UX とは? UI や CX との関連と効率的に改善を行う方法を解説
変革

UX(ユーザーエクスペリエンス)とは?UIやCXとの違いを解説

UX は製品やサービスを開発する際に検討すべき要素です。 UX の定義や UI ・ CX との関係のほか、優れた UX に求められるポイントなどについて紹介します。

Slack チーム一同作成2023年4月12日

UX は、製品やサービスを開発する際に検討すべき要素です。しかし、 UX が重要であることは理解しているものの、具体的になぜ重要なのか、 UX を向上させるにはどうすれば良いのか、わからない方も多いのではないでしょうか。

今回は、 UX の定義や、 UI ・ CX との関わりについてわかりやすく解説します。優れた UX に求められるポイントや UX を向上させるために意識しておきたい点にもふれていますので、製品やサービスを開発する際の参考にしてください。

UX とはユーザーが商品・サービスを通して得られる体験のこと

UX とは User Experience の略で、ユーザーが製品やサービスの利用を通して得る体験のことです。製品やサービスを実際に使っている時の体験はもちろんのこと、商品に対して抱いた印象なども UX に含まれます。

例えば、ある商品を実際に使ってみた消費者が、「想像以上に使い心地が良い」「買って良かった」と感じた場合、優れた UX を提供できています。反対に「使いづらい」「買うべきではなかった」という感想を抱いたとすれば、 UX を改善するための工夫が必要です。

UX と UI の違い

UX とよく似た言葉として UI が挙げられます。 UX と UI は異なる概念ですが、互いに深く関わっています。ここでは、 UX と UI の違いと関係性を整理しておきましょう。

UI とはユーザーとの接点のこと

UI は User Interface の略で、ユーザーとサービスとの接点を表す言葉です。ウェブサービスやアプリの画面デザインやレイアウトといった視覚情報のほか、操作性も UI に含まれています。

UI は UX の一部であり、 UX を向上させるには、優れた UI を提供することが欠かせません。ですから、 UI の向上を図ることは、 UX を高めるために必要な施策のひとつととらえてください。

UI が優れているから UX も優れているとは限らない

UX の向上には UI の改善・改良が不可欠ですが、 UI さえ優れていれば良質な UX を提供できるとは限らない点に注意してください。 UI はあくまでも機能面での良し悪しを基準とする考え方であり、 UX はユーザー体験全体の良し悪しを基準としているからです。

例えば、直観的にわかりやすく見やすいウェブサイトがあるとします。どこを見れば必要な情報を得られるのかユーザーがひと目で判断できれば、優れた UI を備えているといえるでしょう。

しかし、このウェブサイトが表示されるまでの読み込み時間が長く、ユーザーにストレスを与えていれば優れた UX とは言えないのです。 

 

UX とCXの違い

CX は Customer Experience の略で、「顧客体験」と訳されます。 UX も、顧客の「体験」に着目していることが共通点です。

ただし、 UX は商品やサービスそのものに対するユーザー体験を指すのに対して、 CX は購入前から購入後までの工程すべてを含めた体験であることが異なります。ですから、購入前に見た広告に対して抱いた印象や購入時の接客、購入後のアフターフォローなども CX に含まれています。

UX が重視される 2 つの理由

ウェブサービスやアプリの開発においては、 UX が重視されます。主な理由としては、次の 2 点が挙げられます。

デバイスが多様化している

近年、ユーザーが使用するデバイスは多様化しています。パソコンのほかスマートフォンやタブレットなど、異なるタイプのデバイスを複数所有しているユーザーも少なくありません。あらゆるデバイスで優れたユーザー体験を提供できなければ、結果としてユーザーの評価を下げてしまうのです。

例えば、「パソコンでは見やすいけれど、スマートフォンの画面上では文字が小さすぎて見づらいウェブサイト」があると仮定します。ユーザーが外出先でウェブサイトを閲覧しようとした場合、スマートフォンでは文字が小さすぎれば、読むのにストレスを感じるでしょう。そうなれば、このユーザーには「見づらいウェブサイト」という印象が強く残り、ウェブサイトそのものへの評価が下がります。

あらゆるデバイスで優れた UX を確保することは、サービス全体に対する高評価を維持するうえで重要なのです。

商品やサービスだけでなく付加価値が重要視される

消費者は、商品やサービスに機能性や利便性だけを求めているわけではありません。商品やサービスそのものだけでなく、それらを通じて得られる「付加価値」を求めています。

商品やサービスのスペックや優位性をアピールするだけでは、多くの消費者は振り向かなくなっています。サービス全体の質を向上させ、 CX の改善を図ることは重要な競争戦略となりつつあるのです。

そして、 CX を向上させるためには、優れた UX を提供する必要があります。付加価値が重視される現代において、 UX の向上は欠かせない施策のひとつと言えます。

優れた UX を実現するために必要な要素

UX は、顧客ごとにそれぞれ感じ方が異なります。さまざまな顧客にとって優れた UX を実現するには、下記について考慮する必要があるでしょう。

ユーザー目線

UX はユーザーが感じ取る体験であることから、徹底してユーザー目線で改善を図ることが求められます。商品やサービスを提供する企業側の先入観や願望を排し、ユーザーにどう映っているのか、ユーザーはどう感じるのかを突き詰めていくことが、重要なポイントと言えます。

適切なターゲット分析

UI に求められるのが主に機能性であるのに対して、 UX に求められるのはターゲットへの深い理解です。ターゲットユーザーが実際に商品やサービスをどう使うのか、何を期待しているのか、どのような印象を抱くのかを客観的に分析する必要があります。

UI 設計においてよくある失敗例のひとつに、「機能を増やしすぎてしまう」ことが挙げられます。機能を充実させることで利便性が高まると考えがちですが、ユーザーにとって不要な機能を搭載することで使い勝手が悪くなる場合もあるのです。

ターゲットユーザーが「シンプルな機能」を求めているケースでは、機能が複雑化したことでユーザー離れが起きるかもしれません。適切なターゲット分析を行い、ユーザーが求めている体験を把握することが大切なのです。

明確なゴール

UX を改善するには、具体的にどの点をなぜ改善するべきなのか、明確なゴールが必要です。改善するゴールが曖昧なまま取り組むと、目的を見誤った改善策を講じてしまいがちです。

例えば、既存ユーザーにほとんど使われていない機能があるとします。その機能の使い勝手が良くないことが活用されない原因なのか、そもそもユーザーが求めていない機能なのかによって、改善の方向性は異なるでしょう。場合によっては「機能ごと削除する」という選択肢もありますが、実は新規ユーザーには必要な機能で、既存ユーザーには使われていないだけかもしれないのです。

このように、改善するゴールによって、講じるべき施策が 180度変わるケースもありますので、ゴール設定は明確にしなければいけません。

UX を改善させるためのポイント

UX を改善させるには、どのようなことを行っていくべきなのでしょうか。特に重要な 5 つのポイントについて見ていきましょう。

改善の目的を明確にする

UX は多面的な概念のため、改善すべき課題点がいくつも見つかることが想定されます。一度にすべてを改善するのは難しいだけでなく、改善の目的を見失いがちです。まずは、なぜ UX を改善する必要があるのかという、目的を明確にしたうえで共有しておく必要があります。

改善の目的を決める際には、ユーザーにとっての課題やニーズを分析し、必要な改善策かどうかを見極めることが大切です。

ユーザー分析とペルソナ設定を適切に行う

ターゲットユーザーの分析を適切に行うことも重要なポイントです。ユーザーのライフスタイルや価値観を深掘りし、特定の人物を想定した「ペルソナ」を設定しましょう。そして、設定したペルソナが実際に商品やサービスを利用することを想定し、 UX 改善の方向性を決めます。

また、ペルソナは一度設定したら活用し続けるのではなく、定期的に見直します。行動を分析したり、必要に応じてアンケート調査を実施したりするなど、ペルソナではなくリアルユーザーの動向を把握しましょう。そして、ユーザーの実態をペルソナに反映させ、“生きた”ペルソナをもとに UX  改善を検討するのがポイントです。

ユーザー体験の全体像を把握する

ユーザーが商品やサービスを利用する際に、どのような体験をするのか全体像を把握しましょう。ユーザーが商品・サービスにどのような形で接し、その際に何を感じるのか、全体像を明らかにしておくことで UX 向上のポイントがつかみやすくなります。

全体像を把握するには、ユーザーの思考や行動を時系列でまとめた「カスタマージャーニーマップ」を活用するのがおすすめ。利用前・利用中・利用後に考えうる体験をすべて可視化することで、商品・サービスがどのように受容されているのかがイメージしやすくなるはずです。

ユーザーの視点で体験してみる

自分自身が一般ユーザーになりきって、ユーザーの視点で商品やサービスを体験してみるのも有効です。開発側の視点ではなく、自分が自社商品・サービスを初めて利用するユーザーと仮定して検証してください。

検証する際には、商品・サービスを利用する中で感じたこと、気になったことを書きとめておくことが大切です。悪い点だけでなく、良い点も含めて感じたことを書き出していきます。ユーザーの視点で検証することで、これまで見落としていた課題に気づかされることもあるでしょう。

類似サービスと比較する

自社サービスと類似する他社サービスと比較することも大切なポイントのひとつです。他社も UX を向上させるために、さまざまな施策を講じています。一人のユーザーとして新鮮な目で類似サービスを利用すると、他社サービスのメリットや自社サービスの課題に気づかされるケースは少なくありません。

例えば、類似サービスに対して「使いづらい」「改善したほうが良い」と感じたポイントが、実は自社サービスにあてはまる課題かもしれません。

誰にとっても満足な使い心地を目指す Slack の UX

ビジネスチャットとして人気の Slack は、誰にとっても使い心地の良い UX を目指して開発されたツールです。一度使ってみれば、その使いやすさはもちろん、効率的に作業を進められた体験を得られるでしょう。ここでは、満足する  UX を実現した Slack の主な特徴をご紹介します。

状況に応じたコミュニケーションの方法

Slack では 1 対 1 のチャット以外にも、ダイレクトメッセージやグループチャット、ハドルミーティング、ビデオ会議といった多彩なコミュニケーションが可能です。状況に応じてツールを使い分けることで、効率的なコミュニケーションを体験できます。

例えば、施策に対してこまめにフィードバックを実施する必要がある場合、電話やメールで伝えるほどではなくても、誤解や行き違いを防ぐために簡潔なやりとりをしたいケースもあるでしょう。そこで、ダイレクトメッセージやグループチャットで内容の確認を求めれば、スムーズに返信を得られます。

このように、効率的なコミュニケーションをとるには、 Slack は非常に適したツールといえます。

楽しくて便利に使える

Slack は絵文字を使い、楽しく効率的にコミュニケーションを図ることができるツールです。絵文字を活用して感情を表現したり、絵文字リアクションでメッセージにすばやく反応することもできます。

ビジネス向けのコミュニケーションツールの多くは、ビジネスライクなやりとりを想定しています。しかし、チーム内のコミュニケーションを活性化させるのであれば、ややカジュアルなやりとりにも対応できるほうが便利なケースは少なくありません。楽しさと利便性を両立した UX を得られる点も、 Slack の特徴のひとつです。

各種ビジネスツールとの連携

Slack は、各種ビジネスツールと連携させて活用することができます。定型的なプロセスを自動化する Slackのワークフロービルダーで Google スプレッドシートと連携すれば、タスクを自動化することも可能です。また、 MA ツールと連携させることによって、営業活動のマネジメントやカスタマーサービスの管理効率を高めることもできるでしょう。

Slack 単体での活用だけでなく、多くのツールと連携することで業務効率や生産性がさらに向上するのです。

セキュリティ性の高さ

Slack のセキュリティレベルは、グローバルスタンダードです。メッセージのやりとりはもちろん、データを送受信する際にも安心・安全に行うことができます。

Slack 上で送受信するデータと保存データは、いずれも初期状態で暗号化されています。監査ログやデータ損失防止プロバイダーと組み合わせることにより、データを厳重に保護しているなど、データを安全にやりとりすることができ、安心して活用できることも、 Slack の魅力といえます。

UX を向上させて付加価値を高めよう

ユーザーの感情は流動的であり、わずかなことでユーザー体験が損なわれてしまうこともありえます。ですから、 UX の向上は、商品・サービスの付加価値を高めるうえで欠かせない視点です。

今回ご紹介したポイントを参考に、ユーザーの視点で検証や改善を重ね、ぜひ UX の向上に取り組んでください。商品・サービスの付加価値を高めることで、既存顧客の満足度が向上するだけでなく、好意的な評判・口コミによってさらなる新規顧客の獲得にもつながるでしょう。

よくある質問

UX は商品やサービスそのものに対するユーザー体験ですが、 CX は購入前から購入後までの工程すべてを含めた体験を指しています。ですから、ユーザーが「見込み顧客」である状態から CX は始まっており、商品の購入前に見た広告の印象や、購入時の接客、購入後のアフターフォローなども CX に含まれているのです。
UX を改善させるには、「改善の目的を明確にする」「ユーザー分析とペルソナ設定を適切に行う」「ユーザー体験の全体像を把握する」「ユーザーの視点で体験してみる」「類似サービスと比較する」といった方法があります。これらはひとつだけを改善するということではなく、すべてを意識して UX の改善に取り組んでください。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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