世界中で4,500万人が利用する、世界および国内売上シェアNo.1の出張・経費管理クラウドサービスを提供する、米 Concur Technologies。世界26カ国に拠点を持つ同社の日本法人が、株式会社コンカーです。
同社では2016年より、社内および本国や海外支社とのグローバルなコミュニケーションに、Slackを活用しています。Slackの利用によって、グローバルカンパニーならではの「拠点間で時差がある」「海外の担当者とコミュニケーションが取りづらい」「情報共有が難しい」といった課題が解決されました。また、オープンな場所でコミュニケーションがなされるようになったことで、ユーザーからへの問い合わせ対応や、サービス改善のスピードもアップしているそう。
さらに同社では、「Concur Bot for Slack」のベータ版をリリースするなど、自社サービスとSlackとの連携もスタートさせ、ビジネスマンの新しい働き方づくりに挑んでいます。
「時差」を越える!?グローバルなコミュニケーションがスピードUP
コンカーが以前に抱えていたのは、本国や他の海外支社とのコミュニケーションに、どうしても時間がかかってしまうという課題でした。時差という壁に加えて、「この製品の担当者がどの国に所属しているかわからない」という、グローバル企業特有の悩みを改善したのが、Slack の導入だったそう。
Slackを使うことで、個人と個人のやりとりではなく、チーム同士のオープンな場所でのコミュニケーションが可能になります。以前は、メールという「閉じた」場所で行われていたやりとりがSlackに置き換わったことで、「担当者に繋がりやすい」「チームへの情報共有がリアルタイムにされる」ようになり、業務スピードが格段に上がりました。
「以前は数日かかっていたやりとりも、今は1日で終わらせることができるようになりました。まだアメリカは寝ている時間でも、EUの意外なメンバーや以前の担当者が返信をくれたりするので、助かります」と語るのは、同社で社内インフラ全般を担当する小門さん。
また、他国とは英語でのやりとりであるため、その国々の発音の差異が発端となり、電話等ではどうしても情報の聞き逃しや抜け漏れが起こってしまうこともあります。その点 Slack を並行して使うと、「読み書き」レベルでコミュニケーションをとることができ、ログも残るため、確実な情報共有という点でも役立っているそうです。
日本では当初、グローバルなやりとりが多いサポートチーム、社内インフラチームに限ってSlackを導入していましたが、最終的にはそれを全社に拡大させました。
またSlackは検索機能が強く、1年前のやりとりであっても検索ですぐに見つけることができるので、非常に便利です。
今では、以前はメール中心だった社内コミュニケーションのほとんどが、Slackに置き換わっています。
Slack 上のオープンなコミュニケーションが、サービス改善にもつながる
コンカーの中でも非常にアクティブに活用されているのが、Slack上に開設した「質問板」です。質問関連のチャンネル名の頭にはすべて、「ask」という「prefix(プレフィクス)」を付け、他チャンネルと区別をしています。例えば「ask_authentication」というチャンネルは、認証機能(authentication)の開発を行っているチームに質問を投げる場所です。
この質問板は、グローバルと社内、どちらのコミュニケーションにおいても、非常に重宝されているそうです。以前は誰に聞くべきか不明確だった質問でも、今では誰かがチャンネル内でそれを拾うため、疑問がスムーズに解消されます。また、「よくある質問」はそのやりとりを「pin」機能を使って保存することで、後から参照しやすいようにしています。
「同じ系統の回答が一箇所にまとまっていることで、後から検索もしやすく、以前よりとても楽になりました。またSlackは検索機能が強く、1年前のやりとりであっても検索ですぐに見つけることができるので、非常に便利です」と、小門さん。
ユーザーから営業に問い合わせがあった際にも、営業がその内容をSlackに上げることで、対応速度と確度がアップしました。
また、ユーザーからの改善要望も、それをSlack上にオープンにし、チームメンバーがその重要度を「投票」するようにしているそう。そうすることで、日本のユーザーが何を強く求めているか、ということを、グローバルなチームに的確に伝えることができます。日本のニーズも考慮した優先順位が明確になり、グローバルな製品アップデートへの影響力の強化につながっています。
より便利な社会インフラづくりを目指し、Slack との bot 連携も
コンカーには Concur Labs という、5年後の未来を見据えて、テクノロジードリブンな視点で先進的な取り組みを行っていくチームがあります。例えば音声入力、AIやRPA、IoTやブロックチェーンといった最先端の技術を、コンカーのサービスに活かしていくことを目指す取り組みです。
「Concur Labsの活動として、先進的な外部プラットフォームと様々な連携を行なうことで、コンカーだけでは提供できない、もっともっと便利なエコシステムを作っていきたいですね。最終的には、『The Expense Report That Writes Itself』のビジョンに基づき、ユーザーが意識しないでも、経費精算が終わっているような世界を目指したいです」と語るのは、事業開発部の上田さん。その中ではSlackも、急成長を続けるビジネスアプリケーションとして、魅力的な連携先であるそう。
実際にグローバルでは、Slack上でbotと対話し、日々の経費や出張計画の管理ができる Concur Bot for Slack のベータ版が試験運用中で、日本語版へのローカリゼーションプロジェクトも動き出しているそう。
上田さんは、「Slack 連携については、これから日本のチームとどんな面白いことができるんだろうって、本社のメンバーたちもすごくわくわくしてくれていて、それがとても嬉しいんです」と言います。
今後も世界中のビジネスマンが新しい働き方を実現するために、グローバルに新しい挑戦を次々と続けていきます。