会議の場では、発言したほうがよいとわかっていながら、何を言うべきか思いつかないケースや発言しづらいと感じるケースがあります。発言できない原因はさまざまですが、原因に応じた対策を講じていく必要があります。
今回は、会議で発言できない主な原因に加え、個人レベルでできることや、チーム単位で取り組むべきことについて解説します。積極的に発言するためのコツをつかみ、会議を有意義な場に変えていきましょう。
会議で発言できない原因
まずは会議で発言しづらいと感じる原因を突き止めましょう。ここでは、会議で発言できない状況に陥りやすい主な原因を紹介します。
発言内容を考えすぎる
会議で発言できないのは「考えすぎている」ことが原因のケースもあります。発言するにあたって「何か良いことを言わなくては」「失敗しないように伝えなくては」と意気込むと、発言内容のハードルが上がってしまうでしょう。このように、完璧な発言をしたいという心理があると、発言を妨げてしまいます。
また、自分の発言が周囲にどう聞こえるのか、どうとらえられるのかを先に考えてしまい、結果として発言するタイミングを逃しやすくなります。
緊張しやすいタイプである
緊張しやすいタイプであることも、発言できない原因のひとつです。特に大勢が集まる会議のような場では、緊張してしまう人もいます。緊張していると考えがまとまらなくなり、何を言うべきかがわからなくなってしまうのです。
話すのが苦手なタイプである
会議で発言できない原因に、人前で話すのが苦手なタイプだというケースもあります。人前で話すのが苦手なタイプの人は、会議で何を言うべきかを考える以前に、「できるだけ発言回数を減らしたい」「できることなら発言しないで済ませたい」と考えがちです。また、このタイプは積極的に発言している人を見ると、逆に「自分にはできない」と感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
会議の目的の理解不足や発言のための知識不足
会議そのものの目的や、話し合うべき議題に対する理解が不足していると発言しにくい原因になることがあります。会議の場で発言するためには、根拠となる知識や情報が欠かせません。何のために招集されている会議なのか、どのような知識が求められる話し合いなのかを事前に把握しておく必要があります。
上司が原因で発言しにくい環境になっている
会議に同席する上司の態度が威圧的だったり、部下の発言を否定してかかる傾向が見られたりすると、参加者が萎縮して発言しにくい原因になります。これは、発言しても否定されてしまうのなら、そもそも発言を控えたいと感じるからです。
発言者に偏りがある
参加者のうち特定の人だけが話し続けていたり、声が大きいタイプの人に発言が偏っていたりすると、ほかの参加者が委縮して、発言しづらくなりがちです。特に知識が豊富な人が発言するなら、ほかの参加者があえて意見を述べるまでもないと感じてしまいます。
先に意見を言われてしまう
発言しようと思っていた内容を、ほかの参加者に先に言われてしまうというパターンも、発言しにくい原因のひとつです。これは、ほかの人と重複する意見をわざわざ述べる必要はないため、結果的に発言できなくなるからです。
タイミングを見つけられない
いつどのタイミングで発言するべきかわからないケースも、発言できなくなる原因のひとつです。会議全体の話の流れがつかみにくかったり、ほかの参加者のやり取りについていくのが精一杯だったりすると、発言するべきタイミングわからなくなってしまいます。
会議で発言しないリスク
会議には毎回参加しているものの、発言しない状況が続いた場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。会議で発言しない人が周囲からどう映るのか、自分自身にどのような変化が起きるのかなどのリスクについて解説します。
評価が下がる
会議の場で発言していないと、積極性や意欲がないと疑われてしまうリスクがあります。上司や周囲のメンバーからの信頼が徐々に低下していき、結果として評価も下がりかねません。会議のために業務時間を割いている以上、発言することが仕事ととらえる人もいるため注意が必要です。
不誠実な対応に見える
会議で発言しないと、必要なコミュニケーションをとる意思がなく、不誠実な対応をする人だと見なされるリスクがあります。自分自身の考えや意見を伝えることは仕事を円滑に進めるうえで重要なポイントですから、発言しないことで「仕事に対して真剣に向き合っていない」と、とらえられてしまう場合もあるのです。
モチベーションが下がる
会議で発言できない状況が続くと、自分自身のモチベーションが下がるリスクがあります。ほかの参加者がしっかりと意見を述べていると「自分には向いていない」と、仕事に対する自信を失ってしまうこともあるでしょう。また、仕事に対するモチベーションが下がることで成果が上がらず、さらに自信を失っていくリスクもあります。
会議で発言しやすくするために自分でできる対策
会議で発言しやすい環境を整えるにあたり、自分自身が講じられる対策を紹介します。会議に臨む意識や行動を変えれば、発言できる状況をつくっていくことは十分可能でしょう。
議題に関連する内容であれば自信を持って発言する
会議内での発言は、議題とは無関係でない限り無駄な発言ではないので、自信を持って発言しましょう。取るに足らない発言のように思えたとしても、同じことを考えていた人も必ずいるはずです。会議は「正しい」発言が求められる場ではありません。議題に関連することであれば決して無駄にはならないととらえ、自信を持って発言しましょう。
レジュメをもとに発言内容をまとめておく
対策として、議題について事前に情報収集を行い、発言予定の内容をレジュメにまとめておくといいでしょう。会議の場で発言内容を考えようとすると、ほかの参加者から次々と意見が出るため考えがまとまらなくなりがちです。しかし、発言内容をまとめることで、情報収集が必要な点や自分の知識が不足している点を見つけられるため、自信を持って発言できるようになります。
発言に前置きする
自信がないなら「的外れな意見かもしれませんが」「個人的な考えですが」といった前置きをしたうえで発言しましょう。会議の参加者に完璧な発言を求めている人はいません。参加者は気になっていることや考えていることを率直に発言すればよいのです。こうした前置きをすることで、発言することへのハードルを下げ、自分自身へのプレッシャーをやわらげる効果も期待できます。
会議中にわからないことは質問する
会議中にほかの参加者から出た意見に対して質問したり、わからない点を聞いたりする方法もあります。会議での発言は必ずしも「意見」でなくても構いませんし、質問することによって参加者の理解が深まるケースもあるでしょう。何か意義のある発言をしなければいけないと肩肘を張らず、シンプルにわからないことを質問してみてはいかがでしょうか。
会議中にメモを取る
会議中にメモを取る習慣を身につけることで、ほかの人の意見や会議の流れを理解することができ、発言しやすくなります。これは、文字として可視化することにより自分自身の考えもまとめられるからです。議事録ほど詳細なメモでなくても問題ありません。自分自身が気になった点や疑問点を書きとめておけば、発言すべきことを絞りやすくなるでしょう。
ほかの参加者の発言にコメントする
ほかの参加者の発言に対してコメントし、自分自身のとらえ方を伝えることも会議での発言といえます。会議での発言は、必ずしもオリジナルの意見である必要はありません。そもそも会議は意見交換や議論を交わすための場ですから、ほかの人の発言を掘り下げ、より的確な解釈を促すための発言でもいいのです。
同意見であることを明確にコメントする
ほかの参加者の発言に対して、自分自身も同意見だとコメントするのも発言の一種です。ですが、ただ「同意見です」ではなく、理由も含めて伝えれば自分の意見を表明したことになります。会議の場で発言しない場合は、ほかの参加者の意見に賛成なのか反対なのかもわかりません。ですから、自分と同じ考えの発言がほかの参加者から出た際には「私も同意見です。なぜなら……と考えているからです」とコメントしましょう。
会議で発言しやすくするためにチームでできる対策
参加メンバーが会議で発言するためには、個人の努力だけでなく、チーム全体で取り組める対策もあります。会議で発言しづらいと感じるメンバーが現れないよう、発言しやすい環境づくりを進めましょう。
上司の意見は建設的な言い方にする
上司が意見を述べる際には、反対ではなく建設的な方向に議論が進むよう配慮しましょう。参加者の意見に上司がコメントしているつもりでも、部下の立場から見ると「反対された」「否定された」ととらえてしまうことは十分にありえます。そのため、「……というのが〇〇さんの意見ですね」「では、……の角度から考えた場合はどうでしょうか?」といったように、参加者の発言を促す言い方を心掛けることが大切です。
事前に会議のレジュメを共有する
参加者にあらかじめ議題を伝えたうえで、各自の意見や考えをレジュメに記入してもらう方法もあります。参加者の意見をレジュメに集約して会議当日に配布すれば、各参加者の意見の要旨を共有できます。あとは会議の場で、それぞれの意見をより詳しく説明してもらいましょう。この方法が習慣化できれば、参加者がその場で発言内容を考えるのではなく、事前に意見をまとめたうえで会議に参加する効果も期待できます。
知識に偏りがないように勉強会を実施する
会議参加者の知識の偏りを解消するために、事前に勉強会を実施しておく方法もあります。業務の習熟度や経験年数によって生じる知識の差を埋めておくことにより、会議の場で発言者が偏るリスクを軽減できるでしょう。
進行役を設ける
会議の進行役を設けることで、発言者の偏りを防ぎやすくなります。発言していない参加者を進行役が適宜指名し、現状考えていることや感じていることを尋ねてみましょう。その際、機械的に発言を促すのではなく、議論の内容と関わりの深い参加者を指名することが大切です。実務担当者の見解や、ほかの部門から見た場合のとらえ方を尋ねるなどして、さまざまな角度から議論を深めていきましょう。
Slack を活用して発言しやすくする方法
会議で発言しにくくなる要因として、日頃のコミュニケーション不足が挙げられます。普段の業務で十分にコミュニケーションをとり合っていない参加者同士が、会議の場で突然意見を交わすのは難しいケースもあるでしょう。日頃から、お互いの立場や考えに対する理解を深めることで、会議での発言の背景を知る手がかりとなります。
参加者が発言しやすい会議の環境をつくっていくには、コミュニケーションツールの「Slack」を活用することがおすすめです。チームやプロジェクト単位でチャンネルを設定し、日頃からコミュニケーションや情報共有を図っておくことにより、お互いの状況を理解した状態で会議に臨めます。必然的に会議での発言もしやすくなり、議論が活性化しやすい環境を整えることができるでしょう。
またハドルミーティングやチャンネルでのコミュニケーションを利用すれば、会議のメンバーと気軽なコミュニケーションがとれるので距離感も縮まり、会議での発言にプレッシャーを感じなくなる効果もあります。
会議で発言しやすい雰囲気をつくろう
会議で発言しにくい状況を改善するには、各参加者が講じるべき対策とチーム全体で取り組むべき対策があります。参加者が「会議で発言すること」のハードルを無意識のうちに上げていないか確認するとともに、発言しやすい環境を整えていきましょう。会議で発言しやすい雰囲気ができれば、参加者が積極的に発言するようになり、有益な意見が出やすくなるはずです。
よくある質問
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