大規模な会議や企業イベントを開催する時には、失敗は許されません。イベントの中心的存在であればなおさらです。Cvent では、業界きってのミーティング/イベント/ホスピタリティテックのプロバイダーとして、その責任を真摯に受け止めています。これを裏付けるべく、なんとフォーチュン 100 企業の 80% とその他 27,000 以上の世界中の組織が、イベントの企画やマーケティング、そしてその遂行に至るまで、イベント実施のあらゆる側面で Cvent のソフトウェアを活用しています。
その成功が同社に急速な拡大の時代をもたらすこととなりました。米国、ヴァージニア州のタイソンズを拠点にする Cvent は、過去 5 年の間に、世界 22 か所のオフィスに 4,300 人以上の従業員を抱える規模にまで成長しました。もちろん、成長に伴って新たな課題が生まれます。Cvent の CIO である Pradeep Mannakkara さんが 2016 年に入社した時、社内の運営方法を簡素化、最適化することに取り組みました。
「当時は、『現代の企業がこの環境で本当に持てる力を発揮できるだろうか?』『社で使うテクノロジーやそれによってもたらされる企業文化で、従業員の生産性や満足度、エンゲージメントを高めるにはどうすればよいだろうか?』と考えました」と Mannakkara さん。その答えはSlack にありました。
当時、Cvent は部門ごとにさまざまなツールを組み合わせて使用していました。ほかのソフトウェアとのバンドル製品を含む、色々な共同作業ツールを複数試してみましたが、「導入には至りませんでした」と同 CIO は振り返ります。
社員達は全社共通のプラットフォームを求めていました。実際に社員の多くは、技術チームが Slack を使用していた場面を見たことがあり、そのツールの名前を聞き出そうとしていました。「会社全体で Slack を導入しようと決定した後、社員が Slack を積極的に使うようになるまで数か月かかると予想していました」と Mannakkara さん。「数か月どころではなく、普及率が Slack を導入し始めてから 1 週間以内に 90% 以上へと急上昇しました」。
さらに、メンバーたちは自ら好んで Slack を使用するようになっていました。ユーザーの満足度を数値化する NPS(ネットプロモータースコア)の最近の調査では、社員達が Slack を 65 ポイント(ソフトウェアとアプリの平均値は 30 ポイントで、50 ポイント以上は優秀とみなされる)と評価しました。
Cvent は Social Tables や Wedding Spot などを次々と買収するなど、急速な成長を遂げました。新しい企業をスムーズに迎え入れるため、Cvent は Slack コネクトを活用しています。Slack コネクトは、複数の組織が同じチャンネルで連携できる安全な通信環境で、同社の規模拡大が進む中、コラボレーションの新たな可能性を切り開くこととなりました。
今では、Cvent の従業員たちは 1 日に 25 万件以上の Slack メッセージを送信し、これまでにないつながりとコラボレーションを実現しています。「チームのメンバー皆が自然と引き寄せられ、気に入って活用し始める製品というのがあります」と Mannakkara さんは語ります。「Slack には、簡単に人を惹き込むその魅力があるのです」。
Release Bot で迅速でスケーラブルな開発を実現
Cvent の製品ラインナップが大幅に拡大したため、エンジニアはリリース予定を四半期から 1 か月、そして 1 週間以内まで早めなければなりませんでした。規模の拡大と開発スピードに対応するためには、新しいツールが必要でした。Cvent のエンジニアチームは Slack を活用して、カスタマーサクセスチームやマーケティングチームなどのほかのチームと常に情報共有しながら、開発プロセスを効率化し、製品をより早くリリースできるようにしました。
このプロセスをサポートするために、Cvent のサイト・リライアビリティ・エンジニアは、開発者達が Slack 内で新リリースを行えるインテグレーション「Release Bot」を開発しました。Release Bot は、新リリースそれぞれが Cvent のベストプラクティスに沿っているか確認し、メンバーが更新情報、ツールやファイルを共有できるデジタルスペース、Slack チャンネルでほかの関係者に最新情報を届けます。
「Release Bot のおかげで、さまざまなタイムゾーンやオフィスにいるチーム同士が正しくコミュニケーションできているか、また、顧客にマイナスの影響を及ぼしかねない対応がないことをリアルタイムで確認できるようになりました」と Cvent の CTO 兼共同創設者の David Quattrone さんは説明します。
Cvent のエンジニアチームは、Release Bot により過去 1 年間でリリース量を 2 倍に増やしました。今では同エンジニアチームは 1 日に複数、月に何百ものリリースを行っています。「新ソフトウェアを展開するソフトウェアツールにより、手作業による介入なしに新リリースをデプロイできるようになったのは、非常に革新的なことです」と Quattrone さん。
「当チームでは、メンバーそれぞれがどこにいようとも、お互いに協力し合って仕事を進められるようになりました。外出先からでも在宅勤務の場合でも、モバイルデバイスから Slack に簡単にアクセスできます。なんらかの問題が発生しても、メンバー同士がスムーズに連携してトラブルシューティングすることができます」
もちろん、Cvent の 90 人の開発者チーム間の密なコラボレーションなしでは、これらの新しいリリース製品を準備することさえもできません。世界各地に散らばるチームが Slack とZoom のインテグレーションでどこからでもコミュニケーションでき、Slack で瞬時に通話を開始することができます。
「以前はさまざまなタイムゾーンを超えて取り組むことが非常に難しかったことが、今では手軽にできるようになりました」と、Quattrone さんは話します。「当チームでは、メンバーそれぞれがどこにいようとも、お互いに協力し合って仕事を進められるようになりました。外出先からでも在宅勤務の場合でも、モバイルデバイスから Slack に簡単にアクセスできます。なんらかの問題が発生しても、コンピューターを開く必要なしにメンバー同士がすばやくコラボレーションし、トラブルシューティングすることができます」。
また、Quattrone さんは定期的に Slack で AMA(「Ask Me Anything=何でも聞こう」の略)セッションを開催し、Cvent の従業員が新しい製品ラインナップと会社の全体的なテクノロジー戦略について質問できる機会を設けています。この開放的なフォーラムによって、Cvent の「オープンドアポリシー」に沿った率直な対話を行う機会が実現し、Cvent 独自の企業文化を育成していくうえで大いに役立っています。
「世界各地に多くのオフィスを持つまでに成長したことで、Cvent はオープンネス(開放性)、イノベーション、コラボレーションの文化を組織全体で確実に持ち続けることが難しくなっていました」と、Quattrone さんは話します。「それを実現するために、Slack はなくてはならない存在となりました」。
セールスサイクルをチャンネルで効率化
13 のタイムゾーンと複数の国にまたがって成長を続ける Cvent のセールスチームにとって、部門内はもちろん、部門を超えた他チームとのやり取りにおいても、効率的かつ一貫したコミュニケーションを維持することが重要な課題となりました。
「Slack を導入するまでは、チームのコミュニケーションはすべてメールに依存していました」と Cvent のセールス部門 VP の Franci Hirsch さんは振り返ります。「複数のタイムゾーンにまたがってさまざまな従業員とやり取りする必要がある場合、メールでチームのコミュニケーションを円滑に進めていくのは非常に困難です。受信トレイがメールで溢れかえってしまいます」。
Cvent が Slack を導入して以来、彼女はある劇的な変化に気づきました。「Slack によって、複数の拠点で拡大を続ける組織にありがちな社内のギャップが埋まり、コミュニケーションがスムーズに流れるようになりました」と Hirsch さんは続けます。「Slack のおかげで関係者全体が方向性を揃え、顧客とも正確で効率的なコミュニケーションを取れているかどうかを確かめることができます」。
Hirsch さんを含むセールスチームのメンバーは、以下のようなチームの業務のほとんどを Slack チャンネルを活用して進めています。
- 社員の育成 : Cvent の 2 つの研修プログラムである Ignite(新入社員研修)と Accelerate(継続的な社員教育)では、研修の受講者がセッションの前後に質問できるようにし、指揮者が集中して取り組む分野を特定できるよう、Slack のパブリックチャンネルを使用しています。
- 成果を祝う : セールスチームは
#sales-successes
(#セールス-成功)チャンネルで日々の成果を共有します。公開の場で同僚や役員がチームメンバーの成果を祝うことで、意欲をかき立て、組織全体で「成功の文化」を育みます。 - セールスサイクルの管理 : Cvent では、重要な契約案件向けに新しいチャンネルを設定して、関係者全員が戦略に沿って共通認識のもと行動できるようにし、セールスマネージャーが契約の進歩状況を追って妨げになる可能性のある障壁を取り除くことができるようサポートしています。
- 回答をより早く収集 : 営業担当者は、特に見込み客と通話している間に、ほかの部門のチャンネルで質問を投稿してすばやく回答を募集することができます。これにより、営業担当者はお客様を何時間、何日も待たせる必要なく、すぐに返答を提供できるようになりました。
中でも、Slack で情報を共有することでセールスチームがすばやく行動して契約を成立できたことが、何よりも重要なことと言えるでしょう。「従業員全員には、何かわからないことがあればそのトピックに適した Slack チャンネルに直接質問を投稿し回答を得るようすすめています」と Hirsch さんは話します。「時間のかかるメールのやり取りで長々と返信を待つ必要なく、今では必要な情報すべてに一瞬でアクセスできるようになりました」。
Slack を活用した世界規模のイベント調整
Cvent の活躍は舞台裏だけのイベントソフトウェア事業に留まりません。同社は、世界最大のイベントテクノロジー・ユーザーカンファレンス「Cvent CONNECT」も主催しています。年間約 5,000 人が参加するこのイベントでは、あらゆる面においてスムーズな進行が不可欠です。Cvent のミーティング&イベントディレクター、Rachel Andrews さんもこの点に特に鋭く目を光らせています。40 人から成る彼女のチームにとって、Cvent CONNECT はメンバー全員が力を合わせて取り組む必要のあるグローバルなイベントなのです。
「Slack のおかげで、コミュニケーションだけでなく、支援、研修、つながりの強化、情報共有の観点からイベントの実施方法が一変し、それが社内全体で実現しています」
しかし、イベントに関する深い知識を持ち合わせ、一流のプラットフォームを使い、数か月にわたって計画したにもかかわらず、「全員の方向性を揃える」という点で壁にぶつかってしまっていました。Cvent CONNECT での当日のイベント調整には、WhatsApp から音声通話、さらには無線ヘッドホンまで、なんと 7 種類ものプラットフォームを駆使してコミュニケーションを取る必要があったのです。「そこで、この複数のコミュニケーション体系を Slack に一元化することにしたんです。5,000 人以上が参加するイベントでヘッドホンを使う必要がなくなったことが、真の転換点となりました」と Andrews さんは語ります。
現在、Cvent のイベントチームでは Cvent CONNECT に向けたコミュニケーションだけでなく、通年 1,200 件もの小規模のイベントを管理しています。どのイベントにおいても、Slack がイベントの実施プロセスの各段階で重要な役割を果たしています。
- プレイベント計画 : かつて受信ボックスに溜まっていたグローバルイベントのメールは、今では関係者が必要な回答をすばやく見つけられる Slack チャンネルで一元化されています。
- 当日のロジスティクス : Andrews さんは現地で無線機を使わず、現在は Slack モバイルアプリで Cvent の 600 人以上のイベントスタッフと積極的にやり取りし、手続きから即時対応まですべてを簡単に行えるようになりました。
- イベント終了後の報告 : Andrews さんのチームでは Slack を使ってイベントの指標を共有し、組織全体からフィードバックを収集しています。そしてそこから得た情報が今後のイベントへの活用と向上のために使用されます。
製品に関する更新情報のデプロイから世界規模のイベント開催まで、Cvent は最適なコラボレーションツールとして Slack に着目しました。Cvent は Slack を活用して世界中の従業員を繋げることで、よりスケーラブルなアプローチでそのイノベーションを加速させ、顧客へのサポートを向上させることができるようになり、その一方で 300,000 人以上のユーザーにとっても、心に残るイベント体験づくりを実現できる結果となりました。