業生産性が低下しかねませんので、注意が必要です。

目標数値に裏付けがない・希薄である

営業生産性の低下を引き起こす原因のひとつが、売上などの目標数値に裏付けがなかったり、希薄だったりすることです。自社のリソースや市場の動向を十分に考慮することなく売上目標を立ててしまうと、現場の実態に即していない机上の空論になってしまうおそれがあります。裏付けがない、あるいは目標数値が希薄な場合は「達成できなくても仕方がない」という認識につながりやすく、営業担当者のモチベーション低下を招くことでしょう。また、目標が曖昧だと目標達成に向けた営業プロセスも不明瞭になるため、さらに生産性を下げる原因にもなります。

無目的な会議・打ち合わせが多い

本来、営業活動に費やすべき貴重な時間が無目的な会議や打ち合わせのために浪費されてしまえば、営業生産性を低下させる直接的な原因となります。各担当者から報告を聞くだけの会議や、事前準備を行わないまま設定される打ち合わせは、費やす時間に対して得られる成果がほとんどありません。

書類作成などに時間をかけすぎている

営業生産性の低下を引き起こす原因として、書類作成などに時間をかけすぎているケースもあります。見積書や契約書、各種報告書などの書類作成は、売上に直接つながる業務とは言えません。このような周辺業務に忙殺されていると、営業業務に集中しづらくなりがちです。また、書類作成以外にも、データ入力や社内メールのやりとりに時間を割かれることは、営業生産性の低下を引き起こす原因のひとつとなります。

営業活動の効率が悪い

営業生産性の低下を引き起こす原因には、営業活動における効率の悪さも影響します。営業活動の進捗管理や行動管理が不十分だと、活動内容は担当者任せとなります。結果として業務の属人化を招きやすくなり、営業活動の成功例や失敗例を共有できなくなるでしょう。成約に至った経験や失注した理由などが組織全体の財産とならなければ、営業活動の効率は悪くなり、成果も安定しません。

マネジメントスキルや管理能力が低い

上長のマネジメントスキルや管理能力が低いことも、営業生産性に大きく影響します。適切なタイミングで部下とコミュニケーションを図り、適宜フォローしていくことで各担当者の成約率が向上していくからです。また、マネジメントが機能していないと適切な人材配置を行うことも困難になります。結果的に各担当者が能力を十分に発揮できず、営業部門全体の生産性を低下させてしまうのです。

勤務体制が整備されていない

営業生産性の低下を引き起こす原因に、勤務体制が整備されていないことも挙げられるでしょう。企業によっては、外勤が基本となる営業部門に関して「事業場外みなし労働制」を採用しているケースもあります。事業場外みなし労働制では原則として固定給となるため、過度な残業の原因になりがちです。また、営業担当者が「遅い時刻まで残業している=努力している」と認識し始め、残業を前提とした勤務体制が常態化する可能性もあります。
労働時間に対して十分な成果を上げられなければ、営業生産性は低下しますので、営業部門の勤務体制が整備されているかを見直しておく必要があります。

営業生産性を向上させるメリット

営業生産性を向上させることによって、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。特に重要度の高い3つのメリットについて解説します。

残業時間の削減

より少ない労働時間で十分な成果を上げられるようになれば、必然的に残業時間を削減できます。残業手当の支給額を抑制できるだけでなく、営業担当者のワークライフバランスの改善にもつながるでしょう。

心身をリフレッシュしやすくなることは、業務の質を向上させたり、人的ミスを抑制したりすることにも寄与します。オンオフのメリハリをつけられる勤務体制を整えることで、コストに直接影響しない部分でも多くのメリットを得られるのです。

営業利益の増加

限られた人員と時間で高い成果を上げられるようになれば、営業利益の増加も期待できます。営業生産性が向上することにより、営業担当者の増員や労働時間の増加に頼らない利益確保が可能になるからです。

離職率の低下

離職率が低下することも、営業生産性を向上させるメリットのひとつです。長時間労働が解消され、自身の仕事が成果につながっていると実感できれば、仕事へのやりがいを感じモチベーションが高まる営業担当者が増えていきます。このような従業員エンゲージメントの向上は、離職率の低下に大きく寄与するでしょう。営業担当者の欠員補充や人材育成に投じる時間・コストの削減にもつながるため、中長期的な視点でとらえた場合にも多くのメリットが得られます。

営業生産性向上のポイント

営業生産性を向上させるには、具体的にどのような取り組みが必要になるのでしょうか。営業生産性を高めるためのポイントを見ていきましょう。

業務の標準化と営業戦略の見直し

営業活動の進め方やノウハウが担当者任せになっていると、業務の属人化を招きやすくなります。営業プロセスを可視化し、必要に応じてマニュアルを作成するなど標準化を図ることが大切です。

見積作成など、業務の中にはツールの活用によって自動化が可能なものもあるでしょう。自動化できる業務を洗い出し、最適化することで業務効率を高めてください。

根拠のあるデータ分析とそれにもとづく売上予測の策定

過去の売上実績や現在の市場動向、営業担当者のスキル・経験などを元に、適切な売上目標を策定することも、営業生産性向上の重要なポイントです。データにもとづく売上予測は、成果を安定化させるためにも非常に重要な要素と言えます。勘や経験に頼ることなく、過去の実績や現状の進捗状況、商談の状況に応じた成約確度といったデータを元に、根拠のある売上予測を策定することが大切です。根拠とともに売上予測を提示することで営業担当者の納得度が高まります。

適切な目標に応じたマイルストーンの設定

目標達成までに必要なマイルストーンを設定し、達成状況の進捗管理をすることも生産性向上のポイントです。適切な売上目標を策定することで、各担当者が達成すべき目標が明確になります。目指すべきゴールと現状の成果を各担当者が把握できるようにし、着実に目標を達成していく仕組みを整えれば、進捗に遅れが生じた際には早期に対策を講じやすいでしょう。

研修・教育体制の整備

営業担当者のスキルアップを図ることも重要です。研修や教育体制を整備し、各自の成長フェーズに合った教育機会を得られるようにしましょう。社内で実施するだけでなく、外部の機関やセミナーを活用する方法もあります。各担当者のスキルが向上することでパフォーマンスが改善され、結果として部門全体の生産性が底上げされていくはずです。

IT ツールの導入・活用

営業生産性の向上に役立つ IT ツールを活用するのも重要なポイントです。オンライン商談ツールや MA・SFA・CRM をはじめ、営業支援ソリューションツールの導入を積極的に検討しましょう。IT ツールを活用することで、これまで移動時間や打ち合わせ、事務作業に要していた時間を削減できたり、担当者任せになっていた営業プロセスを定量的に分析しやすくなったりします。各ツールのトライアル期間を活用して、実際に操作しながら実務での利用シーンを検討していくとイメージがわきやすくなるはずです。

営業生産性の向上に役立つ Slack

営業生産性の向上に役立つツールとして、ビジネスチャットとしても人気の Slack を導入することを、おすすめします。Slack を活用して営業生産性を高められる主な理由は次の通りです。

コミュニケーションの幅を広げることができる

Slack には、さまざまなコミュニケーション方法が用意されています。1 対 1 のダイレクトメッセージだけでなく、チャンネルを活用したグループチャットやハドルミーティング、動画共有といった多彩な方法でコミュニケーションの幅を広げられます。

社内のコミュニケーションはもちろんのこと、社外の人たちを招待することも可能です。メールや電話と比べてコミュニケーションのハードルが低く、リアルタイムで連絡をしやすいため、コミュニケーションの円滑化に寄与するでしょう。情報共有や進捗管理がスムーズになることで、営業生産性の向上にもつながるはずです。

営業生産性に役立つ IT ツールと連携できる

Slack は 2,600 以上のアプリやツールと連携可能です。Sales Cloud のような営業支援ツールと連携させることにより、営業生産性の向上に役立てることができます。

例えば、営業支援ツールのデータを Slack に読み込み、最新情報をリアルタイムで CRM(顧客管理)に反映させることで、商談の予測精度を高めるといった活用方法が想定されます。各種ツールを Slack に集約すれば、より適切でスピーディな意思決定が可能になるでしょう。実際、営業部門で Slack を活用しているユーザーは、営業サイクルを平均 15 % 短縮させることに成功しています。各種 IT ツールを Slack と連携させて、より合理的・効率的な営業活動を実現してみてはいかがでしょうか。

営業生産性の向上は見えない効果もある

営業生産性の向上を図ることは、コスト削減や営業利益の増加といった顕在化した効果だけでなく、営業担当者のモチベーションアップや定着率改善といった見えない部分にも大きな効果をもたらします。営業活動が属人化しがちな傾向が見られるようなら、営業生産性を高めるための取り組みを推進してみてはいかがでしょうか。今回紹介したポイントを参考に、ぜひ営業生産性の向上を図ってください。

よくある質問

営業生産性が低下している場合、いくつかの原因が考えられます。例えば、売上など目標数値に裏付けがなかったり、希薄だったりすると、目標達成に向けた営業プロセスも不明瞭になってしまいます。無目的な会議や打ち合わせは、営業活動に費やすべき時間を浪費することになります。また、書類作成のような周辺業務に忙殺されると、本来の営業業務に集中しづらくなるでしょう。また、業活動の進捗管理や行動管理が不十分では、業務の属人化を招きやすくなり、ノウハウが組織のリソースになりません。上長のマネジメントスキルや管理能力の低さも、営業生産性に大きく影響します。勤務体制が整備されていないため、労働時間に対して十分な成果を上げられないでしょう。
営業生産性を向上させるためには、業務プロセスの可視化・マニュアル化、業務の自動化などのような、業務の標準化と営業戦略の見直しに取り組みましょう。勘や経験に頼らない目標管理を徹底するためには、根拠のあるデータ分析とそれにもとづく売上予測の策定も重要です。また、目指すべきゴールと現状の成果を把握できるように、適切な目標に応じたマイルストーンの設定も効果があります。ほかにも、研修・教育体制の整備をしたり、 IT ツールを導入・活用したりすることで、営業生産性を高めることが可能です。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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