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Slack でマイクロローンを通したグローバルな社会貢献を進める Kiva

「Slack という軸により、世界に散らばる Kiva のチームが連携できるようになりました。その結果、年間 20 万件のマイクロローンを成立させ、クラウドファンディングキャンペーンを打ち上げ、一般の貸し手にリーチできています」

KivaVP of InvestmentsKathy Guis 氏

Kiva のグローバルチームには重要なミッションがあります。それは、個人事業主や夢を追う起業家が人生を変えるために必要な資金をマイクロローン(小口ローン)で調達できるようにすることです。

Kiva を介すれば、世界中の誰もが 25 ドルという少額から融資を行うことができます。借り手は、ほかの金融サービスではなかなかお金を借りられない 85 か国以上の人々です。2005 年に非営利組織として設立された Kiva は、これまで 450 万人以上の借り手に対して 17 億ドル以上の融資を成立させてきました。

サンフランシスコ本部のほか、国外に 6 つの拠点を構える同組織では、世界各地に散らばるメンバーが Slack を Digital HQ(会社を動かすデジタル中枢)として活用し、スムーズに連携して仕事を進めています。

「融資申請を承認する担当者は世界中にいます」と話すのは、Kiva で Vice President of Investments を務める Kathy Guis 氏です。「承認された融資は、エンジニアリング部門によってウェブサイトに掲載されます。その後、マーケティング部門が貸し手のグローバルコミュニティ、つまり一般の人々に向けてキャンペーンを打ち、情報を発信することで、融資を成立させるのです」。

4 人で始まった Kiva が現在の規模に成長すると、従来のコラボレーション方法はすぐに機能しなくなりました。「グローバルなスタッフ、300 の組織からなるパートナーのネットワーク、何百万もの小口取引や借り手など、関わるメンバーがあまりに多くなった結果、メールや単発のやり取りしかできないチャットツールでは回らなくなったんです」と、Guis 氏は振り返ります。

kathy guis kiva slack

「私たちは Slack を毎日、それも 1 日中使っています。非同期型コミュニケーションを効率よくどんどん進められる空間は、コロナ禍で組織を変革するために欠かせないものでした」

KivaVice President of InvestmentsKathy Guis 氏

サイロ化を速やかに解消して変革を促進

Slack で世界中のチームが連携できるようになった Kiva では、仕事のサイロ化が解消され、年間 20 万件のマイクロローンを成立させてきました。これまでの貸し手の数は 200 万人を超えています。デザイナーで作家の Kiki Bryant さんの例を紹介しましょう。Bryant さんはノンバイナリー(男性・女性のどちらでもない)と性自認する一児の母です。自分のような家族のためにもっとよいリソースが必要だと感じた Bryant さんは、自らビジネスを始めたいと考えました。「児童書市場には、うちのような家族を表現した本がないと気づいた」と言う Bryant さんは、

そこから社会を意識した絵本『Lollipop Lola and the Power of Yet』を制作し、主人公ローラをテーマにした商品をぜひ作りたいと考えました。その後絵本は 1 週間で出来上がったものの、資金調達は難航。これはアメリカではまったく珍しいことではありません。そんななか知ったのが Kiva です。

「Kiva は、ローンを基本にしているところがいいなと思いました」と、Bryant さんは話します。「だって、『あなたを信用しています。いつか自分に返ってくることはわかっています』と言われているんですから」。

Bryant さんの絵本は 1 時間足らずで資金調達できました。「アイデアにお墨つきを得られたのは、何よりもうれしかったです」と、Brant さんは続けます。「お金を貸してくれた人たちは、この絵本は必要で、見たいと思ってくれたということです。それこそが、私にとって必要なことでした」。 彼女の第二作もまもなく店頭に並びます。

kiva で資金調達した絵本

現在 Kiva では、Slack を Digital HQ(会社を動かすデジタル中枢)として、借り手と貸し手を素早く効率的につなげています。その際、肝となるのが時間です。というのも、Kiva では 30 日以内に融資希望額が集まらなければ、ローン申請が期限切れになり、資金が貸し手に返還されるからです。Kiva では、融資からキャンペーン、製品まで、すべての情報、ロジスティクス、関係者を Slack チャンネルに集めて、組織全体のコラボレーション効率を高めています。

「Slack では主にパブリックチャンネルを使うことで、部門にかかわらず必要に応じて出入りできるようにしています」と、Guis 氏は説明します。例えば、コロナ禍で同氏は #kiva-capital(Kiva 資金)というチャンネルを作成し、同名の Kiva 機関投資部門を立ち上げました。

「影響力の大きい上級管理職たちが物理的に集まることなく、新たに複雑な事業部門を作り出すことができました」と、同氏は振り返ります。「その成功の鍵こそ、Slack です」。

Slack で柔軟性を高めてグローバルなコラボレーションを加速

別の Slack チャンネルでは、Kiva で Director of Communications を務める Brit Heiring 氏がいくつかのチームと連携しながら、広報およびコミュニケーション活動を進めています。「マーケティング部門、外部の PR 企業、戦略パートナー、企業パートナーなどと連携して、記事やメディア資料を作成し、Kiva の事例を伝えています」と、 Heiring 氏は説明します。

こうした事例から新たな層が Kiva について知れば貸し手が増え、結果的により多くの借り手を支えることができます。Heiring 氏のチームがこの実現に向けてうまく連携できるのは、Slack に柔軟性があるからこそです。

メディアキャンペーンのコンセプト立案から実現まで、さまざまなパートナーとシームレスに連携するためには、組織内での直感的なコラボレーションが欠かせません。「私は完全リモートワークなので、Slack は日々私と同僚とをつなぐ中心的な場となっています」と、Heiring 氏は語ります。同氏が最近よく使うのが Slack ハドルミーティングです。これは会議設定の必要なく、ブレストや急を要する問題解決、進捗確認を行えるデジタルファーストな方法です。

「Slack を使うと、その時々で必要な方法で楽しく仕事を進められるようになります。世界中で働くメンバーが素早くやり取りして、認識を揃えるためにも欠かせない手段です」

KivaVice President of InvestmentsKathy Guis 氏

さらに Heiring 氏は「Slack ハドルミーティングは時間に縛られず、さっと使えます」と続けます。「もっと人と触れ合う必要があるなという日には、同僚に軽く挨拶したり、一緒に笑ったりする手段にもなるんです」。

ほかにも Kiva では、自動化機能を活用して雑務を簡素化し、貴重な時間の節約にも成功しました。「Polly インテグレーションで従業員感情についてアンケート調査したり、Zoom スラッシュコマンドで Slack から直接ビデオ通話を開始したりもしています。また、パートナーに指標の数字を共有する際は Slack ボットも活用しています」と説明するのは Guis 氏で す。

さらに Slack のカスタム絵文字や GIF などの機能は、Kiva のチームを盛り上げるのにも一役買っています。「Slack を使うと、その時々で必要な方法で楽しく仕事を進められるようになります」と、Guis 氏は続けます。「世界中で働くメンバーが素早くやり取りして、認識を揃えるためにも欠かせない手段です」。

Kiva ではチームのコラボレーションの方法を変えたことで、文字通り世界中でビジネスを加速してきました。そして、従来の方法では事業資金をなかなか集められない起業家、個人事業主、中小企業の夢に融資し、実現不可能なアイデアを達成可能な成果に変えています。