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もう仲間外れを作らない : 職場で孤立が生まれる原因

本当にインクルーシブな職場では、従業員のこれまでの体験に注意を払っています

執筆者 : Audra Williams2019年3月5日イラスト: Patrick Leger

最後にオフィスで過ごした時のことを考えてください。最近のことであっても、おそらく共有キッチンであいさつした相手が誰だったのかを思い出せないと思います。メールを送信する前に見直しを頼んだ相手も、あるいは、ミーティングで自分が話をさえぎった相手も思い出せないでしょう。

しかし、オフィスで過ごしたのがどれだけ前であっても、自分にあいさつをしてくれる人がいなければ、そのことはおそらく覚えていると思います。何かについて個人的に見解を求めてくる人がいない場合や、ミーティングで自分の意見を最後まで聞いてくれる人がいない場合もそうでしょう。

私たちは、以前に同僚による意図的な排除が少なくともハラスメントと同様の悪影響がある事実について投稿し、職場で心理的安全性を確保することの重要性を解説しました。しかし、無意識的な排除についてはどうでしょう。職場にどのような影響を与えるでしょうか。

ダイバーシティとインクルージョンに関するスペシャリストである Annahid Dashtgardが、明確に回答してくれました。「社会的に排除された場面は、脳内の身体的な痛みを感じる部分と同じ場所に記憶されます。これまでに排除されたり軽んじられたりした経験のある人は、特にこの傾向が強いです」と Dashtgard 氏は述べます。「発生したのが以前の職場でも、それ以外の場面でも、そのような小さな排除は、偶発的に起こった一度きりの出来事とはみなされません。記憶に残り続ける特別な出来事とみなされるのです」。

職場での孤立を生む、捉えづらいが有害な原因

非営利団体でプログラムマネージャーを務める Tamara 氏も、Dashtgard 氏と同じことを述べています。

「以前の職場では、人種差別に関する問題がたくさんありました」と彼女は言います。「そのほとんどはマイクロアグレッションとして表れ、時間とともに蓄積していきました」。 2018 年に書かれた「On Microaggressions:Cumulative Harm and Individual Responsibility(マイクロアグレッション : 累積する被害と個人の責任)」という論文のなかで、執筆者の Christina Friedlaender 氏は、マイクロアグレッションを「抑圧されたグループのメンバーが経験する、捉えづらいが有害な差別行為」と定義づけています。

マイクロアグレッションの 1 つは、ある集団全体の代理となるよう期待されることです。オフィスで唯一の有色人種だった Tamara 氏の場合、所属組織と大規模な黒人コミュニティとの間に円滑な関係を築くよう求められました。この点について雇用主とともに対処しようとしたところ、よいとも悪いとも言えない結果となりました。Tamara 氏は次のように述べています。「組織内で味方を見つけようとしましたし、経営問題を取締役会に直接提起しようともしました」。

また、Tamara 氏は採用プロセスの各手順を利用して、将来自分を雇用する可能性がある企業についてインクルージョンの実績を把握しています。「この経験から学んだのは、上級管理職チームが私と面接するのと同様に、私もこのチームについて調べて面接することの重要性です」。

模範を示す : 誰も排除されない、安心できる職場環境づくり

管理職の立場になると、状況が少し変わります。Samantha Brennan 氏は、University of Guelph の College of Arts で学部長を務めています。管理職の立場にありながら、さまざまな場面で、自分の居場所がないと感じることがあります。

「私は家族のなかで初めて大学に行った世代です。カナダへの移民で、母と暮らしています。自転車に乗るのが好きで、アルコール類は飲みません。こんな私ですが、今回の話題に関係しているのは、おそらく私がバイセクシュアルだからだと思います」。

Brennan 氏は、大学で働き始めた時、クィアの教員、スタッフ、大学院生などのグループがあると思っていました。しかし、そのようなグループが存在しないことを知り、Brennan 氏は自分で立ち上げることにしました。ただ、どう考えても話は簡単でないとわかっていました。

「学部長として、私は間違いなく管理者側にいます。制度上の特権も多数あります」と Brennan 氏は述べます。「ですが、誰もがこのような特権を使えるわけではありません。そこで、大学でグループに参加しているクィアの教員やスタッフが、ほかに締め出されていると感じているかもしれない人は誰かを考えました。そのような人たちを歓迎して、私たちに加わってもらうには、どのようにすればいいのかを考えたのです」。

このようなタイプの内省は、まさに Dashtgard 氏が経営幹部に期待していることです。Dashtgard 氏は、誰に寄り添って誰を除外しているのか、リーダーたちによく注意を払うよう求めています。なぜなら、残念なことにリーダーたちは職場全体にそのようなパターンを作り出してしまうからです。

同時に Dashtgard 氏は、制裁的ではなくむしろオープンかつ寛容な態度で問題と向き合うことを推奨しています。「職場のインクルージョンを考えるうえで、取り締まるようなアプローチは最も避けるべき態度です」と Dashtgard 氏は警鐘を鳴らします。「間違えることが当たり前の環境にしなければなりません。そして、間違えた時には謝罪し、そこから積極的に学び、間違いについてフィードバックを提供し合います。でも、これは思いやりをもって行ってください」。

職場での排除パターンの防止

同情や共感を示しながら問題にアプローチすると、建設的な問題解決策にたどり着けます。Tara 氏は、リモート勤務とオンサイト勤務を取り入れている Input 社に開発者として勤務しています。この同情や共感を示すアプローチは、人がぎっしりの会議室にリモートワーカーがコールしなければならない大きなグループミーティングになると、難しくなります。

「参加者がお互いに議論している場合、何を話しているのか理解できません。ましてや、そのような状況で自分の話を聞いてもらうなど不可能です」と Tara 氏は言います。「2 つの会話が別々に始まったら、諦めてください。この時点で、リモートワーカーにはまったくチャンスがないのです」。

そこで、ミーティング中に排除のパターンが発生するのを防ぐため、Tara 氏の会社では意外な処置を講じました。

「全員がリモートワーカーのようにふるまう方法がうまくいっているようです。全員がコールして、ビデオをオンにします」と Tara 氏は続けます。「これによって全員の条件が同じになり、会議室にコールする場合と違って、リモートワーカーが仲間外れにされません」。

ほかの人を参加させるコミュニケーション

世界中にスタッフを抱えるテック系スタートアップ企業でマネージャーを務めている Alicia 氏は、コミュニケーションの透明性が重要だと強調します。「所属チームに対する経営幹部の決定について、たとえ同意できない場合でも、自分の感情を隠しません。なぜなら、そうすることで、自分が率直に話していて、経営幹部を信頼していることが伝わるからです」。

意識していようといまいと、経営幹部に排除の感情が働くと従業員は仕事を失うことがあるため、Alicia 氏は率直であることのリスクの高さを理解しています。「The Impact of Inclusion or Exclusion on Distributed Global Teams(分散型グローバルチームに見られるインクルージョンまたは排除の影響)」という最近の研究で、グローバル組織から切り離されていると感じるスタッフは、会社の将来をあまり楽観視していないことがわかりました。

「従業員は、別の職場に移るために離職を決めると、それまで築いてきた長年の経験を犠牲にして一からやり直します」と Alicia 氏は述べます。「経営側の見地から言えば、従業員が排除されたと感じることで、最高の人材を失うリスクがあります」。

Center for American Progress が行った研究によると、労働者の流出によって発生する費用は多くの場合、賃金や役割に応じて後任者の基本給の 100~300% になると見積もられています。

無意識のうちに誰かを排除していないかについて自分の行動を確認するのは難しく、その行動をリセットするのはさらに難しいかもしれません。しかし、次に職場に行ったら、周りの人を注意して見てください。そして、以下のことについて考えてみてください。

  • 彼らはどんな理由で仕事をしているのか?
  • 彼らは仕事のどんな部分を気に入っていて、どんな部分に不満があるか?
  • また、周りの人の仕事以外の生活についても考えてください。趣味は何か?どんなタイプの音楽が好きか?ペットを飼っているか?

このような情報を集めるためにコミュニケーションをとると、誰も排除されない職場になるだけでなく、明るい職場にもなります。違いに対して寛容になろうとすると、疎外感を抱いた経験を共有するなど、類似点を思いがけず発見することがあります。

「興味深いことに、話を掘り下げていくと、誰でもどこかの時点で排除されていると感じたことがあると語り始めます」と Dashtgard 氏は述べます。「共通の体験があると、誰もがこのような会話に参加するすばらしい機会が生まれます。意識すれば、小さな排除を小さな肯定に転じることができるのです」。

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うーん、システムがなにか不具合を起こしてるみたいです。後でもう一度お試しください。

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