デジタルコミュニケーションとは、大まかに言えば、メールやインスタントメッセージなどのデジタルメディアを活用した情報交換のことです。現代の職場環境では、こうした手段が情報を送受信するうえで重要な役割を果たしています。ただし、効果的なコミュニケーションを行うには、状況に応じて適切な手段を選択しなければなりません。ここからは、さまざまな選択肢を見ていきましょう。
一般的なデジタルコミュニケーション手段のメリットとデメリット
今日では数多くのデジタルコミュニケーション手段を利用することができますが、それぞれに長所、短所、ベストプラクティスがあります。
メール
メールはいずれ消滅すると言われているものの、未だに仕事でよく使われるツールです。連絡相手が 1 人の場合でも組織全体の場合でも、メールは相手と簡単に連絡を取り合える手段なのです。メールはやり取りがスレッド化されており、関係者全員が議論の内容をすぐに閲覧できます。また、ツールの使い方を従業員にトレーニングする必要もありません。
一方で、大きな課題もあります。メールは誰もが利用するツールです。迷惑メールも送られてくるため、受信トレイがすぐにいっぱいになってしまいます。そのなかから、自分にとって重要度の高いメッセージを見分けるのは簡単ではありません。また、ほかの仕事に費やせるはずの時間が奪われ、生産性の低下にもつながります。
メールを使う場合は以下を考慮しましょう。
- メールの内容が伝わりやすい簡潔な件名をつける
- 自分の返信内容が全員にとって必要だと確信できない場合は、「全員に返信」のメール形式を使わない
- 各メールスレッドのトピックを守り、トピックが変わるごとに新しいメールスレッドで送る
ビデオ会議
ビデオ会議は、リモート勤務の従業員と連絡を取り合い、地球の反対側にいるチームとつながることができる優れた手段です。また、1 つのオフィス内でも、会議室に集まる人数を抑えることができるため便利です。建物のどこにいようと、関係者全員が会議の内容を把握できるのです。
ただし、ビデオ会議にありがちな落とし穴には気をつけましょう。機器は事前にテストし、使い方を把握しておきます。ミュートとミュート解除の方法(とタイミング)を頭に入れておきます。背景を確認して、自分の頭から植物が生えているように見えないようにします。きらきらしたアクセサリーは外しましょう。光に反射してミラーボールのように映ってしまうことがあります。自宅から参加する場合は、ズボンを履くこともお忘れなく!コロナ禍によるオフィスの閉鎖期間中に、上半身しか服を着ていない様子がカメラに映る事態が続出しました。
ビデオ会議を主催する場合は、「全員をミュート」や、ビデオ会議にメンバーを参加させる方法など、主催者用の機能を把握しておきましょう。また、チャットや「手を挙げる」などのオプションを戦略的に利用することで、会議の中断を最小限に抑えながら、参加者全員の意見を公平に募ることができます。
インスタントメッセージ
インスタントメッセージや、それに似たショートメッセージは、チームメンバーと素早くコミュニケーションできる優れた手段の 1 つです。「6 月のレポートはもう読んだ?」や「会議に 15 分遅れそう」など、短く明瞭なコミュニケーションをとるのに最適です。 あまりに複雑なメッセージを送ると混乱が生じやすいため、代わりに別のコミュニケーション手段を使いましょう。
インスタントメッセージは、その性質上カジュアルなやり取りになりがちです。そのため、役職に 2 段階以上差がある人同士でのやり取りや、人事や財務に関する機密事項の伝達には最適な方法ではありません。
コラボレーションツール
市場にはさまざまな種類のコラボレーションツールが出回っています。特定の業界をターゲットにしたものもあれば、あらゆる業界に対応しているものもあります。エンジニアが図面を共有する場合でも、ライターが原稿を共有する場合でも、コラボレーションツールを利用することでコミュニケーションが合理化され、ドキュメント共有がシンプルになり、関係者全員が利用できる記録が残ります。コラボレーションツールは、チームやプロジェクトを管理するための、より組織的かつ効率的なプラットフォームなのです。
コラボレーションツールを利用する場合は、使い方を全員が理解していることを確認したうえで、基本的なルールを決めておく必要があります。例えば、プロジェクトごとに特定のメンバーを責任者に任命し、敬意を払うようにしましょう(ほかのメンバーの作業内容を勝手に上書き保存してはいけません)。
Slack
デジタルコミュニケーションのためのワンストップソリューションで、なおかつカスタマイズが無限にできるものを必要としている場合、Slack がぴったりかもしれません。Slack を導入すれば以下を実現できます。
- 幅広いビジネスコミュニケーションとコラボレーションツールをシームレスに連携
- プロジェクトごとに個別のチャンネルを作成し、やり取りを対象やトピックごとに整理
- 非同期型のコミュニケーションをサポートしているため、メールスレッドに返信したり、適切な時間帯を待ったりするのではなく、誰でも思いついた時にアイデアを投稿
- 常に包括的なコミュニケーションになるため、誤って誰かが取り残されるリスクを軽減
- Slack をほかの主要コラボレーションツールと連携させて、異なるアプリ間を行き来する必要性(と時間)を軽減
非デジタルの効果的なコミュニケーション手段
もちろん、デジタルコミュニケーション手段が旧来の手法に完全に取って代わることはありません。ビジネスコミュニケーション戦略を立てる際には、以下のような選択肢も考慮に入れましょう。
対面での話し合い
関係者全員を集めることができない場合、ビデオ会議は非常に有効です。ただし、対面でのコミュニケーションに完全に取って代わるものはありません。機密事項の伝達やリスクの高い取引の交渉は、できれば関係者全員で同じテーブルを囲んだ方がよいでしょう。肝心なときに不具合が発生する心配もないため、最も直接的な方法と言えます。
電話
会話をするうえで必ずしも直接会う必要がない場合もありますが、人間らしい温かさは必要です。メッセージを明確にする必要がある場合や、1 人の人と短い話をする場合は、電話をかけるのが最適な場合もあります。複数の人とやり取りする場合は、ビデオ会議を検討してください。
紙のドキュメント
方針書、手順書、契約書などのドキュメントをメールで送るのは簡単です。しかし、重要な文書の印刷版をオフィスに置いておくのは決して悪い考えではありません。印刷版を用意することで、複数の人が同時に内容を確認でき、どれが最終案か明確にわかるため、スパムメールの海を探し回る必要もありません。ただし、変更があった場合は必ず最新版を印刷し、その文書が本当に最終案であることを確認してください。
すべてを 1 つにまとめる
現代の職場環境では、デジタルコミュニケーション手段が重要な役割を担っており、そうした手段の多くはさまざまな状況に対応できます。Slack のような強力なコラボレーションツールを活用すれば、すべての異なるコミュニケーション手段を単一のプラットフォームに統合することが可能です。