あらゆる業界で、人材獲得をめぐる競争が激しくなっています。Gartner が 2024 年に実施した、人事部門の優先事項に関する調査によると、CEO の 26% が「人材不足がビジネスの前途に最も悪影響を与える要素である」と回答しています。人事部門は、有能な人材を惹きつけて入社してもらうだけでなく、その従業員をいかに維持していくかにも、チームで協力していち早く取り組んでいく必要があります。
いくら優れた人材がいても、プロセスを円滑に進めるためのツールがなければ、人事チームは力を十分に発揮することはできません。そのため Salesforce の人事チームは、新人の採用・研修からベテラン社員の満足度やモチベーションの向上まで、あらゆるステージで従業員をサポートするために、Slack を活用しています。
「Slack なら、従業員は必要な情報を自分で見つけることができます。これは生産性の向上につながるため、人事チームにとっても理想的です」と話すのは、Salesforce で Vice President of People Services を務める Kim Strashovskiy です。「生産性を容易に発揮できる環境にあれば、従業員の満足度とエンゲージメントが高まり、従業員が組織に定着してすぐれた成果をあげる可能性も高くなります」
Salesforce の人事チームは、AI を活用した仕事のためのプラットフォームとして Slack をどのように活用し、従業員が最高の仕事ができる環境を整えているのでしょうか。以下で、その方法を紹介します。
「Slack を使うことで、従業員は情報にすばやく簡単にアクセスできます。それにより生産性が高まり、会社と顧客の双方の時間を節約できます。これは人事チームにとっても理想的です」
チャンネルを使ったコラボレーションで採用プロセスを高速化
Salesforce の人事チームは、主に Slack チャンネルを使って、メンバー同士が協力して仕事を進めています。チャンネルは、チーム全員でファイルやメッセージを 1 か所で共有できるスペースです。プロジェクトやトピック、部署ごとにチャンネルを作成できます。
「人事部門は、担当する業務が違ったり、使うツールがバラバラだったりすることから、チーム内でサイロ化が生じやすい傾向があります」と指摘するのは、Salesforce で Recruiting Solutions Consultant Senior Manager を務める Sheima Mojtahedi です。「Slack チャンネルを使えば、1 つの場所で最新情報をすばやく提供したり、リソースを共有したりできるため、チームでしっかり連携できます。チャンネル内の過去の会話も簡単に検索できるので、Slack は個人的なナレッジベースにもなっていますね」
機密のトピックについて会話する場合、採用チームはプライベートチャンネルを利用します。このチャンネルにアクセスしたり、中の情報を検索したりできるのは、招待されたメンバーだけです。採用担当者は、例えば、報酬体系や面接の計画といった機密性の高い内容について、このプライベートチャンネルを使ってマネージャーとやり取りできます。
Salesforce の人事チームでは、外部のエージェンシーと連携して、採用候補者の選抜を行うケースがよくあります。Slack を導入する前は、エージェンシーとメールでやり取りしていましたが、その結果、採用プロセスに時間がかかり、優秀な人材を競合他社に奪われるリスクが高くなっていました。そこで Slack コネクトを使って、安全性を保ちながら、外部パートナーとのコミュニケーションをスピードアップ。Slack の便利なツールを使った、リアルタイムでの連携が可能になりました。
チャンネルに参加しているメンバーは、チャンネル内のすべての会話を閲覧できるため、メールを転送したり、受信トレイ内で情報を探し回ったりする必要がなくなります。エージェンシーとのやり取りが整理され、速やかにコミュニケーションできるようになったことで、採用プロセスの効率が向上。Salesforce の人事チームは優秀な人材をスムーズに確保できるようになりました。実際に Slack の『FY25Q1 Customer Tracking Survey』によると、Slack のユーザー企業の 87% が「Slack はチームとして効率的に連携するのに役立っている」と回答し、65% が「意思決定力が向上した」と回答しています。
「社内のさまざまなチームで研修をスムーズに行えるよう調整する私たちの仕事において、Slack は欠かせない存在になっています」
人事プロセスをシンプル化&スピードアップ
複数のツールを使って仕事をしている Salesforce の採用担当者にとって、ツールの切り替えが頻繁に起こると、生産性の低下を招いてしまいます。Slack なら、業務に欠かせないツールをプラットフォームに統合できるため、メンバーは集中力を保てます。Slack App ディレクトリには、Slack ワークスペースに連携できる 2,600 以上のインテグレーションが用意されています。人事チームは、例えば、Workday や Beamery Grow といったツールを連携させて、その情報を Slack に直接取り込むことで、採用プロセスをスピードアップできます。
Salesforce の人事チームは、コーディング不要で誰もが利用できるワークフロービルダーを使って、定型的なプロセスを自動化しています。ワークフローにより、Slack 内で以下のような幅広いタスクを管理・整理できます。
- 新しいメンバーとの情報共有
- 休暇の承認依頼
- サポートチケットの発行
- 同僚へのフィードバック依頼
- Q&A セッションの実施
こうしたタスクの整理に便利なのが、Slack リストです。リストを使うことで、チャンネルやダイレクトメッセージ内の情報をタスクの形に整理して、実行しやすくなります。人事担当者は、重要な情報の見過ごしを防げるとともに、通知も一元化されるため、より集中して仕事をスピーディーに進められます。
口頭で伝えた方が効果的な内容は、Slack ハドルミーティングを使ってさっと会話することで、ミーティングの開催にかかる時間を節約できます。音声や動画で気軽に会話ができるハドルミーティングは、すべての Slack チャンネルまたはダイレクトメッセージから開始が可能。複数人での画面共有や、メモ用の専用スレッド、絵文字リアクションといった機能も利用できます。ハドルミーティングの時間が合わないときには、短い音声や動画を記録できる Slack クリップを使って情報を伝えるのもキャッチアップに便利です。クリップは Slack チャンネルやダイレクトメッセージで作成・共有できます。
このような Slack の機能を活用することで、Salesforce の人事チームは、コミュニケーションの向上と業務の効率化を実現。管理タスクにかかる時間やツール切り替えの手間を削減し、目標の達成や従業員のサポートに多くの時間を使えるようになりました。このようなメリットを得ているのは Salesforce のチームだけではありません。Salesforce の『FY24 Customer Success Metrics』によると、Slack を使うことで、従業員の生産性が平均で 36% 向上することが明らかになっています。
「多くのチームやメンバーが出席する正式な会議以外は、すべてハドルミーティングで対応できます」
質の高い研修で、新入社員の能力を引き出す
適切な研修を受けた従業員は、短期間のうちに高い生産性を発揮できるようになります。Society for Human Resource Management の報告によれば、効果的な研修により、従業員の生産性が 50% 向上するとされています。従業員は、自身の役割と責任を理解することで、会社の目標達成に速やかに貢献できるようになります。
だからこそ、Salesforce の人事部門は、新規採用者が入社した後もサポートを続けています。Salesforce で Vice President of Global Onboarding and Employee Learning を務める Jenny Simmons のチームでは、各従業員のキャリア全体を考慮して、トレーニングや能力開発のリソースを管理することに重点を置いています。
「新規採用者も、買収企業からのメンバーも、新しい役職に昇進した社員も、それぞれが新しい仕事を始めると同時に成功に向けて進めるような環境を整えています。Salesforce では研修をスムーズに行うために、多くのチーム間で調整が必要です。その作業において Slack が大きな役割を果たしています」
新しい従業員は Salesforce に入社した初日から、自動的に Salesforce のコミュニティチャンネルに追加されます。そこで会社の文化に積極的に関わり、成長に向けて学び続けるために必要な情報を得ることができます。例えば、#broadcast-us(#ブロードキャスト-米国)チャンネルには、米国の Salesforce の従業員への福利厚生に関する最新情報がまとめられています。また、#salesforce-marketing-celebrates(#salesforce-マーケティング-お祝い)チャンネルは、チームの集会での写真を投稿したり、空きポジションを社内公募したり、勤続記念日を祝ったりするハブとして機能しています。このような取り組みが、組織の連帯感やエンゲージメントを高めています。
「Slack を使うことで、コミュニケーションが積極的になります。今起きていることに、リアルタイムで対応できます」
AI を活用したヘルプデスクが、採用活動の長期的な成功を導く
多くの組織では、研修が終われば、人事部門と従業員との関わりが少なくなるのが普通です。しかし、従業員にとっては、その後も人事のサポートが必要になることがあるでしょう。その時に、人事関連のドキュメントがさまざまなシステムや部門に散らばっていたら、従業員は情報を探すだけでも時間をとられてしまいます。
そこで役立つのが Slack AI です。アドオンとして購入可能なこの生成 AI ツールセットを使えば、フラストレーションのたまる状況から抜け出せます。Slack AI の回答の検索では、会話形式の質問を入力すると、パーソナライズされた簡潔な回答が引用元とともに生成され、従業員はすぐに必要な情報を得ることができます。社内のナレッジと会話の履歴の中から数秒で情報を探し出してくれる、有能なアシスタントのような機能です。Slack の『Customer Tracking Survey』によると、Slack AI を定期的に使用しているユーザーは、週に 77 分を節約しています。
Slack canvas は、動画やワークフロー、ファイル、チャンネルへのリンクなど、従業員にとって役立つコンテンツをまとめられるスペースです。この Slack canvas を探す場合にも、検索が役立ちます。Salesforce の人事チームは、有給休暇のポリシーなど、従業員からよく寄せられる質問に関する情報をまとめた canvas を共同作成して共有しています。
企業が成長するに伴って、従業員が増えていきます。その対応に力を発揮するのが、 AI を活用でき、数千のツールやシステムとも連携できる、仕事のためのプラットフォームです。効果的な採用活動と協調的な企業文化を支える Slack の活用方法について、今すぐ Slack の営業担当者にお問い合わせください。