Procore は建設業界向けにカスタム構築されたソフトウェアプラットフォームです。同社ではグローバルにビジネスを展開し、現在は世界で 100 万件を超える建設プロジェクトを抱えています。Procore を活用すると、建設作業員は重要な指示をリアルタイムで確認できるだけでなく、現場の全作業員の目指す方向を揃えてチームワークの効率とスピードを高めることも可能です。それは結果的に、作業の質の向上とリスクの軽減につながります。
顧客の貴重な時間やコストを無駄にせず、建設会社のオフィスから現場までのあらゆるコミュニケーションを改善するソリューションを構築すること。これが実現したのは IT チームの存在があったからこそです。メンバーの目指す方向が揃った妥協しないチームのサポートがなければ難しかったでしょう。そんな IT チームとサービスチームの連携を可能にしたのが、チャンネルベースのメッセージプラットフォームである Slack です。両チームは Slack でアトラシアンの主なインテグレーションを活用し、サービスチームのメンバーが力を発揮できるよう陰で支えています。
Jira Cloud インテグレーションを利用して Slack にサービスデスクを集約
Shane Redman 氏が Procore の Director of Information Security and Engineering に就任した際、最も重視していたのは、同社の事業部門のやり取りをメールからエンタープライズサービス管理プラットフォームに移すことでした。ソリューションとして最適だったのは、強力なワークフローとプロジェクト管理を備えた アトラシアンの Jira Cloud インテグレーションでした。これを活用すればコンテキストの切り替えを減らして日常的なタスクを自動化できるため、貴重な時間を節約することができます。
それに加えて Redman 氏は、Jira Cloud インテグレーションによってチームの全体的な生産性がさらに見える化されたと言います。「すべての指標を 1 か所にまとめてすぐに確認できる状態になれば、チームメンバーの仕事が溢れないよう管理しやすくなります」
Jira のチケットソリューションでは、従業員からのリクエストに対してさまざまなチームが Slack 上で直接返信することができます。ほかのシステムやインターフェイスは必要ありません。チケットが送信されると、専用の Slack チャンネルでメンバーに通知が届きます。またメンバーが対応を進めるなかで、さっと参照できるよう Jira チケットに会話を添付することも可能です。
Procore では人事チームも Slack を活用しています。チームでは入社から退職に至るまでの従業員のライフサイクル管理を合理化するため、Jira でカスタムチェックリストを作成し、それを Slack で管理しています。従業員のライフサイクルとは、従業員が組織に所属する期間のことで、採用プロセスから日々のパフォーマンス、退職の引継ぎなどが含まれます。従業員が入社または退職すると、指定された Slack チャンネル に Jira チケットが自動で送信されます。カスタムの Slack インテグレーションを利用すれば、ユーザーの接続の解除や無効化も簡単です。
「現在、従業員のライフサイクル管理は完全に自動化され、すべて Slack 上で実行されています」と Redman 氏は続けます。
「Slack によって、部門を越えた見える化が実現しました。Procore ではサイロ化した環境のなか受け身で仕事を進めるのではなく、進化するインテリジェントなプラットフォーム上で積極的かつリアルタイムに連携しています」
安定したイベント対応システムを構築
Slack は Procore の日常業務に欠かせません。同社で はSlack を活用してビジネスを推進するだけでなく、IT 担当者がプロジェクトやイベントの間必要なグループに参加できるようになりました。「Slack は当社のまさに中心です」と Redman 氏は話します。「メールのスレッドを検索するのではなく、Slack のチャンネルでチームと迅速にやり取りできることは、ペースの速い環境で働くうえでは非常に有利です」
Jira インテグレーションにより、イベントが発生した際にメンバーが関係者に対して最新の状況を常に共有できるようになったと話すのは、Procore で Manager of IT Network and Security Operations を務める Kelli Bonin 氏です。同社では、待機中のインシデント対応チームは特定のチャンネルでやり取りし、ほかのチームメンバーはビジネスへの影響を取りまとめて別のチャンネルで関係者と連携します。
インシデント対応チームでは、Jira を使ってリアルタイムの更新情報を Slack に取り込むため、チームが対応を進めるなかで、Jira チケットを Slack上で直接サービスデスクにプッシュすることができます。イベント用の Opsgenie インテグレーションはコミュニケーションの自動化と連動し、Workato を介して Slack の更新を対象のチャンネルにプッシュします。
Bonin 氏が強調するのは、これらのインテグレーションによってチームメンバーとリーダーシップの間のやり取りがオープンかつ見える化した点です。というのは、透明性は IT チームを成功に導く秘訣だからです。そのため Slack チャンネルで新たなプロセスや手順を話し合えば、全メンバーがそれを把握でき、チームのさらなる結束につながります。
「重要なプロセスを Slack チャンネルに完全に移行したことで、よりオープンになりました」と話すのは Redman 氏です。「発言が控えめな従業員も、Slack なら気軽に提案や質問ができます」
Procore のような企業でグローバルな変化を推進するという大きな使命を果たすには、安定した IT オペレーションが欠かせません。同社にとって Slack は、透明性、コラボレーション、迅速なコミュニケーションを促進してメンバーと経営幹部の目指す方向を揃えるための最適なツールです。
最後に Bonin 氏はこう付け加えます。「Slack でサービステストの状況を常に把握できるため、必要な情報をいつでもすぐに入手できるようになりました」