ミーティングの効率化を図る「スタンディングミーティング」を取り入れる企業が増えていることをご存じでしょうか?
今回は、スタンディングミーティングのメリット・デメリットや成功させるためのポイントについてわかりやすく解説します。
スタンディングミーティングとは立った状態で打ち合わせをすること
スタンディングミーティングとは、参加者が立った状態で実施する打ち合わせのことを指します。従来、ミーティングには椅子とテーブルが不可欠でした。しかし、あえて立った状態で実施することで、効率化や省スペース化を図る狙いで導入するケースも増えています。
スタンディングミーティングのメリット
通常のミーティングとスタンディングミーティングは、座っているか立っているかの違いしかないように感じます。しかし、あえて立った状態でミーティングを実施することで、さまざまなメリットを得られます。具体的なメリットは次の通りです。
打ち合わせスペースを縮小できる
スタンディングミーティングでは椅子を使用しないため、打ち合わせスペースを縮小できるメリットがあります。広い会議室が必要なくなれば従来よりもミーティングスペースの数を増やせるため、会議室不足の解消にもつながります。
迅速に開催できる
必要なタイミングでミーティングスペースに集まり、迅速に打ち合わせを始められることもスタンディングミーティングのメリットです。座って行う通常の会議では、会議室の予約などの手間や時間がかかります。しかし、スタンディングミーティングであれば、参加者が集まるだけですぐに始められます。ミーティング終了時に会議室内の片付けなどを行う時間も短縮できるため、時間の短縮効果は非常に高いといえるでしょう。
脳が活性化する
頭をしっかりと働かせてミーティングに臨むことも、スタンディングミーティングのメリットといえます。立っている状態は座っている状態と比べて全身の血流が良いため、脳が活性化する傾向があります。より創造的な思考や新たなアイデアを創出するには、立った状態のほうが適した姿勢といえるでしょう。
発言が活発になりコミュニケーションをとりやすい
コミュニケーションをとりやすいことは、スタンディングミーティングに特有のメリットです。スタンディングミーティングは椅子を使わない分、参加者同士の距離が近くなるため、コミュニケーションがとりやすくなります。また、通常の会議では座席の位置によって発言のしやすさに偏りが生じる場合がありますが、スタンディングミーティングであればこうした偏りも生じにくく、発言が活発になります。
健康維持につながる
スタンディングミーティングを取り入れることで、健康維持にも良い影響を与えます。東京医科大学の「WHO 身体活動・座位行動 ガイドライン (日本語版)」によれば、一日のうち座って過ごす時間が長いと、2 型糖尿病や心臓病などの罹患のリスクが高まるという研究もあります。特にデスクワークが中心の部門では、立って過ごす時間が生まれることは、大きなメリットとなるでしょう。
※東京医科大学「WHO 身体活動・座位行動 ガイドライン (日本語版)」
眠くなりにくい
スタンディングミーティングは立った状態で実施するため、座って行う話し合いと比べると眠くなりにくい点もメリットです。また、立った状態で長時間話し合っていると疲れが生じるため、ミーティングの時間そのものが短縮される可能性があります。集中力を維持し、有意義な話し合いにする意味でも、スタンディングミーティングは効果のある手法といえるでしょう。
内職を防げる
スタンディングミーティングには、内職を防止する効果も期待できます。大人数が参加する会議では、メンバーによっては関わりの薄い議題が設定されることがあります。その場合、会議とは無関係の資料を見たり、持ち込んだパソコンで別の作業を進めたりという内職をするメンバーがいないとも限りません。スタンディングミーティングであれば参加者同士の距離が近く、内職をするのには難しい環境となります。
スタンディングミーティングのデメリット
スタンディングミーティングには、デメリットになりかねない側面もあります。次に挙げる 3 点については、スタンディングミーティングを実施する際に、注意しておく必要があるでしょう。
大人数の会議には向かない
スタンディングミーティングは少人数での打ち合わせに適した手法ですから、大人数の会議には向きません。大人数の会議になると参加者が雑然と立っている状態になるため、かえってコミュニケーションを図りにくくなるからです。スタンディングミーティングは、2 名~数名程度までの限られた人数で実施するのが基本ととらえてください。
年齢や体調によっては参加しにくい
参加者の年齢や体調によっては、スタンディングミーティングが適さないケースもあります。長時間立っていること自体が大変な状況であれば、話し合いに集中できません。スタンディングミーティングを実施するべきかどうかは、参加者の状況を踏まえて判断する必要があります。
長時間かかる課題には向かない
スタンディングミーティングは短時間で機動的に実施する話し合いに適しているため、長時間話し合う必要がある議題には向きません。そのため、ミーティングで取り上げる課題によっては通常の会議室で話し合ったほうがよい場合もあります。話し合うべき課題に応じて、スタンディングミーティングと通常の会議を使い分けることが大切です。
スタンディングミーティングを成功させるポイント
スタンディングミーティングは、ただ立ったまま話し合いをすれば効果が得られるとは限りません。次に挙げるポイントを押さえ、スタンディングミーティングの効果を最大限に引き出しましょう。
事前にミーティングの目的を共有する
スタンディングミーティングを実施する際には、メンバーを集める意図や目的を事前に共有しましょう。参加者がなぜ呼ばれたのか把握していないようでは、話し合うべきポイントやミーティングのゴールがイメージできません。メンバーを招集する前か集まった時点で、ミーティングの目的を明確に伝えることが大切です。
時間を決めておく
スタンディングミーティングは、あらかじめ実施時間を決めたうえで臨みましょう。スタンディングミーティングはできるだけ短時間で実施するのが基本のため、話し合いが長引いては意味がありません。そこで、ミーティング開始時に終了予定時刻を伝えておいたり、タイマーを活用して残り時間を意識させたりすることが必要です。
時間をかけて話し合うべき課題なら着席形式で行う
時間をかけて話し合うべき課題は、通常の着席形式のミーティングで取り上げましょう。スタンディングミーティングでは、時間をかけて話し合わなければいけない課題は向いていません。
会議の回数を増やさない
スタンディングミーティングは、開催回数を必要以上に増やすべきではありません。いつでもメンバーを気軽に集められるからといっても、参加者の業務を一時的にストップさせてしまいます。ミーティングを実施する必要性を見極め、必要に応じて開催することが大切です。
専用のスペースを用意する
スタンディングミーティング専用のスペースを準備することも必要です。スタンディングミーティングは省スペースで実施できるとはいえ、休憩スペースと兼ねてしまうと落ち着いて意見交換ができません。スタンディングミーティング専用スペースと休憩スペースは、必ず分けておきましょう。
テーブルがあると便利
スタンディングミーティングに適した高さのテーブルも用意しておくと便利です。資料を閲覧したり書き込みをしたりする際に、テーブルを活用できます。スタンディングミーティング用に設計されたテーブルのなかには、高さの調整が可能なものもあります。
Slack をスタンディングミーティングの代わりに使おう
ハドルミーティングを、スタンディングミーティングの代わりに活用する方法もあります。スタンディングミーティングは迅速に開催できることが魅力です。しかし、スタンディングミーティング用のスペースが必ず空いているとは限りません。また、一時的にでも参加メンバーを離席させますし、社内にいないメンバーは招集できないでしょう。ハドルミーティングであれば、スペースの心配も、距離の制約もなく実施できます。ぜひ、活用してください。
スタンディングミーティングで効率的な意見交換を
スタンディングミーティングは、立っていることで集中力を高めたり、時間を短縮したりできます。ミーティングが長引く傾向があると感じている場合、課題解決の手段としてスタンディングミーティングを導入してみてはいかがでしょうか。今回紹介したポイントを参考にスタンディングミーティングを取り入れ、効率的な意見交換を行ってください。
よくある質問
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