コロナ禍も少しずつ落ち着きを見せはじめるなか、1 つだけ確かなことがあります。それは、2019 年以前の働き方にはもう戻らないということです。感染対策を導入してオフィス勤務を再開した企業もありますが、完全なリモートワークを続けている企業もあります。しかし、新しい働き方として、ハイブリッドチーム、つまり出勤とリモートワークを組み合わせて働くチームがあるようです。2021 年の Statista の調査によると、企業リーダーの 66% がハイブリッドな職場の実現に向けてオフィススペースを再設計しています。
快適なハイブリッドワークを長期的に支える環境を整備するには、非同期型のコラボレーションツールが欠かせない要素になります。リモートワークのメンバーが会社と同じタイムゾーンに住んでいるとは限りません。たとえ会社の近くに住んでいたとしても、リアルタイムの会議のために集まるのは難しいことがあるでしょう。また、ビデオ会議が広く利用されるようになって 2 年近く経過しましたが、誰もが技術的な問題に気づいています。時間を奪い、生産性を低下させかねない問題です。ハイブリッドチームに非同期型のコミュニケーションの手段があれば、チームはもっとスムーズに働けるでしょう。
非同期型のコラボレーションとは?
非同期型のコラボレーションとは、大まかに定義すれば、リアルタイムではない、時間差のあるコラボレーションです。チームメンバーがメッセージを送り、それをあとでほかのメンバーが見て、都合のよい時に対応する。これが非同期型のコラボレーションです。ソーシャルメディアやショートメッセージを使っている人ならば、どのようなものか想像できるのではないでしょうか。しかしコロナ禍以前は、非同期型のコミュニケーションは職場ではあまり一般的ではありませんでした。
非同期型のツールがハイブリッドチームの成功に欠かせない理由
2021 年の PwC による調査では、実に 83% もの企業がリモートワークへの移行が成功だったと回答しました。この調査では、対象企業の過半数(52%)が従業員の生産性が向上したと回答しており、コロナ禍の初期に行われた調査から大きく向上しています。非同期型のメッセージツールを導入するなどして、企業と従業員の双方がコロナ禍への対応を進めたと考えると、これは納得のいく結果です。非同期型のメッセージツールは、次のような理由でハイブリッドチームに不可欠です。
- スケジュールを柔軟に調整できる : チームメンバーが世界各地に散らばっている場合であれ、単に出勤日が異なる場合であれ、非同期型のコラボレーションであれば、勤務中の都合のよい時にメッセージを送信したり返信したりできます。
- ソーシャルディスタンスを確保できる : 新型コロナウイルスによって、私たちがずっと前から気づいていたものの無視してきたことが明らかになりました。人が集まる場所ではウイルスが急速に広がるということです。非同期型のコミュニケーションであれば、会議室に参加者全員を押し込めるようなことは必要ありません。参加者を分散できます。ウイルスの拡散を抑えるほど、病気で休む人が減り、生産性も上がるということになります。
- 時間を節約できる : 採用、解雇、機密事項に関する会議など、どうしてもリアルタイムでの会話が必要な場合があります。しかし、ほとんどの会議は行き詰まることが多いというのが実情です。バーチャルな会議では特にそうです。非同期型のツールを使えば、あとからも参照できるドキュメントを共有しながら要点を押さえるのがはるかに簡単になります。
- インクルージョンを推進できる : チームメンバーは、それぞれニーズと要望が異なる 1 人の人間です。注目されるのが好きな人もいれば、縁の下の力持ちとしてのポジションを好む人もいます。すぐに自分の意見を言いたい人もいれば、考えをまとめるのに時間が必要な人もいます。非同期型のツールであれば、全員が自分にとってベストなやり方でコミュニケーションをとる機会が得られます。外向的なメンバーは、動画を作成して会話スレッドにすぐ返信する一方、内向的なメンバーは文面に時間をかけてメッセージを作成し返信することができます。
非同期型のツールの例
非同期型のツールは、リアルタイムではない、時間差のあるコミュニケーションとコラボレーションをサポートします。非同期型のコミュニケーション用のツールは、例えば次のようなものです。
- メール
- インスタントメッセージやショートメッセージ
- 録画されたビデオ
- 指示や説明を加えたスクリーンショット
- Slack をはじめとするコラボレーションプラットフォーム
すべてを 1 つにまとめる
多くの企業でハイブリッドチームが長期的なものになりつつあるなか、非同期型のコラボレーションツールがこれまで以上に重要になっています。チャットからコラボレーション専用に完全に連携されたプラットフォームまで、こうしたツールはリアルタイム会議の課題を克服するのに役立つだけでなく、生産性や従業員エンゲージメントの向上という効果も期待できます。
それでも、電話、ビデオ会議、対面会議の存在意義は失われていません。機密事項を伝える場合は特にそうです。しかし、オフィスでのコミュニケーション、とりわけハイブリッドチームではそのほとんどを、今こそ非同期型のコミュニケーションに移行していく時です。