概要
曖昧なアイデアをアクションに変える、チーム共有のビジュアルスペース
Mural は、チームがアイデアを実行に移すためのビジュアル AI プラットフォームです。チームは Mural を使って、共有ワークスペース上でセッションを運営し、意思決定を行い、議論から次のアクションへとスムーズに移行できます。
同社の強みは、自由度の高いビジュアルキャンバスと、構造化されたワークフローを実現する AI、そして社内の AI トランスフォーメーション専門チーム LUMA の存在です。Mural のプラットフォームと LUMA の専門性の組み合わせにより、企業はビジュアルを活用して仕事を進め、目指す方向性を揃えて、スピーディーに動けるようになります。

「本当の意味での変革を実現するには、まず正しい基盤が必要です。私たちの基盤は、Salesforce と連携した Slack でした」
課題
収益部門の拡大とともに、取引先インテリジェンスの活用が困難に
Bill Dwoinen 氏が 2 年前に Mural の CRO として入社した当時、収益部門の傘下にあったのは営業とソリューションの 2 チームでした。それが現在はカスタマーサクセス、テクニカルソリューション、RevOps、イネーブルメント、GTM システム、そして顧客体験チーム全体まで加わり、部門が拡大しています。
「この拡大は意図的なものでした」と、Dwoinen 氏は振り返ります。「各チームを加えることで、カスタマージャーニーの重要な部分と収益を担うチームとの距離が縮まったのです」。
組織体制の変化によって、顧客に対してさまざまな専門性を提供できるようになったものの、取引先情報が分散するという新たな課題も生まれました。収益部門では、顧客獲得、製品導入、拡大、リテンションを管理するための強固な基盤として Salesforce を利用しています。データ上ではこれらの動きはつながっていたものの、各取引先対応においてチーム間で必ずしもスムーズに連携できていたわけではありませんでした。
こうした連携不足が、対応スピードの低下を招いていました。契約更新リスクが素早く共有されなかったり、拡大のチャンスが担当者のところで止まってしまったりしたほか、責任範囲が曖昧になることもありました。その結果、次の手を決めるよりも、取引先の状況を整理し直すことに時間が費やされていたのです。
Mural に必要だったのは、取引先対応にあたるチームが Salesforce の取引先インテリジェンスをすぐに利用できる仕組みでした。それにより、チームがスピードを落とさず一貫して動ける状態を目指したのです。
「Slack が Salesforce データを活用する場となり、チームはようやくリアルタイムでアクションを実行できるようになりました」
Mural が Slack で仕事をさらに効率化
取引先チャンネルに Salesforce データ、顧客シグナル、チームのアクションを集約
Mural が出した答えは、取引先を中心に収益部門の業務を整理することでした。
まずは Slack 上の Salesforce チャンネルで、Salesforce のデータを直接利用できる仕組みを整え、その後すべての取引先に専用チャンネルを作成。案件の最新情報、Gong 通話の要約、顧客シグナル、利用状況データ、サポートのエスカレーションがすべて同じ場所に集まるようにしました。営業、カスタマーサクセス、テクニカルソリューション、法務、RevOps、その他の関係者は、誰かからの共有を待たずとも、皆が同じ情報をもとに動くことができます。
これにより、各取引先に対する日々の業務が変わりました。なかでも顕著だったのは、収益部門の業務が滞りがちだった場面です。引き継ぎ、契約更新リスク、拡大のシグナルをめぐる場面では、いずれも、適切な情報が適切なタイミングで適切な人に届くかどうかにかかっています。取引先チャンネルがあらゆるシグナルの受け皿となることで、チームが次のアクションを素早く判断できるようになったのです。
さらに現在はミーティングが終わるたびに、Gong による要約が取引先チャンネルに自動で投稿されます。これにより、例えば営業担当者がフランクフルトの顧客との通話を終えると、メモをコピーしたりメールを送信したりしなくても、数分後にはニューヨークのカスタマーサクセスマネージャー、オースティンのテクニカルソリューションリード、ロンドンのアカウント VP が、主要なポイントと次のステップを確認できるようになりました。
「この影響は、組織内のすべての取引先チームに及びます」と、Dwoinen 氏は語ります。
CRO の Bill Dwoinen 氏が Slackbot を活用する方法
Dwoinen 氏は、CRO の視点から事業全体にわたる取引先リスク、成長シグナル、次のステップを把握するのに Slackbot を活用しています。「CRO として、各顧客に紐づく全チャンネルを確認することはできません」と、Dwoinen 氏は話します。しかし、Slackbot を使えば起こっていることをまとめて把握することが可能になります。「Slackbot のおかげで、各セグメントの上位 25 の取引先について、毎日概要を把握することができます。取引先レコード、商談レコード、案件メモ、Slack チャンネル、Gong 通話を通して見えるリスクや成長シグナルも確認できるのです」。
これにより、Mural の四半期における優先事項の決め方も変わりました。取引先ごとの課題を個別に処理するのではなく、収益部門が取引先全体に共通する傾向を把握し、顧客接点の確保、スポンサーとの関係構築、リスク軽減に対してよりトップダウンのアプローチを取れるようになったのです。
さらに Dwoinen 氏は Slackbot を活用して、Mural のグローバル収益部門のチャンネルで 「Need to Know Monday」という投稿を作成。製品、マーケティング、収益に関する主な最新情報のほか、案件の受注情報や締め切りなどを共有しています。「Slackbot がなければ、誰かが 1 時間以上かけてやるところでした」と、Dwoinen 氏は続けます。「それが今は、月曜の朝に自動で実行されています」。
優れた取引先対応とは
Mural はあるエンタープライズ向け競合案件で、社内の取引先チャンネルを活用して顧客フィードバックからクローズまでチーム全体が連携した結果、数百万ドル規模の 3 年契約を獲得しました。「そのお客さまは Gong の通話で直接、私たちの迅速な対応に感謝を伝えてくださいました」と、 Dwoinen 氏は語ります。「営業、ソリューション、エンジニアリング、法務、サポート、製品の各担当者が Slack 上で連携し、1 つのチームとして動いた結果です」。
さらに 6 月には、同じ手法を更新案件にも展開しました。この時は、リスクの概要が取引先チャンネルで直接共有されると、チームはスレッドで返信。アクションプランはメールや別のトラッカーに埋もれることなく、取引先に紐づいた状態で管理されました。
別の例では、顧客との Gong 通話後に要約が専用の取引先 Slack チャンネルで自動共有されたのですが、そのなかでチームがアプローチすべき上位のステークホルダーも特定されていました。「Slack と Salesforce があれば、営業担当者がノートを掘り返したり、要約を誰かに依頼したりする必要はありません」と、Dwoinen 氏は説明します。「誰に連絡すべきかがわかり、その日のうちに動けます。それが優れた取引先対応です」。
「1 年前、Mural の収益部門の傘下にあったのは営業とソリューションだけでした。今では Slack と Salesforce によって、カスタマージャーニー全体で連携する運営モデルになっています」
この先の展望
全担当者のために取引先インテリジェンスをフル活用
Mural は現在、各営業担当領域を軸とする統合型 GTM エージェントの構築を進めています。Salesforce、Gainsight、Gong、Slack、LinkedIn、そして公開情報から得たリサーチ内容を対応する取引先チャンネルに集約することで、アカウントチーム全体がビジネススポンサー、契約拡大のための連絡先、リスクの兆候、次のステップに対して認識を揃えて仕事を進められるようになります。
このエージェントは、Mural の従業員との連携を前提に設計されており、取引先への営業や契約の更新および拡大に関する判断を担うわけではありません。営業担当者、カスタマーサクセスマネージャー、ソリューション、RevOps、リーダー層に共通の土台となる情報を提供し、Slack でチームとしての取り組みを進められるようにするものです。
さらに Mural では、ChatGPT の Slack インテグレーションと Agentforce を組み合わせることで、取引先チャンネルですでに効果のある取り組みを広く展開できるようになりました。チームは現在、AI による取引先シグナル、導入状況のレビュー分析、取引先専用エージェントを、各担当者が活用できる 1 つのプロセスにまとめています。AI がシグナルをインサイトに変える作業を担うことで、人間は関係構築、判断、実行により多くの時間を使えるようになるのです。
「私が特に期待しているのは、Slack を営業ホームとする考え方です。そこでは、案件のステージが代わった時や、誰かが案件を進めた場面で、すぐにアクションを起こせるようになります」と、Dwoinen 氏は話します。
これこそ、Mural が基準とする仕事の進め方です。「特に成果を上げている取引にはすでにパターンが見えています。チームの方向性が揃い、顧客シグナルが可視化され、必要になる前から上位層との関係が築かれているというものです」と、Dwoinen 氏は語ります。次のステップとして、Mural ではこのレベルの対応を事業全体で一貫して実行できる状態を目指しています。













