生産性

本当に活用できるナレッジマネジメントツール導入のための 5 ステップ

ナレッジマネジメントツールを見直して生産性と効率を高め、よりよいナレッジ共有を

執筆者 : Deanna Debara2019年2月12日イラスト: Josh Holinaty

誰でも自分のチームには成功してほしいものです。Slack の最近の調査では、チームが成功するために必要なことがいくつかわかりました。それは、透明性を高めること、コミュニケーションを深めること、つながりを強化することです。これらすべてを達成できる 1 つの方法が、チームが本当に活用できるナレッジマネジメントツールを使うことです。

ナレッジマネジメントとは、簡単に言うと社内で情報を収集・保存・整理する方法のことです。つまり、特定の人またはチームからナレッジを獲得したり、組織のほかの人がそのナレッジにアクセスしたりできるようにするための方法です。

例えば、誰もがすぐにプロジェクトに必要なファイルにアクセスできるように Google ドライブを整理することも、ナレッジマネジメントの 1 つです。Slack のチャンネルで最新情報を共有して、ほかのチームが簡単に検索できるようにするのもそうです。チームの全員がナレッジを自由に共有し、検索し、アクセスできるようにするには、あらゆるものを整理するナレッジマネジメントツールが欠かせません。

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Slack で Google ドライブを使う
  • Google ドライブからファイルをチャンネルやダイレクトメッセージにインポート
  • Slack 上で共有された Google ドライブのファイルを直接検索
  • コメントや権限リクエスト、新規共有ファイルなど、ドライブの変更についての通知を Slack で受け取る
注 : 一部のインテグレーションは英語のみです

チームがナレッジマネジメントツールを使いこなすには

「ナレッジマネジメントツールがあるというだけで生産性は向上しません」と語るのは、組織心理学者でコンサルティング企業 Organized Change の Managing Partner である David Chaudron 氏です。「使って初めて効果があるのです」。

組織の効率と生産性を高めたいなら、ナレッジマネジメントツールの導入が欠かせないことは明らかです。でも本当に効果的なナレッジマネジメントを行うには、メンバー全員がそのツールを使いこなす必要があります。そこで、そのために押さえておきたいポイントを 5 つ紹介しましょう。

1.ナレッジマネジメントツールはシンプルに

チームがすんなりとナレッジマネジメントに取り組めるようになるには、不必要に複雑でわかりづらいツールでメンバーをすくませないことが大切です。

何も一から新しいものを作る必要はありません。物事をシンプルにすれば、チームのトレーニングもすばやくできます。さらに誰でも簡単にナレッジマネジメントツールを使いこなせるようになります。

スポーツシューズのレビューサイト、RunRepeat の Chief Marketing Officer である Paul Ronto 氏は 55 人からなるリモートチームを率いています。「RunRepeat で大事にしていることの 1 つが、使いこなしていないプロセスやツールによって仕事が減速しないようにすることです。そのため、私たちは多くのチームで本当に活用されている 4 つのソフトウェアだけを使うシンプルな仕組みにしました。その 4 つとは、Slack、Google ドライブ、(Google)Hangouts、そして Trello です。これらの 4 つでピン留め、タグづけ、割り当て、添付などの機能を活用することで、ナレッジや情報をリアルタイムでやり取りすることできています」。

組織でナレッジを管理するためのプロセスやシステム、またフレームワークは、組織によって異なるでしょう。しかし、効率を上げたい場合はできるだけ物事をシンプルにするのがおすすめです(チームもきっとうれしいはず!)。

2.ナレッジマネジメントツール選定にチームを巻き込む

「チームに発言権を与えましょう」こう話すのは、デジタルマーケティングエージェンシー Matrixx の Partner である Erin Bailey 氏です。「ナレッジマネジメントの中心となるのはチームメンバーです。そのため、メンバーが使いやすいツールを使うことが大切ですし、もしかしたらもっとよいアイデアが出てくるかもしれません」。

Chaudron 氏が言うように、使いたいナレッジマネジメントツールについてチームの意見を知ることは、意思決定に役立つだけでなく、最終的に選ばれたツールへの抵抗感も減らします。

「ナレッジマネジメントツールがあるというだけで生産性は向上しません。使って初めて効果があるのです」

組織心理学者David Chaudron

 

3.ナレッジ共有環境を作る

導入するナレッジマネジメントツール以上に大事なのは、ナレッジを自由に共有できる環境です。ナレッジを活発に交換することを推進する環境がないと、チームメンバーは自分たちのなかにナレッジを溜め込み、さらには「手の内を見せない」という意識になってくるかもしれません。

「競争の激しい職場環境では、従業員同士が競い合います。そうすると、自分の知っていることをほかの人と共有しようとは思いません」と話すのは、企業設立をサポートする MyCorporation.com で Director of Operations を務める Dana Case 氏です。「個人のメリットや利益のために情報を囲い込むのではなく、情報を共有するナレッジ文化を浸透させることが重要です」。

従業員にナレッジマネジメントツールを活用してもらいたいのであれば、さまざまなチームや部門に対して、協力して情報を持ち寄るよう推進してください。さらにアイデアの共有に対して報酬を用意し、個人やチームが情報共有した際には賞賛しましょう。

「従業員がお互いを理解し、多様な背景を知り、各自がどんな経験をチームで活かせるかがわかればわかるほど、もっとスムーズに一緒に働くことができ、言葉に出さなくてもナレッジを共有できるようになるでしょう」と、RunRepeat の Ronto 氏も話します。「みんながナレッジを出し合えば全員にとってプラスになり、溜め込もうとする人は少なくなるのです」。

4.ナレッジマネジメントツール活用のルールを決める

チームでナレッジマネジメントツールを活用し、それによって生産性を向上させるためには、情報の共有・保存・整理方法を決めなければいけません。
Bailey 氏はこう話します。「私たちは Office 365 や OneDrive を活用し、あらゆるクライアントのファイルを会計年度やプロジェクトごとに保存したり整理したりしています。メンバーが混乱しないよう、ファイルの保存場所や命名方法にはしっかりしたルールがあります。その一貫性が重要だからこそ、すべてのクライアントのフォルダーがルールに従う必要があるのです」。

5.フィードバックを求める

導入したナレッジマネジメントツールがチームに合っているかどうかを確認する唯一の方法は、メンバーに尋ねてみることです。

「常にフィードバックを求めましょう」と Case 氏は言います。「組織で使うツールやその活用方法が効果的かどうかを把握することは大切です。従業員は新しいツールの使用方法を理解しているか、ガイドを更新する必要はないかなど確認しましょう」。

ツールやプロセスに関するフィードバックによって、うまく機能している点と、そうでない点を特定することができます。そして、チームにぴったりナレッジマネジメントツールが見つかるまで前進を続けることができるのです。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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