コラボレーション

Slack をフル活用する日本IBM が提供するパートナーサービス

「Slack を中心に社内のあらゆるワークフローが確立されることが、近未来のコラボレーションの姿だと考えています」

Slack チーム一同作成2022年1月6日

IT 業界を牽引し先進的なテクノロジーを生み出してきた IBM は 2020 年 2 月、全世界の従業員約 35 万人がコラボレーションツールとして Slack を利用していることを公表しました。また、2021 年 6 月には、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)と Slack はサービスパートナー契約を締結。これまで自社内で培ってきた Slack による生産性向上の取り組みや幅広い業務システムとの連携による業務効率化の知見を顧客に提供し、企業の組織変革や新しい働き方の実現、そして DX の提言を推し進めています。

同社では、Slack のワークフロービルダーをさまざまなシステムやツールと連携させることで、業務改善のアイデアを形にしています。また、山口社長はじめ、各部門リーダー自らが組織内のコミュ二ケーションに Slack を積極的に活用することで、社内の組織風土にも変革の手ごたえを感じています。

全世界で従業員約 35 万人が Slack を利用

日本IBM での Slack 導入時期は 2017 年ごろ。IBM では、インターネットの普及以前からメインフレームを軸とする独自のチャットツールが利用されていました。その後、Notes などにコミュニケーションの基盤が移行した時期もありましたが、現在はメールではなく Slack が業務上のコミュニケーションの中心を担っているそうです。

日本IBM株式会社 IBMコンサルティング事業本部 インタラクティブ・エクスペリエンス事業部 CTO IBM Distinguished Engineer の倉島 菜つ美さんは「我々のチームでは、お客様の DX 推進やビジネス変革をご支援する一環として企業内のコラボレーションの活性化や円滑化を支援することも多く、Slack 活用の提案もその一部として位置付けています」と語ります。

業務改善を生み出すツールとして日本IBM に浸透するワークフロービルダー

グローバルで35万人が Slack を利用するIBM(2021年10月時点)。そのユーザー数の多さから、「利用上の制約も比較的多いと思います」という倉島さん。そのため、日本IBM では、グローバルの社内 IT 部門が展開するアセットを基に現場のユーザーが必要に応じてカスタマイズをして業務の効率化に努めています。

その一例が、Slack ワークフロービルダーを活用した業務効率化です。

倉島さんと同じ事業部でシニア IT スペシャリストを務める 高橋 理子さんは、お客様の企業内コラボレーション・プラットフォーム構築のプロジェクトに携わる傍ら、Slack のワークフロービルダーを活用して作業効率化を図る社内チームのサポートも実施しています。

高橋さんが Slack を利用したアプリ開発事例として紹介するのが、日本IBM 全体の朝会の標準アプリケーションである「Slack @ IBM Standups」です。

このアプリは、9 時の始業開始前に朝会メンバーにメッセージを Slack から自動配信して、「昨日は何をしたか」「今日は何をするか」「何か困っていることはあるか」「今日の気分はどうか」という 4 つの質問を投げかけます。各メンバーが専用フォームに入力すると、それらの情報は朝会で一覧表示され、チームの状況の把握や共有を効率的に行うことができます。さらに 17 時になると自動的にフォームが立ち上がり、各メンバーはそこからその日の実施予定していた作業のステータスや進捗状況を報告・共有することが可能です。

「朝から自分の状況を文章で書き込むのはハードルが高いと考えました。このアプリでは、今日の気分を 5 段階の顔文字で表現できるようにしており、簡単に発信がしやすいように工夫をしています。また、ワークフロービルダーによって自動配信されることでメンバーへの情報共有も自動化され、メンバーは Slack 上に立ち上がった専用フォームに入力するだけ。コロナ禍ではコミュニケーションが希薄になりがちですが、手間をかけずにチームの状況把握ができるという点で現場からも好評です」と高橋さんはその効果を説明します。

他にも、ワークフロービルダーで開発した事例に「活動記録リマインダー」があります。同社のシステムエンジニアは、社内で ILC と呼ばれる活動報告の提出を毎週義務付けられています。しかし、その入力に手間がかかることが多く、管理職にとっても入力を徹底させることが難しいという課題があったそうです。

活動記録リマインダーは、毎週金曜日の 16 時に Slack から自動で ILC の入力をリマインドする投稿が送られてくるように設定されています。その投稿に貼られているリンクをクリックすれば、ILC アプリが自動的に立ち上がり、すぐ入力が可能です。また、Slack でリアクションするだけで上長の DM やチャンネルに自動的に報告されます。

「本業にできるだけ集中できるように、報告業務ではユーザーのアクションが楽になるようにしています。報告者はリマインダーからそのまま画面を開き、クリック操作で簡単に入力できるため短時間で報告できます。管理職側も ILC システムまで見に行かなくても Slack 上で報告内容が確認できるため、両者からポジティブなフィードバックをもらっています」(高橋さん)。

このアプリは Slack のワークフロービルダーのみで開発しており、2 つのワークフローを組み合わせることでわずか 10 分の開発時間で完成しています。「業務改善は、まずは小さくても始めてみることが重要です。ワークフロービルダーを使えば、業務改善に役立つ効果的な機能ワークフローをすぐに開発できます」と高橋さんは説明します。

日本IBM では毎年、社内の業務改善コンテストを開催しており、生産性向上や業務効率化に寄与したアイデアやアプリ開発を表彰しています。倉島さんは今年その全社大会の審査員を務めており、2021 年のファイナリスト 10 件のうち、 3 件が Slack を活用したアイデアであることを紹介してくれました。Slack が業務改善を生み出すツールとして日本IBM に浸透していることがわかります。

ワークフロービルダーの利用に限らず、同社ではタスク管理ツールやプロジェクト管理ツールと連携を実施して業務の効率化をどんどん進めているとのこと。倉島さんは「Slack を中心に、勤怠や人事システム、ERP などが連携して社内のさまざまなワークフローが確立されるイメージこそが、コミュニケーション・コラボレーションの近未来の在り方だと思っています。少しずつ実現に近づけていきたいと考えています」と Slack 活用についての今後のビジョンを話します。

社長と社員の新しい関係性を作った #yamaguchi-channel

Slack を利用したコミュニケーションの変化について、「さまざまな組織のリーダー自らが、組織内のコミュ二ケーションで積極的に Slack を活用するなど社内のコラボレーションは完全に Slack が中心になっています。メールを軸とするやり方にはもう戻れません」と倉島さんは語ります。

日本IBM では、社長である山口 明夫さんを始め、多くのリーダー層が従業員とのコミュニケーションをとるために専用の Slack チャンネルを立ち上げています。

例えば、山口さんのチャンネルである #yamaguchi-channel では、日々の徒然の内容や従業員に対する感謝、社内で注目して欲しいイベントなどについて社長である山口さんが自ら投稿しています。それに対して、従業員は「拍手」や「いいね!」などの絵文字を使って反応したり、スレッドで直接コメントを投稿したりするなど、従来の発信だけではない双方向のコミュニケーション環境が新たに築き上げられています。

IBM ソリューションブログでは、この動きについて以下のように紹介されています。

『社員が日常的に利用する Slack 上に #yamaguchi-channel を作ることによって、社長と社員の新しい関係性が生まれました』

また、新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークを中心とする環境に移行したことで、部署横断での活動の活性化や、サイロ化の防止に Slack が大きな役割を果たしていると評価しているそうです。

「社員が日常的に利用する Slack 上に #yamaguchi-channel を作ることによって、社長と社員の新しい関係性が生まれました」

IBM ソリューションブログ

日本IBM にとって、Slack は自社の強みを活かせる大切なパートナー

日本IBM の提供するサービスについて、『インテリジェント・ワークフローの実現』が同社の目指す姿であると倉島さんは説明します。日本IBMは、AI や IoT、ブロックチェーン、RPA、クラウドなど業務改革を実現する様々な技術に対する知見・実績があります。そういった技術力や社内外に眠るデータを使って企業の意思決定を支援することで、業務を自動化することができるのです。

その上で、Slack のサービスパートナーとなったことについて、倉島さんは「インテリジェント・ワークフローの実現のためには、優れた UI/UX が必要です。ユーザーとの接点を考えた際、そのフロント部分を Slack に統一することは、当社が実現したいことを達成する重要な戦略の 1 つだと捉えています。」と強調します。

日本IBM にとって、Slack は自社の強みを活かせる大切なパートナーであると語る倉島さん。最後に今後のパートナーサービスの展望についてを「日本IBM にとって、Slack は自社の強みを活かせる大切なパートナーです。Slack の活用によって当社のコラボレーションや働き方が大きく変化していることを踏まえると、Slack とのパートナーシップは、日本IBM の顧客のビジネスプロセスを大きく変革する可能性があると考えています。日本企業の DX 推進を目標に、今後もより良い関係性を築いていきたいです」と締めくくりました。

「ユーザーとの接点を考えた際、そのフロント部分を Slack に統一することは、当社が実現したいことを達成する重要な戦略の 1 つだと捉えています」

日本アイ・ビー・エム株式会社IBMコンサルティング事業本部 インタラクティブ・エクスペリエンス事業部 CTO IBM Distinguished Engineer倉島 菜つ美 氏

この記事はお役に立ちましたか?

0/600

助かります!

ご意見ありがとうございました!

了解です!

ご意見ありがとうございました!

うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

読み進める

ニュース

Slack と Salesforce の新しいインテグレーションで、営業チームをパワーアップ

Slack Sales Elevate により、顧客のレコード、取引先や商談のデータ、主要指標を一元化して、営業プロセスのあらゆる段階を変革

生産性

業務自動化とは?メリットや注意点などを解説

業務自動化は業務効率化や生産性の向上に役立ちます。業務自動化のメリットや推進する方法、業務自動化に適した業務の例のほか、注意しておくべき点を紹介します。

生産性

データ連携基盤とは?メリットや導入方法などを紹介

データ連携基盤は、企業がデータを効果的に組み合わせて活用するために欠かせません。データ連携やデータ連携基盤のメリット、構築方法などを紹介します。

生産性

データ連携のメリットやリスクとは?連携ツールについても紹介

データ連携は、複数のシステムやアプリケーションなどのデータを一元管理する際に必要です。データ連携の基本的な流れやメリットとリスク、データ連携ツールなどを紹介します。