Saks が Slack を活用してファッションビジネスを成功に導いた方法

Saks はラグジュアリーファッション分野を代表するデジタルプラットフォームで、Saks Fifth Avenue と独占的なパートナーシップを結んでいます。独立した e コマース企業として 2021 年に設立された同社は、顧客へのサービス向上を目指してデジタル分野に特化した事業を行っています。

デジタルファーストの e コマース企業となった Saks が必要としたのは、自動化、ナレッジ共有、従業員の積極的な関わりを通じて仕事を加速させる「プロダクティビティプラットフォーム」、つまり Slack でした。

外部パートナーと安全にコラボレーション

質の高いカスタマーエクスペリエンスを提供しつつ、すでに確立されたデジタル事業のさらなる拡大を目指す Saks にとって、外部パートナーとのつながりの維持がきわめて重要です。そのコミュニケーションの促進に役立ったのが Slack コネクト。複数ブランドにまたがるキャンペーンや技術スタックの刷新といったプロジェクトにおいて、チームとしての認識の共有や連携強化に活用されています。外部のエージェンシーとチャンネルを共有することで、緊密なコラボレーションが可能になり、Slack を離れることなく、最新情報をこれまで以上に迅速に伝達できるようになりました。

Slack コネクトは、Saks がトップクラスのラグジュアリー e コマースプラットフォームとしての戦略を進めるなかで、従業員の迅速かつ効率的な業務遂行に貢献しています。

ベンダーとの円滑なコミュニケーションやコラボレーションは、サプライチェーンのロジスティクスにおいてとくに重要です。Saks の従業員は Slack を使うことで、在庫状況、入手可能性、出荷に関わる問題についてリアルタイムで話し合い、先を見越して課題に対処できるようになりました。

チームを横断したコミュニケーションを強化

外部パートナーとのコミュニケーションの向上に加え、Saks ではリモートまたはハイブリッド勤務の従業員同士のつながりを強め、エンゲージメントを高める方法も求められていました。互いをサポートし、協力し合うデジタル企業文化を育むために、同社が着目したのが Slack チャンネルです。

たとえば、コミュニケーションチームは、#saks-news という名前のチャンネルで、社内の最新ニュースやイベントに関する情報を従業員に提供しています。Slack チャンネルは、リモートワークをする従業員がつながりを維持し、自分も会社の一員であることを実感するための効果的な方法であることが実証されています。Saks では、#fitness#cooking といったチャンネルも利用され、従業員同士が仕事以外で交流を深めるのに役立っています。

Saks の人事チームも、コミュニケーションツールとして Slack を活用。従業員リソースグループ(ERG)のプログラム、多様性・公平性・包括性(DEI)への取り組みなどについて、Slack を通じて従業員に情報を提供しています。また、#recognition というチャンネルも立ち上げ、従業員がお互いの仕事に対して感謝の気持ちを表現できる場にしています。Saks の人事チームは、このような積極的な関わり合いが、従業員の定着率の向上に重要だと考えています。実際、Slack の調査によると、業種を問わず、Slack を利用しているチームでは、従業員の満足度が平均で 5.9% 向上しています。

リスクを効率的に軽減

Saks のテクノロジーチームは、社内全体で扱われるさまざまなソフトウェアのライセンスを管理しています。かつては、サービスの中断が検知された時に、タイムリーに情報を共有することが難しく、ソフトウェアリスクの解消に遅れが生じていました。

Saks は現在、RSS フィードと Slack の専用チャンネルを使用して、リスクを監視し、いち早く問題に対処できるようにしています。社内のソフトウェアにサービスの中断が発生すると、その情報がシステムステータスチャンネルに自動的に提供され、関連するベンダーチャンネルでも共有されます。これにより、従業員全員が状況を把握できるとともに、より広範囲での可視化、検知、監視、予防的措置が可能になります。このような取り組みにより、同社では IT 関連の問題解決時間が大幅に短縮されました。

顧客のエクスペリエンスとロイヤルティを向上

Salesforce が世界の消費者および企業の購買担当者を対象に実施した調査によると、買い物をする人の 84% が「企業が提供する体験は、製品やサービスと同じくらい重要である」と回答しています。Saks もまた、優れたカスタマーエクスペリエンスの構築に最優先に取り組んでいます。

Saks では Slack を使って、カスタマーサービス担当者が必要な情報や専門家に 1 か所でアクセスできるようにすることで、プロセスを効率化。複数のチームにまたがる Slack チャンネルを活用した運用が行われています。たとえば、コンタクトセンターチームは、カスタマーサービス担当者と情報を共有することで、顧客からのフィードバックへのすばやい返答や、問題の効率的な解決を実現しています。

カスタマーサービス担当者は、顧客の問題にすばやく優先順位をつけ、適切なエキスパートをチャンネルに集めてリアルタイムで連携することで、迅速な解決を導けます。また、過去に発生した問題の履歴を参照できることも、問題解決のスピードアップやエスカレーションの減少につながり、新しい担当者がすばやく仕事を軌道に乗せることにも役立っています。

既存のテクノロジーの価値を最大化

Saks ではかつて、数多くの独立したアプリケーションが日々の業務に使われていました。短時間で顧客の問題を解決しなければならなかったり、マーケティングキャンペーンの締め切りが迫っていたりといった状況下では、複数のアプリやウィンドウを行き来する手間が負担になります。Saks は「Toggle Tax(切り替え税)」と呼ばれるこのようなストレスを軽減したいと考えました。

そこで同社は 37 種類のアプリを Slack と連携。従業員はさまざまな便利ツールを Slack という 1 つの場所から使えるようになりました。その結果、全員の貴重な時間を節約し、仕事が効率化され、生産性が高まりました。

Saks では、Salesforce のサービスを最大限に活用するうえでも Slack が役立っています。具体的には Slack と Salesforce Customer 360 の連携によって、顧客についてのデータを Slack から把握できるようにしています。購入した商品のカテゴリー、最近の返品状況、ロイヤルティのステータスといった顧客情報にアクセスできることが、消費者が期待する、一人ひとりに合わせたカスタマーエクスペリエンスの創出に貢献しています。

Slack と Customer 360 の連携は、カスタマーサービスやマーケティングといった社内の各チームが、顧客に提供するサービスを向上させるのにも役立ちます。2022 年に実施された世界的な調査「Salesforce Success Metrics」によると、Slack と Customer 360 を使用する企業では、平均して、営業部門の生産性が 28% 向上し、サービスチケットのコストが 15% 削減され、マーケティングキャンペーンの実施までにかかる時間が 16% 短縮されています。

アナリティクスで成功を測定

データのアナリティクスは、システムが適切に動作していることの確認と、技術の効果的な活用に欠かせない要素です。多くの企業がこれを認識している一方で、データを正しく解析するための適切なアセットを有している企業の割合は 20% 未満にとどまります。

Saks は、Slack のアナリティクス機能を利用して、プラットフォーム上でのチームのエンゲージメントや、Slack の主要機能やアプリの定着度をリアルタイムで分析しています。

社内での Slack の定着度を把握できることには、大きな価値があります。エンゲージメント指標にすぐにアクセスできることで、プロジェクトマネージャーは重要なインサイトを経営幹部と共有できます。アナリティクスの結果は、どのツールが最も利用され、どの分野に改善が必要かを判断するうえで重要な役割を果たします。

2021 年に Slack を導入して以来、Saks の従業員は次のような成果をあげています。

  • 1 か月あたり 660 回の Slack ハドルミーティングを実施
  • 1 か月あたり 31,000 件のファイルを共有
  • アクティブ577 件の Slack コネクトチャンネルを維持
  • 1 か月あたり 29,000 回の検索アクションを実行

Slack は全社的に効率を向上させるプラットフォーム

Saks にとって Slack は、柔軟なツールで情報を一元化し、あらゆるメンバーをつないで、チームやパートナーとの間での効率的なコミュニケーションを実現する、優れた手段になっています。