3C 分析とは?行う目的や手順、ポイントを詳しく解説

3C 分析とは?行う目的や手順、ポイントを詳しく解説

3C 分析は、適切なマーケティング戦略に重要なフレームワークです。行う目的や具体的な手順、分析のポイントについて解説します。

Slack チーム一同作成2023年6月16日

適切なマーケティング戦略を立てるには、自社が置かれている環境をできるだけ正確に把握する必要があります。現在の立ち位置を把握しておかなければ、自社にとって有効な施策を見誤ってしまうおそれがあるからです。

今回は、マーケティング戦略を考える際に重要なフレームワークのひとつである「3C 分析」について解説します。3C 分析を行う目的や具体的な手順、分析のポイントについて見ていきましょう。

3C 分析とはマーケティング環境を分析するフレームワーク

3C 分析とは、自社を取り巻くマーケティング環境を分析するためのフレームワークです。3 つの「C」から、成功要因の発掘や自社の強み・弱み、競合の動きなどを分析します。

上記のうち、「Customer」と「Competitor」は外部環境、「Company」は内部環境が分析対象です。このように、社内外を対象とすることにより、漏れなくマーケティング環境を分析できることが 3C 分析の特徴といえます。

3C 分析を行う目的

3C 分析を通して、市場・顧客・競合それぞれの要素から KSF(Key Success Factor : 成功要因)を見つけることができます。KSF を自社の戦略にどう活かしていくかを考える上で、3C 分析による多角的な分析が欠かせないのです。

「良いものを作れば売れた」時代もありましたが、市場にモノやサービスがあふれている現代においては、単に商品の質が優れているだけでは売れないケースが増えています。自社を取り巻くマーケティング環境を適切に把握する重要性が増しているのです。

3C 分析の手順

前述の通り、3C 分析は現代のマーケティング施策において、欠かせないフレームワークです。3C の各要素を漏れなく分析するには、下記の順序で進めるといいでしょう。

❶ 市場・顧客の分析

近年は顧客視点のマーケティング戦略を立てる重要性が増していることから、市場・顧客の分析は最優先で取り組むべき課題です。顧客のニーズや消費行動、市場規模、市場全体の成長性を分析するにあたっては、下記のような手法がしばしば用いられます。

  • マクロ環境の分析

マクロ環境である市場全体を巨視的に捉えるには、「PEST 分析」の活用が有効です。 PEST 分析では、「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の 4 つの観点から市場を分析していきます。

これらはいずれも時代とともに移り変わっていく要素であり、事業活動に少なからず影響を及ぼす可能性があります。自社が置かれた外部環境を分析する上で、土台となる要素といえるでしょう。

  • ミクロ環境の分析

消費者や企業ごとなどのミクロ環境の分析には、「5 フォース」分析が用いられるケースが多く見られます。5 フォース分析とは、買い手(顧客)の交渉力」「売り手(サプライヤー)の交渉力」「業界内での競争」「業界への新規参入者」「代替品の存在」という、5 つの観点から自社に及ぶ可能性のある影響力(フォース)を分析する手法です。

この 5 つのフォースは、いずれも自社にとって脅威となり得る外部環境要素といえます。これらを把握しておくことで、自社が利益を確保する上で必要な戦略を見極めやすくなるでしょう。

  • 顧客分析

顧客について詳しく分析しておくことも重要な要素のひとつです。顧客の潜在・顕在ニーズや消費行動、購買プロセスについて分析を進め、「顧客はなぜ買うのか・買わないのか」について仮説を立てておく必要があります。

前述のマクロ環境分析・ミクロ環境分析で得た分析結果を踏まえて、顧客のニーズがどう移り変わっているのか、消費行動を決定付けている要因は何かなど、複合的に分析しておくことが大切です。

❷ 競合の分析

競合分析では、主に下記の 2 点について分析しましょう。

  • 結果に対する分析

現状の市場において、「競合他社がどのような商品を供給しているのか」「市場シェアはどうなっているのか」といった実態を明らかにしていきます。例えば、売上や利益率、顧客数や顧客単価、広告費、市場シェア、商品の特徴、業界内での立ち位置、事業戦略など、さまざまな観点から分析することが重要です。

イメージや先入観に左右されないよう、数値データにもとづいて客観的な視点で分析を進めましょう。

  • 要因に対する分析

次に、競合他社が前述の結果を出している要因を分析します。その要因の例として、販売ルート、営業手法、商品開発の方針、製造工程、顧客サービスの在り方などが挙げられます。

商品そのものに大きな差異が見られなくても、上記の要素のうちいずれかが秀でているためにシェアを伸ばしていることも想定されます。こうして得た分析結果は、自社にとって不足している要素を発見する上で役立つでしょう。

❸ 自社の分析

ここまでに分析してきた結果をもとに、自社の分析に取り組みます。分析手法としては、「SWOT 分析」「クロス SWOT 分析」「VRIO」などを活用するとよいでしょう。

  • SWOT分析

SWOT 分析とは、「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の 4 つの観点から、自社・市場の双方に関するプラス要因とマイナス要因を分析するための手法です。

上記をそれぞれ精査していくことによって、プラス要因・マイナス要因をバランスよく分析するのがポイントです。

  • クロス SWOT 分析

クロス SWOT 分析とは、SWOT 分析を通じて得られたプラス要因・マイナス要因を掛け合わせることで、さまざまな戦略につながる手掛かりを得る手法です。

「Strength(強み)」と「Opportunity(機会)」を掛け合わせることで、ビジネスチャンスにつながる戦略に活用できる積極的戦略、「Strength(強み)」と「Threat(脅威)」であれば、競争優位性を確立するための戦略に活用できる差別化戦略の立案に役立てることができます。

さらに、「Weakness(弱み)」と「Opportunity(機会)」を掛け合わせることで、長期的に自社の弱みを補う戦略に活用できる改善戦略、「Weakness(弱み)」と「Threat(脅威)」であれば、事業への被害を最小限に食い止める戦略に活用できる防衛・撤退戦略を検討しやすくなります。

  • VRIO

VRIO とは、「Value(経済的な価値)」「Rareness(希少性)」「Imitability(模倣可能性)」「Organization(組織)」の 4 つの観点から分析することで、自社の経営資源を把握するための手法です。

VRIOを用いることで、中長期的な視点から自社の競争優位性を把握しやすくなります。現時点での強み・弱みだけでなく、事業の将来性や商品のライフサイクルを知る手掛かりとなるでしょう。

3C 分析と 4C 分析・ 6C 分析の違い

展開する事業によっては、 3C 分析に加えて 4C 分析・ 6C 分析を行うことが望ましい場合もあります。 3C分析と 4C 分析・ 6C 分析との違いを押さえておきましょう。

4C 分析

4C 分析とは、3C 分析に「Channel(流通)」の要素を加えたフレームワークです。生産拠点や配送方法、物流の仕組みなどを加味して考えることで、顧客満足度の向上につながる要因をより明確に把握しやすくなります。

6C 分析

6C 分析は、3C 分析を自社・顧客の両方の視点から行うことによって、顧客にとっての価値にも目を向ける分析手法です。特に、BtoB の事業において有効な分析手法といえるでしょう。

例えば、顧客となる企業の事業目的や達成すべき目標を理解しておくことで、最適なソリューションを提案しやすくなるはずです。

3C 分析を行う際のポイント

3C 分析を効果的に行うには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。下記に挙げる 4 つのポイントを実践して、有効なマーケティング戦略を立案しましょう。

情報は過不足なく集める

3C 分析では、多くの情報を集めることになるため、収集する情報に漏れや重複が生じないように注意が必要です。「MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive : ミーシー)」の考え方を前提に進めることが大切です。MECE とは、「漏れなくダブりなく」と訳される論理的思考の基本です。

3C 分析を進めるための情報収集の段階では、事実にもとづくデータのみ抽出し、事実と解釈・意見を明確に区別しておく必要があります。解釈・意見に関しては SWOT 分析で行い、情報そのものに先入観を混在させないことが大切です。

一方で、一般論だけでなく顧客の生の声など、リアルな情報を集めることも重要です。インターネット上で確認できる調査資料のみで満足するのではなく、顧客の声を聞く機会を積極的に設けることも、3C 分析を進めるうえで効果的です。

必要以上に時間をかけない

3C 分析は、マーケティング環境を分析するための手段であり、目的そのものではありません。そのため、3C 分析にあまり時間をかけすぎてしまうと、肝心な戦略の立案が遅れてしまう可能性があります。

市場や顧客の状況はめまぐるしく変化しています。分析に長期間を費やしている間に、状況が移り変わっていくことも十分に考えられるのです。3C分析はできるだけ効率良く、短期間で終えるのが理想です。

客観的な視点から分析を行う

3C 分析においては、「客観性」が非常に重要なポイントとなります。自社で集計したデータに頼るのではなく、官公庁や研究機関などによる調査結果も駆使して客観性を担保することが重要です。

分析の過程で希望的観測が混在することのないよう、十分に注意する必要があります。「自社の強みはこうあるべき」といった主観にもとづいて分析を進めることは、客観性が失われる原因になりがちです。事実と解釈・意見を明確に区別し、客観性の担保に努めることが大切です。

分析の順序は変えても良い

3C 分析の手順は、必ず守らなくてはならないルールではありません。もし分析がうまくいかないようなら、分析の順序を入れ替えて取り組んでも問題ないのです。

例えば、市場分析に行き詰まっている場合は、先に競合分析から取り組むといったことも考えられます。自社を取り巻くマーケティング環境を確認することが目的ですから、分析の順序に関しては臨機応変に判断していくことも大切です。

3C 分析の結果の共有にも役立つ Slack

3C 分析を通じて得られた結果は、マーケティング戦略を立てる際の材料ともいえる要素です。プロジェクトチームや複数の部門間で分析結果を共有し、活用していく必要があります。3C 分析の結果の共有に「Slack」を活用するメリットを見ていきましょう。

コミュニケーションプラットフォームの Slack なら、分析結果の共有がスムーズ

3C 分析の結果は、複数の資料にわたってまとめられるケースが少なくありません。戦略立案に参画するメンバー間で資料をスムーズに共有できるよう、全員がすぐにアクセスできる場所に保管しておく必要があります。

Slack は、各種ストレージサービスと連携できるため、必要な資料などへのアクセスが容易です。確認したいタイミングでいつでも資料にアクセスできることは、マーケティング戦略の立案を進める上で重要なポイントとなるでしょう。

セキュリティ性の高さ

3C 分析の結果は、事業戦略や顧客データが含まれる機密性の高い情報となるはずです。万が一にも外部に漏洩するようなことがあれば、自社の信頼を損なうことになりかねません。

Slack は、ISO や SOC などの各種認証をはじめ、グローバルスタンダードのセキュリティレベルを保持しています。重要なデータを取り扱う際にも、コミュニケーションプラットフォームとして安心して活用できるでしょう。3C 分析の結果共有には、ぜひ Slack をご活用ください。

3C 分析でマーケティング環境の適切な分析を進めよう

3C 分析とは、「市場・顧客」「競合」「自社」の分析を通じてマーケティング環境を把握するためのフレームワークです。自社の KSF を見つけ、マーケティング戦略に活かしていくには、3C 分析を適切に行う必要があります。

今回紹介したポイントを参考に、3C 分析を着実に進めていってください。自社を取り巻くマーケティング環境が明確になることで、適切な戦略を立案しやすくなるはずです。

よくある質問

市場・顧客・競合それぞれの要素から KSF(Key Success Factor : 成功要因)を見つけ、自社の戦略に活かしていくことが 3C 分析を行う主な目的です。外部環境と内部環境の双方から多角的に分析することにより、自社の KFS を適切に把握することができます。「良いものを作れば売れた」時代もありましたが、市場にモノやサービスがあふれている現代においては、単に商品の質が優れているだけでは売れないケースが増えています。自社を取り巻くマーケティング環境を適切に把握する重要性が増しているのです。
3C 分析では多くの情報を集めることになるため、収集する情報に過不足が生じないようにしましょう。 MECE の考え方を前提に進め、収集する情報に漏れや重複を生じさせないよう注意してください。 3C 分析そのものに必要以上に時間をかけないことも重要です。市場や顧客の状況はめまぐるしく変化しており、分析に時間を費やしている間に状況が移り変わってしまう可能性もあります。 3C 分析はできるだけ効率良く、短期間で終えるのが理想です。また、分析の過程で希望的観測を混在させると正しい分析結果を得ることができません。事実と解釈・意見を明確に区別し、客観性を担保することが大切です。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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