セグメントは、マーケティングに関する施策や戦略において、よく耳にする言葉です。しかし、顧客をグループ分けするといった意味合いで使われていることは理解していても、ターゲットとどう違うのか、なぜセグメントが重要とされているのかまでは、明確に把握していない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、セグメントの目的や分類方法をわかりやすく解説します。セグメントをマーケティング施策に活用する方法にもふれていますので、ぜひ施策や戦略を策定する際にお役立てください。
セグメントとは集団やまとまりを区切ること
セグメントとは、「区分」や「部分」といった意味を表す言葉で、マーケティング領域において既存顧客や見込み客の、あるまとまりを指します。
例えば、年齢、性別、居住地域、収入、ライフスタイルなどの切り口でのまとまりから、分類したグループのひとつがセグメントです。ですから、同じセグメントに属する顧客は、何らかの共通項を持っていることになります。
セグメントに関連した用語
セグメントには、「セグメンテーション」や「ターゲット」など、関係の深い言葉があります。ここでは、セグメントとの違いや、その意味について簡単にご説明しましょう。
セグメンテーション
セグメントと似た言葉として「セグメンテーション」が挙げられます。セグメンテーションとは、ある集団をセグメントに分ける行為を表す言葉です。セグメント化と表現される場合もありますが、基本的にはセグメンテーションと同じ意味ととらえて差し支えありません。
セグメントとターゲットの違い
セグメントと混同されやすい概念に「ターゲット」があります。両者は明確に異なる概念のため、きちんと区別して押さえておくことが大切です。
ターゲットとは、 1 つのセグメントの中から、ある条件をもとにより対象者を絞り込んだ集団を表す言葉です。例えば、「20 代男性」というセグメントの中から、さらに「都内在住」「独身」「ガジェットに興味がある」といった条件でアプローチの対象を絞り込むことをターゲティングといい、対象者を抽出して決まるのがターゲットです。
セグメントに分ける目的とは?
そもそも、なぜ顧客をセグメントに分ける必要があるのでしょうか。かつては不特定多数の見込み客に対して一斉に訴求する「マスマーケティング」と呼ばれる手法が主流でした。テレビ CM や新聞の広告欄などは、できるだけ多くの人の目にふれることを目的にとした、典型的なマスマーケティングの手法といえます。
ところが、近年では消費者ニーズの細分化が進んだことに伴い、マスマーケティングは昔ほど効果的ではありません。大規模な流行を作り出すよりも、顧客ごとのニーズに合わせてアプローチをするほうが、効率良く成約や購入へとつながるようになりました。
ターゲットを絞って効果的にアプローチするには、顧客をより細かな単位に区切っておく必要があります。こうした背景から、セグメンテーションを行う重要性が高まっているのです。
セグメンテーションの分類例
セグメントは、さまざまな「変数」を使って分類しています。ここでは、セグメンテーションに使われる、代表的な変数の種類について紹介しましょう。
地理的変数
国や地域、都市などは、地理的変数(ジオグラフィック変数)といいます。人口密度や気候、生活習慣といった、地域特性に関わりの深い要素も地理的変数に含まれます。
特に食料品や衣類など、生活習慣や気候が売上を大きく左右する商材では、地理的変数を使った分類は有効といえるでしょう。
人口動態変数
人口動態変数(デモグラフィック変数)は、年齢や世代、ライフステージ、性別、収入、職業、家族構成などが挙げられます。
人口動態変数は消費者ニーズと深く関わっていることから、マーケティング施策を検討する際によく用いられます。国内市場であれば、国勢調査の結果などから各セグメントに分類される人数を容易に把握することが可能です。
心理的変数
顧客の価値観やパーソナリティ、嗜好、趣味、ライフスタイルなどは、心理的変数(サイコグラフィック変数)といいます。近年は消費者ニーズの細分化が進んでいることから、人口動態変数だけでは判断できない嗜好性を把握する際に活用されます。
例えば、首都圏在住の 30 代男性であっても、人によって嗜好や趣味は大きく異なるもの。休日の過ごし方ひとつとっても、アウトドア派の人もいればインドア派の人もいるように、ニーズには大きな違いがあるのです。ライフスタイルの実態に合わせて訴求するうえで、心理的変数は重要となります。
行動変数
商品やサービスの使用状況や利用頻度、活用するタイミングなどは、行動変数(ビヘイビアル)に分類できます。例えば、同じスマートフォンアプリのユーザーでも、アプリを毎日活用している人と週に 1 回使う程度の人とでは、アプリに求めている機能性や利便性が大きく異なるでしょう。
顧客ごとに行動が異なるのであれば、行動特性に合った機能性や利便性を提供することは重要です。ですから、行動変数は、顧客満足度を高めるための施策において、重視するべき指標のひとつになります。
セグメンテーションを行う際に欠かせない条件
セグメンテーションを適切に行うための条件として「4 つの R の原則」にあてはまっていることが求められます。 4 つの R とは、「Rank(ランク)」「Realistic(リアル)」「Reach (リーチ)」「Response(レスポンス)」のことです。
例えば、商材を宣伝するのに最適なセグメントを設定しても、条件にあてはまる顧客がごく少数しか存在しないなら、 Realistic の要素が欠けている状態といえます。
このように、セグメンテーションを行う際には、各セグメントが 4 つの R を満たしているか確認しなければ、適切な結果にはつながらないのです。
セグメントをマーケティングに活用するには?
セグメントをマーケティング施策に活用するための手法として、「STP 分析」が知られています。 STP とは、「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の頭文字を取った言葉です。
S → T → P の順に対象者と戦略を絞り込んでいった結果、競合他社と比べて優位な訴求ポイントが見つかるようなら、成果につながるマーケティング施策となる可能性が高いことがわかります。
共同作業にも活用できる Slack
セグメンテーションや各種施策を進める際は、特定の担当者による先入観や願望が混入しないように、チーム共同で進めるのがおすすめです。
チームでの共同作業では、コミュニケーションツールの Slack を活用すると効率良く進められるでしょう。
図の共有やグループ機能などに活用する
Slack ならチーム内での情報共有を、円滑に行うことができます。例えば、 STP 分析を進める際には、セグメンテーションしたターゲット顧客や、自社のポジションを図で示したものを用意すると共有しやすいでしょう。
また、マトリクスやマッピングといったフレームワークを軸に話し合うシーンにおいても、 Slack のグループチャット機能やハドルミーティング、画面共有機能が便利です。会議室に集合することなく、離れた場所にいるメンバー同士が議論を重ね、各種分析の精度を高めることができます。
分析データの社内共有も安心・安全
各種分析の結果は、企業にとって外部に漏洩してはならない重要な情報です。分析データを社内で共有する際には、グローバルスタンダードのセキュリティ基準を満たす Slack が役立ちます。
Slack で送受信・保存されるデータは、初期状態ですでに暗号化されています。監査ログやデータ損失防止(DLP)プロバイダと連携することにより、社内データを厳重に管理できるのです。
データを安心・安全に管理できる仕組みが備わった Slack を、ぜひデータ管理にお役立てください。
適切なセグメントでマーケティングを加速させよう
ターゲティングやポジショニングを効果的に進めるには、適切なセグメンテーションが欠かせません。今回ご紹介したポイントを参考に、自社の戦略や商材に適したセグメンテーションに取り組んでください。
コミュニケーションツールの Slack を活用することで効率良く進められますので、マーケティング戦略がいっそう加速するでしょう。
よくある質問
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