プライバシーに対する基本理念 : 検索、学習、AI(人工知能)
本書は、お客様のご参考のために作成された英語版の参考訳であり、可能な限り正確であるように努めていますが、誤りを含む可能性があることをご了承ください。英語版と齟齬がある場合、英語版の定めが優先し適用されるものとします。
プライバシーに対する基本理念 : 検索、学習、AI(人工知能)
Slack のミッションは、皆さまの仕事をよりシンプルに、快適に、有意義にする製品を構築することです。そのような製品を構築するにあたり、Slack では「顧客データのプライバシーとセキュリティは神聖なものである」という考えを基本原則としており、そのことは Slack のプライバシーポリシー、セキュリティについてのドキュメント、SPARC、Slack 利用規約に詳しく記載されています。
機械学習(ML)と人工知能(AI)は、製品についての Slack のミッションを強化するために、Slack が限られた方法で使用する便利なツールです。Slack が顧客データを使用して LLM やその他の生成モデルを開発することはありません。絵文字およびチャンネルのレコメンドといった機能向けに非生成 AI / ML モデルを開発するために、Slack のシステムでは、Slack に送信された顧客データ(メッセージ、コンテンツ、ファイルなど)に加え、Slack のプライバシーポリシーおよびお客様のカスタマー同意事項で定義されるその他の情報(利用情報を含む)を分析します。このような特定の状況において顧客データのプライバシーとセキュリティを確保するために、いくつかの指針となる原則があります。
- ワークスペース間でデータが漏洩することはありません。 すべてのお客様に広く使用されるいかなるモデルについても、顧客データを学習、記憶、あるいは部分的に再現できるような方法で、モデルの構築や訓練を行うことはありません。
- Slack では、アクセスを防止するための技術的対策を講じています。AI/ML モデルの開発やその他の目的で顧客データを分析する際、Slack は基礎となるコンテンツにアクセスすることはできません。そのようなアクセスが行われないよう、さまざまな技術的対策を講じています。顧客データの機密性とセキュリティを保護するコントロールについての詳細は、Slack のセキュリティに関するホワイトペーパーをご覧ください。
- Slack では、これらのプラクティスについて、お客様に選択肢を提供しています。 Slack のグローバルモデルの訓練に顧客データを使用しないようにする場合は、オプトアウトできます。オプトアウトした場合、お客様のワークスペースのデータはお客様自身のワークスペースエクスペリエンス向上のためだけに使用され、基盤となるモデルに使用されることなく、グローバルで訓練された AI/ML モデルのすべてのメリットを引き続き利用できます。
オプトアウトする場合はお問い合わせください。 Slack のグローバルモデルに顧客データを使用しないようにする場合は、オプトアウトできます。オプトアウトするには、OrG またはワークスペースのオーナーかプライマリーオーナーからカスタマーエクスペリエンスチーム(feedback@slack.com)にお問い合わせください。その際、ワークスペースまたは OrG の URL を記載し、件名は「Slack グローバルモデルのオプトアウトのリクエスト」にしてください。 リクエストを処理し、オプトアウトが完了したらご連絡いたします。
顧客データとその他の情報
Slack がサービス向上のために顧客データ(メッセージ、コンテンツ、ファイルなど)を使用する場合があること
上記の原則に基づき、Slack の製品およびアナリティクスチームが Slack の開発、更新、および改善に利用する可能性がある改善策とプライバシー保護手法をいくつかご紹介します。
- チャンネルのレコメンド : Slack はインサイトに基づいて、ユーザーが自社の新しいパブリックチャンネルに参加するよう推奨する場合があります。チャンネルのメンバーシップ、アクティビティ、およびトピックの重複度に基づいて、このような提案を行います。このモデルは、過去の提案と、Slack が推奨したチャンネルにユーザーが参加したかどうかに基づいて学習します。また、その過程でモデルを顧客データから分離することにより、プライバシーを保護します。トピックの類似性を評価するために、外部の(Slack メッセージで訓練されていない)モデルを使用し、数値スコアが出力されます。Slack のグローバルモデルは、これらの数値スコアおよび非顧客データのみに基づいて推奨を行います。技術的な詳細については、Slack エンジニアリングブログをご覧ください。
- 検索結果 : Slack の検索用機械学習モデルは特定のクエリに対する適切な結果を特定することで、ユーザーが探しているものを見つけられるように支援します。これは過去の検索結果と過去のエンゲージメントに基づいて行われ、検索クエリ、結果、プロキシの基礎となるテキストからは学習しません。簡単に言えば、Slack のモデルは検索クエリや結果を再構築することができません。その代わりに、検索でメッセージがクリックされた回数や、クエリと推奨メッセージの単語の重複度など、チーム固有のコンテキスト情報から学習します。
- オートコンプリート : Slack は、例えばユーザーが「カスタマーサポート」というフレーズの最初の数文字を入力した時点で、そのフレーズを自動補完するなど、検索クエリやその他のテキストを補完する提案をする場合があります。このような提案はローカルで行われ、ユーザーのワークスペース内の一般的な公開メッセージのフレーズから取得されます。想定される候補から選択する Slack のアルゴリズムは、過去に提案して受け入れられた補完に基づいてグローバルに訓練されています。データプライバシーを保護するにあたり、過去の操作の数値スコアと回数のみをアルゴリズムで使用するなど、入力されたテキストと提案との間の類似性をさまざまな方法で評価するためのルールを用いています。
- 絵文字の提案 : Slack は、メッセージの内容や感情、絵文字の使用履歴、さまざまな状況におけるチームの絵文字の使用頻度などを考慮して、メッセージに対する絵文字リアクションを提案する場合があります。例えば、特定のチャンネルで喜ばしいメッセージに対する一般的なリアクションとして 🎉 が使用されている場合、同じようにポジティブなメッセージが新たに投稿されると、ユーザーに 🎉 でリアクションすることを提案します。顧客データを保護しながらこのような提案を行うために、メッセージの感情を分析するにあたり外部の(Slack メッセージで訓練されていない)モデルを使用する場合があります。そのうえで、Slack のモデルでは、ワークスペースで特定の絵文字が特定の感情のメッセージに関連付けられた頻度のみを考慮して、絵文字を提案します。
このようなきめ細かいパーソナライズと改善は、ユーザーが Slack をどのように利用しているかを調査し、理解してこそ可能なものです。
Slack は皆さまのプライバシーを常に重要視しており、顧客契約とプライバシーポリシーに記載の Slack の守秘義務が各状況に合わせて適用されます。顧客データはお客様ご本人が所有するものとします。Slack では、顧客データはデータ元との関連を切り離した形で集計されるため、Slack が顧客データを使用してサービスを更新する際に、Slack のアフィリエイト(関連会社)や副処理者(サブプロセッサー)以外のサードパーティに対して、改善の情報源として顧客や個人が特定されることはありません。
生成 AI
生成 AI は AI システムの中でも比較的新しいカテゴリーであり、ユーザーの入力するプロンプトに対応してテキストなどのコンテンツを生成できます。この AI カテゴリーには大規模言語モデル(LLM)が含まれます。Slack では、Slack AI サービスの提供において、サードパーティ LLM を活用した生成 AI を使用します。
Slack AI はアドオンとして購入できます。生成 AI 機能は Slack が提供する標準のサービスに含まれていません。顧客データがサードパーティの LLM モデルのトレーニングに使用されることはありません。Slack が顧客データで LLM やその他の生成モデルのトレーニングを実施することはなく、顧客データを LLM プロバイダーと共有することもありません。セキュリティとプライバシーの保護に配慮した Slack AI の構築方法についてもっと詳しく学べます。
Slack AI では既成の LLM を使用しており、顧客データを用いてモデルが更新されることはなく、Slack AI へのリクエスト後にその他の方法で顧客データが保持されることもありません。さらに、Slack AI ではそれらのモデルを独自の AWS インフラストラクチャで稼働させているため、顧客データが Slack の信頼境界の外に出ることはありません。また、LLM のプロバイダーが顧客データにアクセスできるようになることもありません。
Slack AI の生成機能による回答の検索
Slack AI の検索機能は、以下のソースから情報を取得します。Slack の機能(canvas、ハドルミーティングの canvas 議事録、クリップの文字起こし、テキストスニペット)、Slack にアップロードされたファイル(PDF、メール、docx、pptx、Keynote)、Google ドライブのリンク先ドキュメント(ドキュメント、スライド)、SharePoint/OneDrive(Word、PowerPoint)、Box などのファイルストレージパートナーアプリ(インストールされている場合)。ユーザーは、これらのファイルへのアクセスが Slack とのインテグレーション経由で認証されている必要があります。管理者の設定によって、ファイルからの検索結果を無効にしたり、外部に保存されているファイルをソースとして使用しないようにしたりできます。詳細については、ヘルプセンターまたは管理者ガイドのスライド資料を参照してください。