Jeniffer は私のリクエストに熱心に耳を傾けていました。
私は、自分の貸別荘にシャフルボードテーブル(ゲーム用の台)を届けてもらいたかったのです。別荘には 1 月の 5 日から 8 日まで予約を入れないようにしていたので、シャフルボードテーブルはその間に配達してもらい、次のゲストが到着するまでにゲームルームに設置するというのが私の計画でした。
Jeniffer は 1 月 6 日に配達できると請け合い、私はその言葉を信じて注文することにしました。それが 11 月下旬のことです。しかしその安心は 12 月中旬に不安へと変わりました。Jeniffer の会社から、シャフルボードテーブルはすでに出荷され、予定の配達日より何週間か早く届きそうだというメールが来たのです。
これは Jeniffer が約束を破ったということなのでしょうか?
配達を本来の予定に戻してもらうには、8 回も連絡してスーパーバイザーに対応してもらうことが必要でした。その間私のなかではイライラと、その会社に対する不信感が募っていきました。これはカスタマーサービスチームにとって厄介な状況であり、顧客にとっても不幸です。しかしこうした不幸は 3 つのステップで防ぐことができます。
約束を守れないとわかったら、次にやるべきはその約束の修正です。ここで目指すべきは、顧客を不幸にしないこと。そのために約束を確実に守れる状態にするのです。
約束を精査する
顧客が不幸になるのは、多くの場合約束が守られないからです。私の例では Jeniffer が 1 月 6 日の配達を約束したにもかかわらず、シャフルボードテーブルは 12 月中旬に到着するよう手配されてしまいました。その時期は別荘に予約が入っており、私が現地で荷物を受け取ることはできません。
顧客の不幸を避けるための最初のステップは、自分が何を約束し、その約束をどれほど守っているかを洗い出すことです。まずは 2 種類の問題について考えてみましょう。
- 顧客が連絡してくる理由として、最も多いものは何ですか?
- 解決に多大な労力を要するのはどんな問題ですか?
実はシャフルボードテーブルのお店は、注文の品の配達について多くの問い合わせを受けていました。なぜならウェブサイトの内容が曖昧だったからです。オンライン注文システムでは商品を 1~3 週間以内に出荷すると表示しており、それを見た顧客は注文から 1~3 週間で商品が届くものと考えます。ところが実際にはそれより長くかかるのが常態化していました。ウェブサイトでは、次の情報を顧客に伝えていなかったのです。
- 家具を倉庫から出荷するのに最大 3 週間かかること
- その後注文品は顧客が住む地域の配送会社に送られること
- 配達日時は顧客が配送会社と調整する必要があること
特別な要望がある場合、プロセスはさらに複雑になります。シャフルボードテーブルを 1 月 6 日に届けるためには、Jeniffer は通常の手順と異なる方法で対応しなければなりませんでした。ところがこの情報を倉庫や配送会社に伝えるプロセスが確立されていなかったのです。ミスを防ぐためのしっかりしたシステムがなければ、ミスは必ず起こります。
関連コンテンツ : Jeff Toister 氏による約束を精査するためのガイドはこちらから。
守れない約束を修正する
約束を守れないとわかったら、次にやるべきはその約束の修正です。ここで目指すべきは、顧客を不幸にしないこと。そのために約束を確実に守れる状態にするのです。
この段階ではおそらくほかのチームのヘルプが必要になります。例えば、シャフルボードテーブルのお店が配達日時の約束を確実に守るには、次のようなチームを巻き込む必要があるでしょう。
- ウェブサイト : ウェブサイトで配達プロセスを明示する
- カスタマーサービス : 担当者に配達プロセスを正しく理解してもらう
- 倉庫 : 指定日に商品を届けるためのプロセスを作る
- 配送会社 : かかってきた電話に確実に応対する
理想的には、注文時点で顧客が配送希望日時を選べる状態がベストでしょう。実際にそれができる家具販売店もありますし、非常に便利です。
また、注文した商品がいつ届くのかがはっきりわかるようウェブサイトの文面を変えることも大切です。そうすれば、注文した商品が約束の日に届かず困惑した顧客がカスタマーサービスに連絡する事態を防げます。
さらに、社内コミュニケーションの改善も期待できます。スーパーバイザーである Kymber と話した結果、その会社にはいくつかの課題があるとわかりました。
- 配送に関する要望があっても、自動出荷システムが優先されてしまう
- カスタマーサービス担当者が以前の会話の内容をすぐに確認できない
- カスタマーサービスチームから配送会社に連絡できない
こうした詳細を聞いてようやく、配送日を当初約束していた 1 月 6 日に戻すのに複数のカスタマーサービス担当者が苦労していた理由がわかりました。真摯に対応してくれてはいたのですが、社内のシステムのためにそうすることが難しかったのです。カスタマーサービスチームが他部門と簡単に連携できる手段があれば、こうした不幸はすべて避けられたでしょう。
約束の状況を確認する
サービスのミスを完全になくすことはできません。最高の会社で働くカスタマーサービスのプロでも、時にはミスをします。しかし約束の状況をこまめに確認すれば、顧客の不幸を避けるチャンスが生まれます。そうすることで顧客に影響が及ぶ前に問題を見つけて対応できるほか、顧客にはよく目を配ってくれる担当者だと安心してもらえるでしょう。
これに関して言えば、Kymber の対応はすばらしいものでした。私と話したあと、彼女は配達日を変更するため配送会社側と個別に話したとメールで報告してくれたのです。彼女はその後も配送状況を確認し、配達日には問題がないかわざわざ電話をかけてきてくれました。
Kymber によると、このような個別対応には時間がかかるそうです。彼女はスーパーバイザーゆえこうした対応が可能でしたが、カスタマーサービスチームのほかの担当者には配送状況を確認することができません。もしこの会社に優れた社内コミュニケーションシステムがあれば、大きな恩恵を得られるでしょう。自動化されたシステムがあれば、注文に遅延が発生した際、カスタマーサービスの担当者が通知を受け取ることができます。社内メッセージシステムがあれば、カスタマーサービス担当者が自社倉庫のみならず外部の配送会社とも連携して、私のケースのような問題に対応することも可能です。
サービスチームは顧客の近くにいる一方、たいてい社内で最も孤立する存在です。Slack はその溝の橋渡しを行えるソリューションであり、カスタマーサービス担当者を必要な人や情報とつなげることで、問題を速やかに解決します。具体的にはチームが次のことをできるようになるため、サービスのプロセスが改善され、顧客ロイヤルティが高まります。
- 顧客が求める専門知識にすぐにアクセスできるよう、複数の部門とリアルタイムで連携
- 検索機能を使って複数のチャンネルから情報を素早く発見
- それぞれに合わせたサポートモデルで顧客体験の質を向上
- 過去のアクションから得た貴重なインサイトを活用し、顧客からのフィードバック収集を効率化
サービスチームは顧客が不幸にならないよう問題解決に手を尽くす存在です。そんな顧客にとっての頼みの綱でいるためには、たいてい複数の部門との連携が欠かせません。運用方法の再検討には時間がかかりますが、コミュニケーションの改善はほぼ間違いなく関係者すべてにメリットがあるでしょう。優れた顧客体験を磨く方法についてさらに詳しくは、こちらから Toister 氏を迎えたオンデマンドウェビナー(英語のみ)を参照してください。