Slack と Salesforce でデジタル時代に対応
PEGASUS はタイの農業機械製造業をリードする企業です。今も急成長を続ける同社ですが、ここまでの旅は決して順風満帆なものではありませんでした。
同社は、大手機械メーカー向けの OEM (相手先ブランド製造)を行う上場企業 K. W. Metal Work PLC の子会社として、独自ブランドでさらなる市場シェアを獲得することを目指して設立されました。
創業当時、同社のチームは業務の多くを手作業で進めていました。また、顧客のニーズを把握するためのデータも十分ではなく、それが販売戦略の方向性と精度に影響を与えていました。
そのような状況のなか、K. W. Metal Work PLC の Deputy Managing Director である Ukrit Vanagosoom 氏は、デジタル変革の必要性を実感し、率先して解決策を模索。入念な検討を重ねた結果、 2022 年に Salesforce を導入することにしました。その効果はすぐさま現れました。営業のオペレーションを Salesforce に移行したことで、PEGASUS 社は 1900% もの収益増を実現したのです。
成果を実感した Vanagosoom 氏は、2024 年 7 月に Slack と Slack Sales Elevate を導入。そのプラットフォームをチームはわずか 2 週間で使いこなせるようになりました。
「長年の習慣を変えるのは簡単ではないだろうと思っていました。ところが実際は、チームから『もっと前からこれを使うべきだった!』という声が届いたのです」と Vanagasoom 氏は振り返ります。
顧客のニーズを予測し、期待を超える収益増を達成
これまで、同社の営業チームは毎月定期的に顧客のもとへ足を運んでいました。移動やプレゼンテーションに多くの時間と労力を費やしていたにもかかわらず、顧客の側で購入する用意が整っていないという理由から、成果に結びつかないことが多くありました。
そこで Vanagosoom 氏は、販売を促進すべく、まず営業チームの増員を図りました。それにより売上は伸びましたが、純利益率は依然として低いままでした。「1% 以下程度だったと思います」。顧客を理解するにはデータが必要であると気づいた同氏は、Salesforce Sales Cloud を導入することを決めました。
「データがあちこちに散らばっていて、それをまとめて分析する方法がありませんでした。そこに Sales Cloud を導入したことで、顧客が購入する用意ができたタイミングを正確に把握できるようになりました。顧客のニーズを予測し、前もって計画を立てられるようになったのです」
その成果は驚くべきものでした。Sales Cloud を導入したことで、PEGASUS の収益は 10 万ドルから 200 万ドルへと急増したのです。さらに、Slack の活用によりチームの業務効率がこれまで以上に高まったことで、PEGASUS は今年、300 万ドルの収益達成を見込んでいます。
Slack Sales Elevate で顧客損失率が 0% に
Sales Cloud 導入の成功で勢いを得た PEGASUS 社は、Slack、そして Slack Sales Elevate を相次いで導入し、そのプラットフォームを Sales Cloud の営業データと連携させました。これにより、すべての情報とプロセスが 1 か所に集約され、チームは営業のパイプラインをリアルタイムで可視化できるようになりました。
「Slack Sales Elevate を使えば、どんな段階にある案件のステータスや期限、進捗状況も、すべてスマートフォンで追跡できます。チームメンバーは私の問題解決への対応の速さに驚いていますね」と Vanagosoom 氏。
このように可視性が高まったことで、チームは迅速に調整を行い、適切な案件を確実に進めて、より効果的に成約に結びつけられるように。その結果、顧客損失率が 3% から 0% へと低下しました。
「まるで透視能力を手に入れたようなものです。Slack Sales Elevate があれば、営業パイプラインのあらゆる情報を確認でき、見落としや実施漏れもなくなります」と Vanagosoom 氏は話します。
まるで透視能力を手に入れたようなものです。Slack Sales Elevate があれば、営業パイプラインのあらゆる情報を確認でき、見落としや実施漏れもなくなります。
Slack と Salesforce で生産性を最大化
PEGASUS の営業チームは、かつてないほど効率的に業務を進められるようになっています。Sales Cloud の導入に伴い、Vanagosoom 氏はチーム体制を 5 人から 2 人に縮小。それにもかかわらず、営業チームは今では同社の総収益の 30% (以前はわずか 1%)を生み出しています。
「たった 1 人で 10 のタスクに対応しなければならない場合もあるでしょう。そこに Slack と Salesforce があれば、1 人で 20 や 30 のタスクをより少ない労力でこなせます」と Vanagosoom 氏は言います。
Vanagosoom 氏自身の日々の業務も効率化されました。以前は、マネージャーとの電話会議に 1 日あたり 30 分を費やしていました。しかし今では、Slack のおかげで、その時間を戦略の策定や予測などの重要な業務に充てられるようになっています。
たった 1 人で 10 のタスクに対応しなければならない場合もあるでしょう。そこに Slack と Salesforce があれば、1 人で 20 や 30 のタスクをより少ない労力でこなせます。
Slack でチームをひとつに
Slack と Salesforce を導入するまで、PEGASUS には、コミュニケーションがメールや LINE などのプラットフォームに分散しているという課題がありました。
Vanagosoom 氏はこう振り返ります。「Slack を導入する前は、ほとんどの問題がコミュニケーションの行き違いから生じていました。不正確な情報に振り回されて、メンバーはいつもフロアを行ったり来たりしていたんです」
Slack を導入してからは、コミュニケーションが明確かつ簡潔になり、伝達スピードも上がりました。それによって承認を得るまでの時間も半日から 5〜10 分程度へと大幅に短縮され、チームは機敏かつ効率的に業務を遂行できるようになっています。
この統合的なアプローチにより、Vanagosoom 氏の会社経営の方法も一変しました。Slack と Sales Elevate によって可視性が高まり、全体を見渡せるようになったことで、会社の成長に向けた戦略的な決定を、十分な情報に基づいて下せるようになったと同氏は感じています。
「Slack と Sales Elevate のおかげで、会社のあらゆる部分がつながり合うようになったと思います。日常業務と全体像の両方をしっかりと把握できている実感がありますね」