テクノロジー業界に参入したい人や、プログラミングやリーダーシップのスキルを高めたい人にぴったりなのが、世界中で展開するコーディング ブートキャンプ Le Wagon です。Le Wagon は 2013 年にパリで設立され、今では 20 か国 39 都市に広がっています。同社のビジネス拡大に大きな役割を果たしているのが、チャンネルベースのメッセージプラットフォームである Slack です。
1,000 人近くのフリーランスの講師に加え、ウェブ開発者、エンジニア、データサイエンティストといったスタッフが、Slack チャンネルを使って社内のコミュニケーションを整理しています。このメッセージやファイルを共有するためのデジタル空間が、Le Wagon のブートキャンプの質を保つ鍵となっているのです。Le Wagon の共同創業者兼 Chief Technology Officer、 Sébastien Saunier 氏によると、Slack は次のようなことにも活用されているそうです。
- 新入生への説明・定着施策
- 学生と講師とのつながり構築
- 長期的な成功のため、卒業生とアクティブなコミュニティネットワークとの関係作り
今回はそんな Le Wagon の活発な Slack ワークスペースを一緒にのぞいてみましょう。
「コーディングやウェブ開発、データサイエンスの世界ではすべてが目まぐるしく変化します。そのため、私たちは教える内容が時代遅れにならないよう注意しなければなりません。Slack は、変化のペースについていくうえで欠かせないコミュニケーションプラットフォームです」。
社内コミュニケーションと世界中のコラボレーションを加速
Edouard Foussier 氏は、かつてブートキャンプに参加した 1 人です。その後 Le Wagon Paris の Community Manager となり、現在は City Manager を務めています。同社では Slack で都市ごとにタスクや社内コミュニケーション を整理し、各都市のスタッフ専用チャンネルが作られているそうです。例えば、Foussier 氏のチームは #paris
チャンネルでコラボレーションを行っています。
また、チームがグローバルにコラボレーションできるよう、そうしたグループ(squad)のための役割・チーム別チャンネルもあります。例えば、#data-squad
はデータサイエンティスト向けのホームベースとして使われているほか、#student-outcomes-squad
では学生をサポートするためのコラボレーションが行われています。
「Slack のおかげでコミュニケーションを整理できています」と、Foussier 氏は話します。「情報を共有したい時は毎回、どのチャンネルが最適なのか考える必要があるからです」。
Slack は本当に便利なので、社内コミュニケーションにメールを使うことはありません。
アプリ連携で Le Wagon のワークスペースをカスタマイズ
Zoom、GitHub、Google Suite などは、Le Wagon にとって欠かせないツールです。ほぼすべての会議がオンラインで行われるリモートワーク時代の今は特に、その重要性が高まっています。Slack なら、ワークスペースとそれらのツールをシームレスに連携できるため、チームは仕事の途中で Slack を離れる必要がありません。
また同社では、すべてのビジネスワークフローを Slack で自動化しています。例えば、学生の申し込み確認や新入生への説明は Slack で直接行うことが可能です。オンラインで申し込んだ志望者が面接前に事前課題を終わらせると、Slack がその申込書を該当都市のチャンネルに送信し、担当者が確認できるようになります。
「私たちの仕事は Slack を中心に回っています。Slack のユーザーインターフェースを活用することで、すべてのプロセスがぐんとシンプルになるのです」と、Saunier 氏は語ります。「それらの機能を自前のプラットフォームで一から構築するとなると、膨大な時間がかかるでしょう」。
Slack チャンネルで教室を最適化
ブートキャンプの初日にはすべての新入生が Slack に招待され、グループになってそれぞれの都市のブートキャンプに参加します。さまざまな背景や経験を持つ学生が集まることで、お互いに良い刺激を与え合う環境が生まれます。なかには次のような学生もいます。
- プログラミングにこだわりのあるアーティスト
- テクノロジーやリーダーシップのスキルを高めたいコンサルタントあるいはマーケティング担当者
- キャリアチェンジしたいシェフや教師
ブートキャンプは Le Wagon のプラットフォーム上で実施されますが、学生はSlack 上で講師やほかの学生と交流することができます。また、次のようなことにカスタムインテグレーションが活用されています。
- 学生がその日の要点を覚えられるよう、暗記カードを送信
- コロナ禍でリモート体制に移行したキャンパスで、 Slack を Zoom と連携させてリモート授業を開始
- リモートキャンパスで講師のサポート待ちをする学生に向け、チケット発行システムを立ち上げ。学生と講師は Le Wagon の学習プラットフォームから直接 Slack コールで通話が可能
パンデミックの影響で教室をオンライン化する必要に迫られた時、Slack はとても大きな役割を果たしました。「Zoom と Slack のおかげで、ブートキャンプを続けることができたのです」と、 Saunier 氏は振り返ります。「Zoom では最大 80 名の学生を迎えることができ、とてもスムーズに授業ができています」。
Slack で活気ある卒業生のネットワークを構築
Le Wagon は、8,000 名を超える世界中の卒業生のネットワークを抱えています。卒業生は各ブートキャンプの終了後も交流を続けていけるよう、専用のワークスペースに招待されます。そこのチャンネルでは次のことが行われています。
- 仕事のオファーの共有
- 業界の最新ニュースの共有
- 技術的な問題をトラブルシューティング
- コミュニティ内でつながりを築き、ネットワークを拡大
卒業生のワークスペースには各グループ向けチャンネルがあり、都市やトピックごとに整理されています。チャンネルは #marketing
、#founders
、#freelancers
、#legal
など色々あり、ほかにも #ruby
、#javascript
、#python
などプログラミング言語ごとのチャンネルも活用されています。
「学生は大変なトレーニングをやり抜いたという経験を共有しているため、強い絆で結びつく傾向にあります」と、Foussier 氏は話します。「また、ブートキャンプ卒業生のなかには起業した人もいます。彼らは Slack で会社の宣伝ができるほか、ブートキャンプを新たに終えた人を雇うこともできるのです。結果的に、多くの卒業生が一緒に仕事をしています。とてもよい循環ができているのです」。
Le Wagon のブートキャンプはフルタイム・パートタイムによって期間が変わるものの、9~24 週間で終わります。でもプロとしての成長のチャンスは卒業後も長く続きます。その参加者のつながりをしっかり守るのが Slack チャンネルです。
「ブートキャンプに参加していたのが 5 年前のことだったとしても、Slack に戻ってチームと交流することが可能です」と、Foussier 氏は続けます。「もし別の都市に引っ越したら、その現地のチームとつながって新たなチャンスを探すこともできます。Le Wagon への参加は、生涯続く体験となるのです」。