1-800-Flowers.com は、生花や鉢植えほか各種ギフトをオンラインで販売する企業です。同社は人と人がつながる機会を生み出すことで、エンゲージメントエコノミーの世界においてかつてない新たな方向へと進んでいます。
全世界を襲ったコロナ禍では、多くの企業がチームや顧客との関係の築き方を見直す必要に迫られました。そんななか、1-800-Flowers.com ではギフト需要が大きく増えました。人と直接会えない状況で、キャリアの節目や商談成立、新製品の発表などのお祝いにギフトがよく利用されるようになったと話すのは、1-800-Flowers.com の President である Amit Shah 氏です。
こうした状況のなか、社内のコラボレーションを促進し、増え続ける需要に応えるために活用されたのが Slack です。「Slack によって意思決定スピードが上がり、仕事をどんどん進められるため、市場のニーズに素早く応えられるようになりました」と、Shah 氏は続けます。その結果、1-800-Flowers.com では社内の結束が促進され、クリエイティブな仕事に専念できるようになったほか、新たな形で感謝の気持ちを表せるようになりました。
「Slack のおかげで、社内のサイロ化をなくすことができました。このことはコミュニティ意識を育み、ビジネスを機敏に進めるうえでとても重要です」
サイロ化を解消し複雑な問題を解決
2020 年 10 月、1-800-Flowers.com は部門間の情報共有とコミュニケーションをよりスムーズにするために Slack を導入しました。
「社内ではすでに効果的なツールをいくつか使っていましたが、チームがすぐに集まれる中心となる場を作りたかったのです」と、Shah 氏は振り返ります。「Slack のおかげで、社内のサイロ化を解消することができました。このことはコミュニティ意識を育み、ビジネスを機敏に進めるうえでとても重要です」。
Shah 氏によると、Slack への移行で主に 3 分野のオペレーションを変革できたそうです。
- 認識を統一すること。全員が 1 つのプラットフォームに集まることで、重要課題に対してすぐに認識を揃えられるようになりました。
- すぐに答えが見つかること。Slack の検索機能 によって、チームが必要とする情報や各分野のエキスパートがすばやく見つかるナレッジの宝庫が手に入りました。
- 変化に素早く対応すること。Slack でつながり、コラボレーションすることで、パンデミックなど社外の問題にも、新しいマーケティングキャンペーンなど社内の機会にもすぐさま対応できるようになりました。
「Slack は、素早いやり取りやアクションができるだけのコラボレーションツールではありません。問題解決の質そのものを引き上げてくれるのです」
Slack コネクトで、数週間かかっていたマーケティングコラボレーションを数日で実現
バレンタインデーは、1-800-Flowers.com にとっても最大規模の収益を生むイベントです。通常、マーケティングキャンペーンの内容は何か月も前に決定されます。しかし今年、パフォーマンスマーケティングチームはこれまでとは異なるアプローチをとりました。
バレンタインデーのわずか数週間前になって、制作代理店が共同キャンペーンを打診してきたのです。その打診を受けることにした同社では、各チームが大急ぎで代理店とさまざまな物事を決めていきました。この時に使われたのが、チャンネルベースのメッセージのやり取りを社外パートナーに拡張できる Slack コネクトです。
1-800-Flowers.com と制作代理店との初期段階のやり取りはほんの数時間で終わりました。さらにキャンペーンの契約締結までのさまざまな決定もわずか数日で完了しました。メールであれば 1 週間はかかっていたでしょう。
Slack コネクトのおかげで、キャンペーンの詳細についてのすり合わせから直前の変更まで、代理店とリアルタイムに進めることができたのです。1-800-Flowers.com のチームによると、これほど複雑なキャンペーンをメールで進めていたらかなり難航するところだったといいます。それが、Slack では簡単に実現することができました。
「全社のチームと社外代理店が目指す方向を揃えることは非常に重要でした。私たちは自社のブランドイメージを損なわないよう細心の注意を払う必要があったのですが、Slack コネクトのおかげで正しいメッセージを数時間で共有することができました」
リアルタイムのデータを駆使してキャンペーンのパフォーマンスを最適化
1-800-Flowers.com ではデジタルなコラボレーション空間である Slack チャンネルを、社外パートナーとのキャンペーンのすり合わせだけなく、キャンペーンの調整や情報共有にも活用しています。「ここぞという時は、数秒だって重要です」と、Shah 氏は話します。「その数秒が鍵を握るときに、Slack のチャンネルで商品や在庫に関する最新情報について全員の認識を揃えられるというのは大きな強みです。需要のある分野や競合他社の動きなども確認できるのですから」。
同社では、各マーケティング施策のほか、マーケティングオペレーションや商品・製品開発などの業務グループごとに専用のチャンネルを使っています。これら専用チャンネルで共有される情報は、マーケティングのワークスペース全体で見える化されるため、最新のキャンペーンの進捗について誰でも情報を得ることが可能です。
例えば商品チームのチャンネルでは、在庫の最新情報を把握することができます。そのため 1-800-Flowers.com のネットワークに加盟するある生花店で花が不足している場合、パフォーマンスマーケティングチームはほかの地域に重点的にコストを配分できるようになりました。
「当社のネットワークの成果や対応余力を数時間から数日のうちに把握できるので、売上向上のための施策をすぐさま調整することができます」と、Shah 氏は続けます。 「Slack によってそうした情報をチーム全体でリアルタイムに共有できるようになったことは、マーケティング費用を最適化するうえで絶大な効果があります」。
キャンペーン終了後に活用されるのが #lessons-learned
チャンネルです。これは成功したキャンペーン(と失敗したキャンペーン)施策から得られたナレッジの宝庫となり、チームは次のホリデーシーズンに向けてデータに基づいた意思決定ができるようになりました。「バレンタインデーから母の日までの間、それまで学んだ内容を整理して、全員がその情報を活用できるようにすることが何よりも重要です」と、Shah 氏は説明します。「#lessons-learned チャンネルは、次のキャンペーンで重視すべきことを伝える生きた資料となるのです」。
その場でギフトを贈ることでエンゲージメントを促進
コロナ禍のソーシャルディスタンスによって、社内チームと社外パートナーとの接点としてのギフト需要が増えたと語るのは、SmartGift の CEO 兼 Co-founder である Monika Kochhar 氏です。しかしそこでネックになるのが配送手配の手間です。ギフトによる関係作りをする場合、いつもの業務から離れてギフトサイトやショップで適切な商品を選び、送り先の住所を探さなければなりません。それが面倒でやめてしまう人もいます。
そこで SmartGift は 1-800-Flowers.com とともに、ギフトを贈ることをよりシームレスな体験に作り変えることを目指しました。そこから生まれたのが、Slack 用 1800Flowers SmartGift アプリです。このアプリを使えば、ユーザーは Slack を離れることなく、その場でギフトを贈ることができます。その仕組みは次のとおりです。
- ユーザーが Slack でアプリを開き、ギフトを選ぶ
- 生成されたギフトのリンクをダイレクトメッセージで受取人に共有する
- 受取人に、希望の住所と配送日の入力依頼が届く
- 受取人が承認後、贈り主が代金を支払う
心のこもったギフトは、デジタルまたはハイブリッドなワークスペースにも人間らしさを添え、ロイヤルティを生み出すと Shah 氏は話します。「仕事仲間に対して、人間として心のこもった形で接し、関係を深めていかなければならないと考える企業が増えてきました」。
「当社でも Slack に皆が集まれるようにして、メンバー同士の関係構築を促進しています。これまでずっとリアルな世界でそうしてきたのですから、デジタルの世界でも同じようにするのは自然なことでしょう」。